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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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…キリスト教…
 社会福祉活動のあゆみ(21)
 修道院の貧しい人々への救済(7)
 修道会と貧しい人々への救済(1)
 
 社会福祉的、教育的活動に従事する修道会、特に女子修道会は、近代カトリック教会史の花園に咲き香っている花とレオンス・グランメーゾン(1868~1927)はその情景を説明しています。
 「個人主義的利己心によって社会の悲惨はますます深刻になった今日、それを覆うための公共救済医療事業は単に物質的であり、しかも非常に高価であって、やたら社会の負担を重くするに過ぎず、またそこでは貧民の人格は忘れられ、人情は氷のように冷ややかである。この時に当ってカトリック教会は、社会の悲惨に赴くこと、あたかも咲き匂う花園へ飛来する群蜂のように、純潔、謙遜にして、人に隠れて献身的生活を営む無数の童貞女を送ったのである」。5c6b363b.jpg
 自分の罪過の報いに苦悩し、あるいは社会の不正、生活の無情に泣く身寄りなく寄る辺のない老人を世話する「貧者の小さき姉妹会」(1839年創立)があり、不治の疾病の悪臭をも意に介さないで看護をする「カルワリオの婦人会」(1843年)と称する未亡人会がありました。
 
 また、労働者の家庭的不幸、すなわち、母親の不在、児童の放任、貧困、失業、疾病を特に救済する「聖母被昇天の姉妹会」(1853年)、結核に罹った若い女性を献身的に看護する「扶助者のマリアの姉妹会」(1854年)の仕事もありました。そして、社会の最も悲惨な境遇に沈んだ売春婦の更生を目的とし、その魂の指導・救済のために働く「善牧者の姉妹会」(1835年)などがありました。これらはカトリック修道会の活動の一部分に過ぎないものです。
 
 カトリックの修道会のこのような愛・徳と自己犠牲による貧しい人々、被災者、病人、老人、要扶養児童、無宿者、犯罪者に対する救済保護の活動は、教会を愛する者も、憎むも者も、全て心ある人の認めざるを得ない事実でありました。今日の社会福祉の範疇に入る活動の内で、修道会の経営・従事していないものは一つもないといっていいでしょう。勿論、日本においても同様でした。しかもその多くは、修道会が先鞭をつけたものでした。
 修道会の社会福祉活動は、多くの社会的困窮を減少させ、挫折した人々に更生・希望を与え、ある者を危険から遠ざけるなど、社会的にも重要な意義を持っていました。これらの活動によって、直接・間接に巨額の国家負担の出費を節約させたのも事実です。
 しかしながら、中世期に於ける修道院の門前で行う無差別の施与は、むしろ職業的・恒久的物乞い階級の増加を促進するものであったと非難される面もありました。すなわち無差別の施与は、その結果において無効であったばかりでなく、有害でさえあり、受ける者を道徳的に堕落させたと非難されました。
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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