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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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          キリスト者の生活綱要   (1)
  Golden Booklet of The Trut Christan Life
          By John Calvin
                     ジャン・カルヴァン著
                ヘンリー・J・ヴァンアンデル編
                吉岡  繁訳
 
  
 
 「真のキリスト者生活の黄金律」(The Golden Booklet of the True Christian Walk)
は、最初、De Vita Hominis Christiani(On the Life 0f the Christian Man、「綱要」の第3巻6章の現在の表題)で、ラテン語とフランス語で出版され、後に同じ表題で、英語(1594年)、ドイツ語(1857年)で出版された。オランダ語で初めて出されたのは、この表題で1858年であった。本来、これは独立した書物ではなく、「綱要」の一部であったが、短い初版ではなく、第2、第3、第4版において、「キリスト者の生活について」という表題をもった最後の章、つまり第21章であった。第5、第6版において、カルヴァンは、「綱要」の内容を、父、子、聖霊、教会の4つの項目に整理した。「キリスト者の生活について」をまったく改訂して、彼は第3巻の中ほどに置き、それを第6章から第10章までの5つの章に分けた。この「綱要」は、ラテン語でも、またその他の国語でも、しばしば版を重ね、ある部分は個別に出版された。この「黄金律」はオランダ語では4回にわたって再販され、その最終版が1938年であった。この英語版は、カルヴァンが全面改訂した版からの翻訳で、「黄金律」のフランス語とラテン語版(綱要6章からダイ10章)によるのである。
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 この「黄金律」は、特別な目的のために、「綱要」の他の部分よりもやさしい文体でかかれた。この霊的かつ実践的な性質は、キリスト教ルネッサンス時代(1350年から1500年)に、ヨーン・ファン・ルースブルーク(John Vsn Ruysbroec)や、トマス・ア・ケンピス(Thomas a Kempis)を生んだオランダ国民に、消すことのできない感動を与えた。それはまた、ピルグリムやピューリタン、さらにはキリスト教をバランスをもって実際生活に応用することの必要を感じていたすべてのグループの人々に、驚くべき感動を与えたに違いない。
 カルヴァンは、頭脳と心情と手の業に思いを向ける。それは、彼こそが、キリストの三職(預言者・祭司・王・訳者注)の教理を大成した最初の人だからである。彼は、理知的であり、神秘的であり、実践的である。彼の基本原理は、多くの学者、宗教的指導者、政治家を満足させた。それと同時に、この「黄金律」ほど深遠で、しかも普遍性のある瞑想の書は、この世に存在しない。文体、精神、生き生きとした文章に関しては、アウグスチヌスの「告白」、トマス・ア・ケンピスの「キリストに倣いて」、バンヤンの「天路歴程」のような、偉大な古典と競うことができる。ただこれは、より短く、公正で健全であり、より力に満ち要領を得ている。そのため、これは、まことの宗教性を持つすべての人々、特に、宗教の価値を日常生活において実践しようと願う人々によって、歓迎されるべき書物である。
 この新しい訳は現代語訳であるが、古典本文にはできるだけ近づけるように努めた。しかし、編者は、ある章の表題を、その内容にいっそう一致するように変えたところもある。また、各節に見出しをつけ、節をさらに細かい項目に分け、若干の聖句引照を括弧に入れてつけ加えた。
 ここに簡単な伝記を、読者の興味のために載せておこう。ジャン・カルヴァンは、1509年に、北フランスのノアイヨン市に生まれ、1564年に、スイスのジュネーブで死んだ。彼は、母国の大学で、古典学と哲学、法律と神学の教育を受けた。迫害のためスイスのバーゼルに逃れ、そこで「綱要」の初版を書いた。その時、彼はまだ26歳であった。その後、彼は北イタリアの、フランス王の妹フエラ大公妃の下に身を寄せた。大公妃が多くの改革派の亡命者に庇護を与えていたからである。イタリアからバーゼルへの帰途、友人ファーレルの強要で、ジュネーブの改革を援助することになった。この地でカルヴァンは、新しい国家を建設することはしなかったが、新しい教会、すなわち改革派(リフォームド)、あるいは長老派(プレスビテリアン)と呼ばれる教会と、有名な大学を有する新しい学校制度をつくった。この新しい大学の大学院、すなわちアカデミーで、カルヴァンは神学の教授になった。
 その短い生涯のなかで、カルヴァンは58冊の書物を著した。あるものはラテン語であり、あるものはフランス語であった。彼の著作は神学的であるだけでなく、その多くのものは倫理学的、哲学的原理を含んでいて、それが新しい思想体系の基礎を築いた。彼の「綱要」は、200年もの間、教義学、倫理学、そして哲学の教科書であった。彼は、西ヨーロッパの諸国に熱心な信奉者を得ただけでなく、ハンガリー、ウクライナ、ポーランドにもそうであった。彼の最大の影響は、スイス、ライン渓谷、オランダ、イングランド、スコットランド、そして最後に、しかし最小ではなく、北アメリカに見られる。
 カルヴァンの聖書注解は有名であって、最近アメリカで新しく再販された。その「綱要」も多くの大学、神学校で、再び教科書として用いられるようになった。彼の思想は、彼の基本的概念に完全に同意しない人々によっても、研究されている。ジャン・カルヴァンは、やさしい性質の、背の高い人であったが、今や、ヨーロッパとアメリカの正統的プロテスタント陣営の指導的人物となっている。
1952年
                   ヘンリー・J・ヴァンアンデル
                   カルヴィン・カレッジ
                   グランド・ラピッヅ・ミシガン州
:再読希望者がおられますが、「キリスト者の生活綱要」は在庫がないため、この「つのぶえジャーナル」に連載いたします。つのぶえ社)
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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