2023年7月号
№193
号
通巻877号
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クロパの妻マリヤ
(ヨハネによる福音書19章25節)
聖書にはマリヤという名を持った婦人が多く出てまいります。新約聖書には少なくとも6人のマリヤが出てきます。その内すでに、イエスの母マリヤとマグダラのマリヤのことを学びました。今ここで学ぼうとしていますのは、クロパの妻で、イエス様の弟子ヤコブの母に当たる婦人マリヤであります。彼女のことについては、余り聖書に書かれていません。
マタイによる福音書27章25節を見ますと、このマリヤは、イエス様のあの悲惨な十字架上の死を遠くの方から見つめていた多くの婦人たちの内の一人であったことが分ります。この婦人たちは、イエス様に仕えてガリラヤから従って来た人たちであることが、聖書に記されています。また、56節によりますと、彼女たちの内に、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフの母マリヤ、ゼベダイの子らの母などがいたことが明らかに記されています。
このクロパの妻マリヤと同じように、イエス様の十字架を遠くから見ていました。それのみでなく、彼女はアリマタヤのヨセフが、イエス様のお体を総督ピラトの許しを得まして、十字架から下ろし、きれいな布で包み、岩を掘って作った自分の新しい墓に弔い、その入り口に大石を転がして塞ぐのを見とどけておりました。彼女はお慕いしてきたイエス様の死という、余りにも大きな出来事に、驚きと悲しみが入り混じり、ただ呆然とイエス様のお墓から去りもやらず、お墓に向かって暫くすわっておりました
また、彼女はイエス様のよみがえりの朝早く、マグダラのマリヤと共に、イエス様の骸
に香油を塗って、最後の奉仕をしようと思い、用意しておいた香油を携えてお墓へ行きました。その時、彼女たちは天使からイエス様のよみがえりを、誰よりも早く初めに知らされ、他の弟子たちに先立ってイースター(復活日)の喜びを味わったのです。マタイによる福音書28章8節に記されていますところによりますと、彼女たちは他の弟子たちにイエス様のよみがえりを知らせんものと道を急ぎ走っていました時、よみがえりの主イエス・キリストにお目にかかりました。彼女たちの心には、歓喜と希望が満ち溢れ、喜びと讃美で弟子たちのもとへと走り行きました。
このように見てまいりますと、クロパの妻マリヤは、非常に恵まれた幸いな婦人であり、良き夫と二人の息子を与えられ、しかもその息子の一人ヤコブはイエス様の弟子に選ばれ、その上、自分もイエス様に仕え、イエス様のみ教えを聞き、イエス様に従って行くことを許され、しかもその上、イエス様を信じる真剣な少数の婦人たちと一緒に、よみがえりのイエス様にお目にかかる最高の喜びを知ることが許されたのであります。
しかし、聖書に記されていますところによりますと、クロパの妻マリヤには、別に目立つような特徴は何一つなかったようですが、考えようではこの婦人の特徴は、謙遜であったとも言えると思います。アブラハム・カイパー博士が言われていますように、クロパの妻マリヤは決して、桧舞台に立って歌う独唱者的存在ではなく、指揮者でもリーダーでもなく、コーラスの一員として、多くの他の人々と共に、美しい讃美を神様に捧げているのです。五本の糸で奏でられるハープの糸が、もし一本でも切れますと、完全な讃美が天に届かないと詩人ブラウニングも申しておられます。
クロパの妻マリヤは、マグダラのマリヤや、使徒ペテロのような特徴のある人格者ではなく、一般のごくありふれた普通の婦人でありました。しかし彼女は全身全霊を捧げ尽くして、キリストのためにより良い奉仕に励みましたところに、彼女の特徴があると申せます。さて、このクロパの妻マリヤのお話によって、私たちは何を学ばなければならないでしょうか。
1・・・キリストに対する誠実さ
恐ろしい十字架にかかられ、イエス様が死なれた時、墓にイエス様を葬る悲しみの時、主のよみがえりで喜びが溢れ出す時、いずれの時にも、彼女はそこにいて、喜びや悲しみをつぶさになめ、味わいました。そのような彼女を見ます時、キリストを信じ、誠実に真実一路に生きるキリスト者は、苦しみを味わい、悲しみを経験することがありましても、必ずよみがえりの喜びを知ることができますし、また永遠の命を頂くことが出来るのです。
2・・・クロパの妻マリヤは、日本のキリスト者婦人とよく似ています。
日本の婦人は非常に謙遜でおとなしく、人目に立つ行動を嫌います(もちろん、最近の若い女性にはこれと違った風潮があるように見受けられますが・・・)。キリスト者婦人も目立つような行動よりも小さい行いと、日々の生活に於けるキリスト者の愛を、世の人々に証しいたしましょう。桧舞台に立って独唱するのではなく、コーラスの一人として、はっきりと口を開いて讃美を歌う責任が、全てのクリスチャンにあるのです。
あなたは、精一杯、主イエス・キリストのために証し人として、キリスト者としての奉仕の精神に燃えて、お励みになっておりますか。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)
::::::::::::
伝道者の書講解
富井悠夫著
定価 1365円(税込み)
ISBN978-264-02880
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書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円