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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (58)
 第39課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
A 神がユダヤ人を退け、異邦人を召されることは神の約束と矛盾するものではない。
       9章1~24節(続)
 「その愛顧を与えることにおいて、神は絶対的主権をもっておられる」
       9章6~24節 (続)
 
  神は陶器作りであり、人間は粘土であります。神は人間の行為が自由であり、すなわち、人間は行為について責任があり、そしてしかも神は永遠より人間のそれらの行為を予定しておられるように、人間を創造し形成されたのです。このことに反対する者は、自分が神の御手の中の粘土であることを喜ばない者であり、聖なる陶器作りに対して指図しようとする者なのです。643018e9.jpg
 
 何故ならば、陶器作りには自主性を持っているが、粘土は全く依存的であるからです。もし人が神と同じ自主性を持っていたとすれば、彼の自由な行動は予定されることは有り得なかったはずです。しかし厳密に言えば、人間は被造物として神に依存しているので、人間の行為は予定されていても自由で有り得るのです。神は人間をそのように創造されたのです。神は人間をそのような種類の被造物として形成されました。神は人間をその行為が予定されながらも自由であるように創造されたのです。
 
 人間は神に依存する存在として、神のみ旨に従って考え、神が人間の歴史に計画されたプランに基づいて生きるように創造されているのです。神は人間を自立的な存在としてお造りにならなかったのです。すなわち、人間をその思想と行為の絶対的創始者であるようには創造されなかったのです。
 
 人間は神の被造物であり、従って、神に依存的であるばかりでなく、有罪の被造物であって、神の愛とあわれみを要求する権利は持たないのです。神は完全な主権をもってある者を救いに選び、他の者を遺棄する権利をもっておられるのです。このことは決して不正を含まないし、何人にも不平を言わせる余地を与えるものではありません。遺棄される者はその罪のために罰せられるのであり、それは正に彼らが受けるべきものなのです。選ばれた者はその罪から救われるのであり、それは神の自由な恵みによるのです。
 
 パウロは、次に反対者たちに注意を、彼らが忘れている事柄、すなわち、悪い者たちが罰せられることも、選ばれる者の救いと同じく、神の栄光を現わすものであるということに向けさせるのです。このことは22~24節で述べられています。忍耐に富んでおられる神は、「滅びることになっている怒りの器を、大いなる寛容をもって忍ばれる」のです。何故なら、「神は怒りをあらわし、かつ、ご自身の力を知らせよう」とされるからです。
「悪人の処罰は決して神の気ままな行為ではありません。それは悪に対する神の聖なる怒りを明らかに示すためであり、また、神の聖なることを明示すためであります。他方、正しい者の救いは神の恵みの豊かさを示すためです。ある者たちの処罰と他の者たちの扱いということの両方において、最も、峻厳であり慈しみに富んだ神の御目的が遂げられているのである」。(C.ホッジ)。
 
 一方的に、しかも非聖書的に神の愛のみが過度に強調される現代は、邪悪な者たちの処罰が、選びの民たちの救いと同様に、真に神の栄光を現わすものであるということを全く忘れ去っているのです。悪人の処罰は神の正義を示し、選びの民救いはあわれみを示すのです。今日、私たちは、聖書の中で語っている聖霊が「滅びることになっている怒りの器」と呼んでいる人々が現実にいることをすっかり忘れてしまっています。しかし、このことは疑いもなく神のみ言葉の真理なのです。
 
 もし、私たちが真に聖書的な視点と主張を持っているならば、ある人々が永遠に滅びるということに対してでなく、ある人々が救われるということにこそ驚きを抱くべきなのです。新約聖書に描かれているような初代教会は、ある者たちが滅びることになっている怒りの器であるという考えによって非難されはしませんでした。それどころか、初代教会は罪に汚れた人類に対して、神が救いをお与えになるという良い知らせを聞いて、驚嘆と驚喜に満たされたのです。
 
 そこでパウロは、22~24節で、神は罪人の処罰と選びの民の両方によって、栄光を現わされると言っているのです。彼はさらに付け加えて、救われる選びの民はユダヤ人の中からだけではなく、異邦人の中からも出るのであると言っています。このことは現在の私たちにとっては、明らかなことですが、その当時のユダヤ人社会においては、全く驚くべきことであって、彼らが受け入れるには極めて困難なことであったのです。 
 
 J.G.ヴォス著
                 玉木  鎮訳
                (日本キリスト改革派引退教師)
 
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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