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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(4)s-200910210734000.jpg
 
 われらの主の母
  マリヤ(Ⅱ)
 
 わたしたちは、ルカによる福音書1章によって、イエス様の母マリヤについて考えました。そしてわたしたちは、マリヤの謙遜と彼女の神への服従を強く教えられてまいりましたが、さらに彼女について学びたいと思います。
 マリヤと彼女の夫は、ナザレから遠く離れた南のベツレヘムまで、戸籍登録のために長い旅をしていました(ルカ2:1以下)。この旅は臨月であるマリヤにとっては、実に無理であり、困難なものであったと思います。けれども、皇帝カイザルの命令でどうしても、彼女は自分の先祖の地、ダビデの町のベツレヘムへ行かなければならなかったのです。
 さて不思議な神のみ摂理で、彼らがベツレヘムにいるあいだに、マリヤは月が満ちて、イエス様を生みました。神のひとり子が、宿屋に部屋が無かったとはいえ、こともあろうに、むさ苦しい馬小屋でお生まれになったこと、また、イエス様の最初のベッドが、飼い葉桶であったことなどを考えます時、わたしたちは神の御心の計り知れない深さを、強く教えられるのであります。余りにもこの世のことに捕らわれているわたしたちの心も、神のひとり子がこのような環境にお生まれになったことを考えます時、神様の本当の御心がわかるような気がいたします。
 しかし、イエス様のお誕生の夜の中心問題は、イエス様のお生まれになった環境の良し悪しではなく、天の使いの歌ったように、救い主の誕生であります(ルカ2:11)。その夜、エルサレムの郊外で羊の群を守って寝もやらず、夜露に打たれて野宿していた羊飼いたちがおりました。羊飼いたちは、天使の歌う歌を聞き、急いでベツレヘムに行きました。彼らは馬小屋で、マリヤとヨセフを尋ね当て、飼い葉桶に眠っている幼児のイエス様を見つけ、心からイエス様を拝みました。そして、天使がこの幼児について自分たちに告げてくれたことを、彼らは詳しく、人々に語り伝えたのであります。この態度は、わたしたちクリスチャンの見習うべきことで、わたしたちは救い主のご来臨のこの善き音ずれ(福音)を、多くの人々に伝える大切な使命を与えられているのです。
 羊飼いたちの話を聞いたマリヤの気持ちは、どんなものであったでしょうか。ことの不思議さと喜びで、彼女の心はいっぱいであったでしょう。聖書には、マリヤがこれからのことをことごとく、心に留めて思い巡らしたとあります。その後のマリヤのことについて、聖書に15回彼女の名前が出てきます。今、そのうちの1、2を挙げてみましょう。
1 ルカによる福音書2章41~54節です。イエス様が12歳の時の話しです。イエス様は両親にともなわれ、過ぎ越しの祭りのためにエルサレムに上って行かれました。祭りが終わって両親はイエス様も一緒にいるものと思いましたが、実は、イエス様はエルサレムの宮に居残っておられることに気付かず、ナザレへの家路を急いでおりました。彼らは夕方近くになって、イエス様が自分たちのグループの一団の内にいない、見当たらないことに気付きました。ヨセフとマリヤは驚いて、探しながら都エルサレムへと引き返しました。そして3日目に、彼らは、イエス様が宮の中で教師や学者に囲まれ、彼らの話を聞いたり、また彼らに質問したりしておられるのを見つけたのです。
マリヤはイエス様に、「どうしてこんなことをしてくれたのです。お父さんもわたしも心配して、あなたを探していたのですよ」と叱るかのように言いました。するとイエス様は、「どうしてわたしをお探しになったのですか。わたしが自分の父の家にいるはずのことを、ご存知なかったのですか・・・」。と答えられました。イエス様が、自分は神のひとり子であることを、初めて明らかにされたのですが、両親はそのことを悟ることが出来ませんでした」(ルカ2:50)。
2 使徒行伝1章14節をみますと、マリヤとイエス様の弟子たちが、初代キリスト教会の人々と一緒にひたすら祈りをしています。初めてイエス様が神の子であることを語られても信じることが出来ず、イエス様の伝道の門出をさえ思いとどめさせようとした彼らです。しかし後は、このようにイエス様をメシヤ(救い主)と信じるようになりました。このことによって、マリヤもクリスチャンとなったことがわかります。
 
      初 代教会の使徒たちで、マリヤの名を説教に取り入れ、彼女の偉大さだとか、奇跡的能力を持っていたなどと伝えた人は、一人もありません。有名な使徒パウロも、マリヤの名を一度も使っていません。このように申しましたからといって、わたしは決して、イエス様の母マリヤを軽視する考えではありません。ただローマ・カトリック教会や、ギリシャ正教会、また一般社会が彼女に対してとっているようなマリヤをキリストと同格に扱ったり、それ以上に見ることが非常に誤っていて、そのようなことは聖書に基づいていないことを指摘したいだけであります。
 マリヤも、わたしたち世の人間と同じように悩みもし、いろいろな苦しみを味わい、人生を過ごした婦人です。彼女には深いキリストの教えが分からなかったかも知れません。しかしやがては彼女も召されて、イエス様が真の神であることを信じ、主のみ足跡に従って、自分に定められた苦き杯を、何の不服も言わずに受けました。わたしたちも、彼女のように素直な信仰に導かれたいものであります。
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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