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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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   小閑記
       
 「直向に前のものに向かって」
   (ピリピ3:13~14)
 
 10月号では「後ろのものを忘れ」ると述べる時、これまで自分がキリストのために成し遂げてきた過去の輝かしい成功や業績をも考えていたのではないでしょうか。あるいは、自分の霊的成長であったかもしれません。しかし、どんな立派な過去のものでも、それに執着し満足しているならば、前進にとって致命的な打撃になりかねません。登山家にとって最大の危険は、登ってきた後ろを見ることである、と言われています。
 では、その積極的な面に目を向けましょう。それは、ひたむきに前のものに向かって進み、イエス・キリストにおいて上に召してくださる神の賞与を得ようと、目標を目指して直向に走ることです(3:14)。
 ここでパウロが「目標」と述べていることは、どういう意味でしょうか。全たき聖めといえましょう。主がきよくあられるように、自分を清くすることです。言い換えますと、キリストに似た者となることを望み、キリストがきよくあられるように、自分を清くすることです(Ⅰヨハネ3:2~3)。別言しますと、この目標は主ご自身です。私たちのキリスト教的人生観・価値観・生活観・思考生活・言動など、私たちの生き方の領域全体をキリストご自身に支配していただくこと、つまり、キリストを中心として一心に走ることが目標を目指すことです。
 
s-200910091442000.jpg 私たちは、ここで真にパウロの生き甲斐を見るのです。生き甲斐は、普通「子供だけが生き甲斐だ」とか、「中華料理を毎日食べるのが生き甲斐」などと言う、生きて行く張り合いと言う意味で使われています。パウロは、キリストに絶対的価値観を発見したので、生き甲斐を感じたのです。それが「ただ捕らえようとして追い求めているのである。」「ただこの一事に努めている」「目標を目指して走っているのである」と言うようにキリストをひたすら追い求めさせていただいたのです。
 宮城音弥氏は「人間年輪学入門」(岩波新書)の中で、生き甲斐の類型を6種類に分類しています。無執着人、冒険人、逃避人、義務人、享楽人、追求人です。特に、追及人に目を留めましよう。宮城音弥氏はこれを、「あくまで目標に向かって進んで行こうとする人」と説明しています。パウロはこの「追及人」だったのです。「追求人的生き甲斐」は聖書的です。パウロ的です。そしてこれが私的、あなた的となるべきです。
 このように、聖書的・追求人的生き甲斐をもって、目標を目指して一心に走っていく時、「キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠」が得られます。これは神の召しに応じた報いとして与えられる祝福です。上からの報い、復活、栄化、そして永遠命です。贖われた者の命、全き祝福と言いかえられましょう。
 聖書的・追求人的生き甲斐に必要なものが2つあります。それは献身と集中です。献身とは、自分の体と命を投げ出して、あらゆるものを犠牲にして1つの目的のたまに一心に力を尽くすことです。集中とは、1つのところに集めることから、あらゆる力を結集して、また、あらゆる努力を払って実行に移すことです。
 神様からの恵みをいただいて、励んでまいりましょう。
 
 
  樋口信平著「ピリピ人への手紙講解説教・いのちのことば社」
 
                上河原立雄撰 
 
これらの文章の転載は許可を得ております。    
 
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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