2023年7月号
№193
号
通巻877号
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「契約の継承」(42)
第6章 神の契約にそって教育する
神の契約にそって生き、そして教育
ステージ3 信頼と従順
〈子らが神に信頼をおき、神のみ業を決して忘れず、その戒めを守るために、〉
この段階になると、生徒たちは取得した知識に基づいて行動するようになります。神がどういうお方であり、何をなさったのかという知識に基づいているので、神への信頼は確かです。この頭と心の信頼が、従順を生み出します。賢い教師は生徒が知ることから行動することへ渡れる架け橋を架ける手助けをします。生徒の成長段階や、生活の状況に注意を喚起し、どんな真理がその段階や、状況に適用したらよいかふんだんに例示します。そしていつも真理を人生の状況に当てはめる適時を見張っています。いや、賢い教師は真理が頭の知識の域を超え、行動の変化を乗り越えなければならないことを鋭く察知しています。賢い教師は神に忠実な心を求めて祈ります。
心の問題
〈先祖のように頑な反抗の世代とならないように、 心が確かに定まらない世代、
神に不忠実な霊の世代とならないように。〉 詩篇78・8
詩篇の著者は、先祖らの得たと知識と同じものを受けることができると書いていますが、望ましい結果は、頑なで反抗的な世代であった先祖のようにはならないことであると記しています。詩篇の著者は、知識を耳にしても決定的な相違を生じないという現実に私たちを直面させます。信頼と従順を生み出すのは心の変化です。定めと掟が生徒たちを救ってくれるのではありません。心への移植が必要です。彼らは罪に陥りやすく、恵みなしには盲目的に生まれつきの傾向に従っていきます。詩篇の著者は、人々の不信仰と神の誠実さを記すことによって、このポイントの核心をついています。
〈エフライムの人々は矢をつがえて弓を射る者であったが、戦いの日には、
退却した。彼らは、神の契約を守らず、神の教えに従って歩むことを拒み、〉
〈神の数々の御業と、神が見せてくださった多くの奇しいこととを忘れてし
まった。神は彼らの先祖たちの前で、エジプトの地、ツォアンの野で、奇し
い業を行われた。……〉
〈それなのに、彼らはなおも神に罪を犯し、砂漠で、いと高き方に逆らった。…〉
〈神が彼らを殺されると、彼らは神を尋ね求め、立ち返って、神を切に求め た。彼
らは、神が自分たちの岩であり、いと高き神が自分たちを贖う方で あることを思
い出した。〉〈しかしまた彼らは、その口で神を欺き、その舌で神に偽りを言った。
彼らの心は神に誠実でなく神の契約にも忠実でなかった。〉
〈しかし、憐れみ深い神は、彼らの咎を赦して、滅ぼさず、幾度も怒りを押
え、憤りのすべてをかき立てられはしなかった。〉〈神は、彼らが肉にすぎず、吹
き去れば返ってこない風であることを。心 に留めてくださった。〉
〈幾たび彼らは、荒野で神に逆らい、荒れ地で神を悲しませたことか。彼ら
は繰り返して、神を試み、イスラエルの聖なる方をいためた。
詩篇78・9~41(新改訳)
私たちと生徒たちはイスラエルの聖なるお方を傷つけています。私たちも彼らもどうしても恵みを必要としています。変えられた心なしに頭の知識と行動の変化に甘んじることが、キリスト教教育ではありません。キリスト教的に教育することは頭脳に穴を開けて、その人の内的な面へと深く入り込んで行くことです。そうすることで、私たちは自分自身と生徒たちを、神の恵みに委ねることになります。なぜなら、「自然の人は神の霊に属する事柄をうけいれません。その人にとって、それは愚かなことであり、理解出来ないのです。霊によって、初めて判断できるからです」。(Ⅰコリント2・14)
それは知的な機敏さの問題ではありません。聖霊のみ業がどうしても必要です。神は完全に主権的なお方です。生徒たちは、事柄を知的に理解する以上に、神のみ言葉を霊的に理解することのできる霊的な能力を持ち合わせていません。神の御霊は神の言葉をもって、その使命を成し遂げられます。
そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も、むなしくは、わたしのもと
に戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず
果たす。 イザヤ55・11
というのは、神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、
けることができるからです。 ヘブル4・12
ここでは私たち今、変革を与える福音の持つ力について語っています。徹底的な準備や、注意深く作られたレッスンや、人との関係に注意するといったことの重要性を軽んじているのではなく、それはどんなレッスンのプランや人間関係をも成し遂げることのできない何ものかなのです。これは聖霊の超自然的なみ業です。私たちは今、聖なる場所にいます。不思議なことに、この地上の領域を超越しています。神の御言葉を教えるときには、神の使命を果たすために、聖霊にあずかります。間違ってはいけません。この相関関係において、教師は重要ではありません。神が、私たちを必要とするのではなく、神が恵みをもって用いるために私たちをお選びになるのです。
もし、神の民がこの現象の表面をひっかきはじめるなら、教会学校の働きにおいて、利用されている以上に、率先して教えようとする人が増えるようになるでしょう。日曜学校の校長教師はこの素晴らしい計画に参加を希望する人たちの順番待ちのリストを手にするようになるでしょう。このことがわかっている教師は、祈りの秘密の場所で多くの時を過ごすようになるでしょう。この教師は自分も自分の教え子たちも恵みを必要としているのを悟るでしょう。
私たちは、新しい心を造って下さるのは神であることをよく理解して祈らねばなりません。「神よ、私のうちに清い心を創造し、新しく確かな霊を授けて下さい。御前から、私を退けず、あなたの聖なる霊を取り上げないでください」(詩篇51・12~13)。
私たちは祈らねばなりません。人々の心を神の御言葉へと向かわせて下さるのは神であることをよく理解して。「不当な利益にではなく、あなたの定めに心を傾けるようにしてください」(詩篇119・36)。
私たちは祈らねばなりません。石の心を取り除き、肉の心を与えて下さるのは神であることをよく理解して。 「わたしは彼らに一つの心を与え、彼らの中に新しい霊を授ける。わたしは彼らの肉から石の心を除き、肉の心を与える。 彼らがわたしの掟に従って歩み、わたしの法を守り行うためである。こうして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる」(エゼキエル11・19~20)。
さらに私たちは、これは霊的戦いであることをよく理解して祈らねばなりません。
「わたしたちは肉において歩んでいますが、肉に従って戦うのではありません。わたしたちの戦いの武器は肉のものではなく、神に由来する力であって要塞も破壊するに足ります。わたしたちは理屈を打ち破り、神の知識に逆らうあらゆる高慢を打ち倒し、あらゆる思惑をとりこにしてキリストに従わせ」(Ⅱコリント10・3~5)。
このことから、私たちは確信と憐れみが与えられます。確信が与えられる理由は、学ぶ者に罪を自覚させ、納得させるのは、自分が優れているとか、彼らが正しいとかいうことではなく、それは神の御霊によるものであることをよく理解しているからです。憐れみが与えられる理由は、わたしの心が反逆的でなく、惑わされないのは、ただ神の恵みによるものであることを良く理解しているからです。
スーザン・ハント著
WIC(教会における女性の働きを考える)訳
=お知らせ=
「私たち『教会における女性の働き』の会では「つのぶえジャーナル」に連載されている『契約の継承』の翻訳と学びを終えて、出版の準備中です。また、現在はやはりスーザン・ハント著書「霊的母」を翻訳し学びをしています。小さな集まりですが楽しく恵みに溢れた集会です。女性として、信徒として神様と教会にお仕えするために学びを通して励んでまいりたいと願っています。(岸上)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円