2023年7月号
№193
号
通巻877号
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ヤコブの妻レアとラケル
(創世記29章)
旧約聖書に登場してまいります婦人もついに、ヤコブの二人の妻、レアとラケルにまでやってまいりました。私たちはここでも、人間の弱さと、それに伴う家庭生活の深刻な苦悩とが身に迫るように感じられます。リベカのところでも記しましたが、「美点も欠点」も持ったリベカを、もう一度思い浮かべてください。リベカと彼女の子ヤコブとは相談しあった結果、老いたイサクを騙して、兄エソウの相続権と祝福を奪いました。そのために、ヤコブは兄の激しい怒りを避けて、パダンアラムにいる叔父のもとに逃げなければならない破目に陥りました。
叔父のラバンには、二人の娘がありました。姉をレアといい、妹をラケルと申しました。姉は醜く、妹は美しい女性であったようです(29:17)。えてして女性は、自分の美醜に非常な関心を持ちます。自分の美しくないことが、苦しみの一つとなるものです。まして自分の家族にたまたま自分より優れて美しい女性がいるときは、妬み心を起こし、憂鬱となり、彼女の家庭にも波風を立てがちになります。レアとラケルとはそのような関係にあったようです。そのような家庭に飛び込んだのがヤコブです。
彼は美しい妹のラケルに心引かれて、7年間の労働を条件としてラケルを妻とする約束を叔父ラバンと結びました。彼は叔父のために働きました。約束の期間が満ちて、いざ結婚というとき、ラバンはヤコブを騙して姉のレアを与えます。もちろんヤコブは非常に失望しましたが、美しい妹も妻にしようとして、更に7年間、労働を続けることになりました。先には父や兄を欺いたヤコブは、今は自分が頼って行った叔父に欺かれることになったのです。
ガラテヤ人への手紙6章7節に「まちがってはいけない、神は侮られるようなかたではない。人は自分のまいたものを、刈り取ることになる」とある通りです。人は自分がまいた種子を、良かれ悪しかれ、30倍、60倍にして刈らねばなりません。ヤコブの生涯は、このことをよく示してしております。この二人の女性を比べて見ますと、ラケルは美しく主人に愛され、レアは美しくなかったので、主人に嫌われました。そのために二人の間は親しくなく、この家族の空気は面白くありませんでした。
しかもレアの方には次々と男の子が生まれました。けれどもラケルの方には、一人の子供も与えられないのです。妹ラケルは姉を妬み、彼女らの間は、一層面白くありませんでした。この焦燥の幾年かの後、ラケルにもヨセフという子供が与えられたのです。すると妹ラケルは増長して、姉や彼女の子供らに辛く当たるようになりました。
ラケルの欠点は、主人の愛を笠に着て、我がままであり、人の幸いを妬むことです。 注意してみますとラケルの美は外見だけであったのです。彼女が、パダンアラムの父の家からヤコブに連れられて出るとき、父の大切な像を盗んで、自分の馬の鞍の下に隠し、知らぬ顔をしていたことなど、彼女の心のずるさがうかがわれます。彼女は二番目の子ベニヤミンを生む時、非常に苦しみ、その子をベノニ(苦しみの子)と呼びました。父はこれをベニヤミン(右手の子)と名付けたほどで、ラケルは産後が悪くやがて死にました。
レアも完全な女とは申せませんが、彼女の場合、一つの非常に良いところが見受けられます。それは、29章35節で、彼女は四人目の子ユダが与えられ「わたしは今、主をほめたたえる」と言って名をユダと名付けたと記されています。レアは、長男、次男、三男と子供を与えられた時は、妹にまさって男の子を与えられたのを誇り、高慢となりました。しかし、四人目のユダのときには、彼女は我がままを捨て、謙遜に神をほめたたえています。高慢や自己中心の得意絶頂の時には、神の祝福はありません。
神は、自分を捨てて、神をたたえたレアから生まれたユダを選び、イスラエルの正統とし、その子孫より救い主を与えられたのです。レアの光栄や思うべしですね。それに引き換えラケルの子ヨセフは、エジプトで奴隷として苦杯をなめ、ベニヤミンも苦しみの子でした。この話より私たちは多くの教訓を学びます。
1 婦人の本当の美しさは、外見よりもその人の心にあることです。
2 二人の妻を持つことは、どんなに大きな罪であるかということです。一人の夫と一人の妻と言う制度は、神様が初めにアダムとエバをお造りになった時からの定めであり、これを破ることは、人生が失敗と苦しみに終わることです。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円