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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (59)
 第40課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
B ユダヤ人は旧約に述べられているように、その不信仰の故に拒否された。
       9章25~33節(続)
s-IMG_2690.jpg  9:1~24節でパウロは、神がユダヤ人を拒まれ、異邦人を召されたことは、神の約束と矛盾するものではないことを明らかにします。さらに彼は、神がその恵みを人にお与えになることにおいて、絶対的な主権を持っておられることを強調して語っています。神はご自身以外の何者にも責任を負ってはおらず、常にご自身―すなわち、ご自身の性質・言葉・約束に絶対的に忠実に行動されるのです。
 
 次にパウロは、ユダヤ人たちは旧約に宣言されているように、その不信仰のために拒まれたことを明らかにしようとするのです。第一にホセア書より引用します(ホセア2:23、1:10)。「わたしはわたしの民でない者を、私の民と呼び、愛されなかった者を、愛されるものと呼ぶであろう。あなたがたはわたしの民ではないと、彼らに言ったその場所で、彼らは生ける神の子らであると、呼ばれるであろう」(9:25、26)。
 この引用はホセア書の原文と少しばかり異なっています。しかし、それはさほど問題ではありません。その理由は、パウロの引用はホセアの原文の忠実な直訳であるからです。
しかしなおその上に、ホセア書もローマ書も共に聖霊がその究極的な著者であるから、その著者である聖霊が以前の書から引用する時に、絶対的に文字通り同一の引用をしなくてはならない理由はありません。聖霊はいくらかの引用の自由をもっておられるからです。
 
 ここで重大な問題は、ホセア書においては、この約束はイスラエル北王国の10支族に関わるものであるにも拘らず、パウロは(Ⅰペテロ2:10ペテロも同じく)それを異邦人に適用しているという事実です。ホセアは10支族について書いているのであるから、パウロは9:24ではユダヤ人の回復を考えていたに違いないと言う学者たちがいます。しかし、この解釈は当りません。何故なら、それはローマ書9章の文脈に適合しないからです。
9章の主題は明白にユダヤ人の拒否と異邦人の召命ということであるからです。最も可能性の高い解決は、ホセアの時代において10支族は異邦人のような状態にあり、偶像礼拝に陥り、宗教的観点より見るならば、実質的には異邦人民族と同じ状態にあったということにあります。したがって、ホセアが異邦人一般にパウロがそれを適用しても決して的外れではないのです。すなわち、神の民ではなかった者が神の民と呼ばれ、愛されなかった者が愛される者と呼ばれる時が来るのです。 
 
 J.G.ヴォス著
       玉木  鎮訳
      (日本キリスト改革派引退教師) 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
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「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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