2023年7月号
№193
号
通巻877号
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…キリスト教…
修道院の貧しい人々への救済(5)
修道院生活(5)
ベネディクトの戒律は、修道会の制度をより良くしました。極端な形の克己を廃し、修道士たちに共同生活を営ませ、日常の筋肉労働に従事するように要求していました。しかし、ベネディクトの制度には、おのずからその限界がありました。修道士たちは、定住の誓願を守って、修道院内は世間からまったく離れて生活し、もっぱら、自分自身の魂の救済のみを目的としました。
13世紀の初めになって、托鉢修道者の出現によって、修道生活の新しい概念が生まれました。すなわち、托鉢修道者は、従来よりももっと直接に使徒的活動を行うことを志した活動でした。これまでの清貧は、全ての修道会会則の一部をなしていたものですが、それは個人として守るべきもので、団体はあずかり知らないものであったのです。そのために、各修道士は清貧であっても、修道院自体は、徴税、寄付、献金によって、また修道院が経営する地域に根差した一次産業によって得る収入によって、巨万の富を有することは珍しくなかったのです。
修道院の多くが「祈りと労働」をきわめて調和的に重視したにも拘らず修道院の発展と拡大と言う思いが、また、修道院の多くが、その当時の有力な俗人貴族たちによって設立されたり、修道士自身が貴族出身であったり、司祭にしても修道士にしても、基本的にはラテン語の知識が必要なことから、知的な階層の出身者が多くおりました。
そのためかどうかは別にして、修道院の発展と拡大のために、多くの労働修士(助修士)や近隣の農民(年季奉公人・賃金農業労働者)、また、賦役労働(領主の直営地の仕事が週3~4日、自分の土地で働くのは日曜日を除く2~3日)によって維持されていたこともヨーロッパの修道院研究によって最近知られるようになって来ました。
発展と拡大は、今日的表現を用いるならば、親会社の支店・営業所化のようになり、親会社は修道院領主として、全ての権益をその手に入れることとなってきました。この修道院領主の存在を軽視しては修道院の姿に近付くことは出来ないと言われています。
このような背景にあって、新しい托鉢修道会は、修道院・団体にも同じく清貧を守らせようとした運動でした。彼らは個人としても団体としても、何一つ所有せず、ただ信徒の献品によって生命を維持するのです。しかし、決して富を呪うものではなかったのです。無一物であるから、人に憎まれる理由もなく、羨望の的となることもありませんでした。それだけに民衆の人気を得、たちまちにして驚くべき勢力を築いていったのでした。
この托鉢修道会の創設者は、イタリアの聖フランシスコ(1182~1226)とスペインの聖ドミニコ(1170~1221)の二人の仕事であったと言われています。聖フランシスコは、アッシジの富豪な商人の息子でした。フランシスコは正規の教育を受けず、華やかな青春の生活を送り、放蕩にふけっていました。ある時、心の声が彼にマタイによる福音書の次の語句に注目させたと言われています。
行って、「天の国は近づいた」と宣べ伝えなさい。病人をいやし、死者を生き返らせ、らい病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である(マタイ10:7~10)。
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円