2023年7月号
№193
号
通巻877号
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わたくしは、青年時代に「人類愛」という言葉を聞いたことがあります。わたくしは、それは美しい良い言葉に聞こえました。が、考えてみると、それは言葉の響きが良いだけで、実際に人類なんて抽象的な相手に会うわけではありませんから、人類愛を説いたって何にもならないと思うに至りました。
「人類愛」よりももっとよく聞いたのは「隣人愛」という言葉です。「人類」に比べると「隣人」の方が具体的で、身近に感じられて、「隣人愛」を説かれて、「それはそうだなあ」と思ったことでした。しかし、考えてみると、「隣人」という言葉も、「では誰が隣人なのか」と言うことになると、ある特定の人に予め決めておくわけにはいきませんから、これもやはり抽象的な表現であって、「隣人愛」という言葉も、言葉としてあるだけのことで、実際には何の力にもなっていないのではないかと思っているのですが、如何でしょうか。
この点について、キリストは、「隣人になりなさい」と言われています。ということは「隣人」とは、どこかに誰かとして存在しているというような性格のものではなく、「自分が隣人になる」ものであるということ、したがって、自分が隣人にならなければ、隣人になるものは存在しない、というわけです。これなら分かる話ですね。つまり、隣人になって欲しいと求めている人がいれば、その人の隣人になりなさい、ということです。
ただし、そうと分かっていても、ではそう言う隣人になれるかという問題があります。その問題は、自分の中に「愛」があるかどうか、という問題です。つまり、愛があれば隣人になりますが、愛がなければ隣人になるということは起こりません。そして、その愛は、自分が愛された体験を持っていなければ、どうすることが愛することなのかということも分らないのです。
聖書から得るものは、この愛を学び知ることであると思っております。
篠田 潔
(参照聖句・ルカ福音書10:25~28)
(電話によるメッセージより・日本基督教団隠退教師・元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)
「キリストへの時間」放送予定
(放送開始1952年10月)
11月 7日 小野 経男 (岐阜済美学院学院長)
14日 笠井 恵二 (岐阜済美学院宗教総主事)
21日 志村 真 (中部学院大学短期大学部宗教主事)
28日 西島麻里子 (済美高等学校宗教主事)
CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ)
毎週日曜日朝6時30分~45分放送
CBC放送をキー局にして、多い時は国内6局、海外2局で「キリストへの時間」を放送しておりました。南米ブラジルに移住された方からのお便りもありました。放送を聞いて下さる度毎に、感想や今までの苦難の生活などを感慨深く知らせてくださいました。残念なことですが、郵便事情か治安・盗難かでしょうが、ご希望の本や聖書などはほとんど届きませんでした。今はインターネット時代ですからトラブルや問題はあまり起こりませんが、数十年前はそれが当り前でしたから、唯一の手段は手紙でした。政治に翻弄されたこともありました。キリスト教放送を行っている放送局の内容が反政府的と見做されると放送が禁止されたり、制限されたり政府のPR放送に利用されることもありました。今日のインターネット事情も本質的には変らないと言いえます。「言論・表現の自由」の権利の大切さを痛感します。
(O・H)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円