2023年7月号
№193
号
通巻877号
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詩編を祈る 9編
「彼らが人間にすぎないことを」
「ご覧ください。私を憎む者が私を苦しめているのを」(14節)から、この詩編はダビデが敵対する者によって苦境に陥っているときのものであることがわかります。
しかもその敵とは、ダビデとその民を取り巻き、虐げる「異邦の民」です。そこでダビデがまず詠ったことは、過去における輝かしい勝利です。しかもその勝利は、神によってもたらせられたと、賛美します(2節)。ダビデにとっては「あなたの賛美をひとつひとつ物語り、御救いを喜び踊ることができる」(15節)、その神の恵みの勝利があるのでした。その1つ1つを数え上げることができる、神の確かな救いの出来事があったのでした。それを根拠にして、ダビデは再び、神による助けと救いを求めるのです。神が敵に御顔を向けられれば、「敵は退き、倒れて、滅び去る」からです(4節)。
さらにダビデがこのように神に訴える根拠は、神が彼の「訴えを取り上げて裁いてくださる」(5節)ことです。なぜならダビデに敵対する異邦の民は、主を畏れる者を虐げ、血を流し、貧しい者を圧迫する者たちだからです。まことの神を畏れない者は、神が造られた人間を恐れることなく、むしろそれを虐げるのです。神との関係が崩れたところでは、隣人との関係も崩れ、倒錯していくのです。ここでダビデが神の求めることは、神の正義と公正です。神の公平な裁きが、国々の中に行われるように、そうして「御自ら世界を正しく治め、国々の民を公平に裁かれる」(9節)ことです。
ここにはイスラエルのみならず、世界を支配したもう神への信仰が脈打っています。まことの神は、イスラエル、神を畏れる者だけの神ではなく、神を恐れない民、神を知らず認めない者にとっても神であられること、全世界の主な神であられることを表わします。多神教の、強大な偶像国家に囲まれたイスラエルにとって、それは驚くべき信仰でした。弱小国にすぎないイスラエルの神こそ、世界の主、世界の神であるとの信仰告白なのです。しかもその神が全世界を裁かれる方でもあり、その裁きは公正であるというのです。驚くほど大胆な信仰です。
しかしこの神への苦難のうちにある者を支え、強めるものでした。主こそ「砦の塔」なのです。「苦難の時の砦の塔」(10節)となってくださる神こそ、力強い国々をもお裁きになる生ける神、それらを御手のうちにあって支配したもう世界の主なのです。その主が臨在されるのはシオンの門です。それ以外の門がどれほど強固でも、それは「死の門」にすぎません。それがどれほど強くとも、所詮人間にすぎないものを恐れる必要はないのです。 稲毛海岸教会牧師
三川栄二 PR
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円