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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(11
 ヨセフの妻アセナテ
   (創世記41章)
 
 「パロはヨセフの名をザフナテ・パネアと呼び、オンの祭司ポテペラの娘アセナテを妻として彼に与えた」(創正記41:45)
 この無味乾燥に見えます散文的な聖句の中にも、神様のみ教えは満ちていまして、私たちにひしひしと迫るもののあることを覚えます。旧約聖書の婦人物語を学んでいる私たちは、ここにあまり有名ではなく、また私たちに関心も興味も与えないアセナテという婦人に突き当たります。
 アセナテはヨセフの妻です。だれでもヨセフのことはよく知っておられると思います。彼はヤコブの11番目の子供として生まれましたが、父の偏愛のために、兄たちから嫌われ、苦しみを受け、ついにエジプトへ奴隷として売られたのです。その上、ヨセフは無実の罪で牢獄につながれると言う苦しい経験をなめました。けれども、神様は彼と共にいまし、彼は神様より夢を解く不思議な能力を与えられました。
 ヨセフは王パロの夢を解いたことで、王に認められ、エジプトの宰相にまで抜擢されました。それは彼の30歳の時でした。人の30歳は思想の転換期であるといわれます。彼も思想上、生活上大きな変化が起こりました。30歳までの彼の生活は実に変化に富み、苦しい中にも神の道に進んで感激に満ちた生活でした。しかし、彼が30歳に達し、名誉が与えられ、高い位に付くことになって、かえってその生活は俗化し、感心のできない状態になってまいりました。今、その原因が何かを考えてみますと、初めに書きました聖句が私たちの注意をひきます。3e11a3dd.jpg
 ヨセフの生活が(精神的にも、物理的にも)、だんだんと神様から離れていった重大な原因の一つは、彼が同じ信仰の妻を持たなかったことにあります。その頃の彼の周囲の様子を見ますと、国王パロは、ヨセフの心をイスラエルより離れさせて、エジプトの自分たちの国策に利用しようとしたのです。
 第一に、王はヨセフの名をエジプト流にザフナテ・パネアと変えさせたこと。
 第二に、王は自分たちに都合のよいようにオンの異教の娘を彼の妻としたこと。
 第三に、王は真の神様を礼拝せず、ただヨセフの能力を利用しようとしたのみで、神様を認めなかったこと。
 このように、ヨセフの過去における神様を思う生活との結び付きを断ち切り、エジプト人としての生活をさせようとしたのです。ここで私たちが最も悲しく思いますのは、何故、ヨセフがこの異教の娘との結婚を拒まなかったかということです。
 彼の妻アセナテという人が、どういう人であったのか、聖書には明らかではありませんが、彼女はオンの祭司の娘でした。このオンというのは祭司の町として有名なところで、エジプトにおける太陽崇拝の中心地でした。したがって、彼女は この強烈な偶像崇拝の雰囲気の中に育ったと見ても、彼女の家庭生活の態度が分かると思います。
 日本でも、青年が親元を離れて、他国で結婚いたします時、知らず知らずの中に、自分の父母との関係は薄らいで、妻の里との関係が濃くなり、婿養子同様の関係となるものです。ヨセフの場合も同じで、知らず知らずの中に異教化し、エジプト化し、環境のよくなかったことが、ヨセフの子らの名を見てもわかります。51節を見ますと、「ヨセフの長子の名をマナセと名づけて」自分の今までの苦難と父の家の全てを忘れようとしたとあります。この名前はヨセフの生活態度をよく現わしております。そして第二の子が生まれる頃には、もうこの異教の空気や、エジプトの生活にも同化して、その子をエフライム(多く生まれる)と名づけ(52)、その生活に満足の気持ちを現わしているのです。
 ヨセフが知らず知らずのうちに異教の空気に浸ったことは、彼の一生涯の誤りばかりではなく、彼の罪は彼の子供や孫に影響し、清き神の選民としてのイスラエルの一大汚点となりました。そして彼らの内に偶像崇拝の悪い習慣を伝え、後世のバビロン幽因にまで及んでいることは、聖書が明らかに示すところです。これらは私たちに、ことに、異教の盛んなこの国に住むクリスチャンとして、最も重大な関心事であり、未信者との結婚の失敗が、5千年昔と変ることなく、目の前の日本における現実の問題です。私たちはヨセフとアセナテの話で、次のことを学びます。出来ることなら、クリスチャンはクリスチャン以外の人とは結婚しないこと。やむなく未信者と結婚するクリスチャンは、信者でない夫や妻となる人を教会に導き、真の神を教える責任があること。しかし、夫や妻がそれを聞かない場合は、夫や妻はともかくとして、自分は決して神から離れないこと。そのためには自分だけでも教会に出席し、聖書を読み、常に夫や妻のために祈るべきです。
 「なぜなら、妻よ、あなたが夫を救いうるかどうか、どうしてわかるか。また夫よ、あなたも妻を救いうるかどうか、どうしてわかるか」(Ⅰコリント7:16)。
 
 
 ポーリン・マカルピン著 (写真・鶴見緑地の花博会場にて)
(つのぶえ社出版)
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
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東京大学大学院人文社会系研究科教授
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電力中央研究所社会経済研究所研究員
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
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      d6b7b262.jpg
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
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 「著者のことば」
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おすすめ本
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おすすめ本

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定価 3000円

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