2023年7月号
№193
号
通巻877号
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モーセの姉ミリアム
(出エジプト記2章、15章)
今まで、私たちが学んできました旧約の婦人たちの中では、まだ人の指導者となり得る才能を備えた婦人は一人も見当たりません。しかしこれから皆さんに考えていただくモーセの姉ミリアムは、神に選ばれた能力のある預言者であったことに私たちの注目をひきます。
ミカ書6章4節を見ますと、「モーセ、アロンおよびミリアムをつかわしてあなたに先だたせた」とあります。この言葉こそ、ミリアムが神に選ばれた指導者であった証拠です。このミリアムには指導者としての二つの特質があったようです。
その1つは、出エジプト記15章20節に、「そのとき、アロンの姉、女預言者ミリアムはタンバリンを手に取り、女たちも皆タンバリンを取って、踊りながらそのあとに従って出てきた。そこでミリアムは彼らに和して歌った。『主にむかって歌え・・・』」とあるのを見ても、彼女は預言者であったと同時に、歌が上手で、現代でいう聖歌隊の指揮者とも言えるほどであったと思われます。ともかく、彼女が多くのヘブル人の内、婦人として一 番初めの指導者として神に選ばれた光栄は特筆すべきでしょう。
貧しい奴隷生活をしていたアブラハムとヨケベデとの間に、このように偉大な指導者が3人もそろって出たことは、実に驚くべきことで、計り知れない神様の摂理です。しかし、振り返ってこの3人がどうして指導者として神様に選ばれるに至ったかを考えてみますと、これは、もちろん神のみ旨ですが、そこに強い信仰による家庭教育が、大きな力を及ぼしていることは否めません。先に言いまたしたように、この親たちは実に立派な信仰の持ち主でして、この親にしてこの子あり、という感を深くいたします。
全て子供を育てる家庭はいかに家が貧しくても、まことの神を信じる信仰の上に立つ家庭であれば十分なのです。信仰のある両親のもとで育てられた子供たちは、成人しても小さい時に教わった聖書の教えを、決して忘れることはできないでしょう。
有名なアメリカの大統領リンカーンは、非常に貧しい田舎の家に生まれましたが、その家庭教育であのように強い信仰と正義の人をつくり、奴隷解放問題を解決して、アメリカの一番有名な大統領となりました。
ミリアムのお話しは、どこから始まっているかと言いますと小波が押し寄せるナイル河畔、波にもて遊ばれる葦の小舟に隠された赤ちゃんのモーセを見張っていたことから始まります。その時のミリアムの機知は、モーセを拾いあげたパロ王の娘に乳母を世話すると言って、母を連れてくるあたりによく現われています。これは勇気を必要とする行動です。イスラエルの大指導者モーセは、この姉の機知によって救われたと言っても過言ではありません。ミリアムの手によって救われたモーセは少年時代、両親のあつい信仰生活のうちにはぐくまれ、両親や姉ミリアムなどから、宗教教育がなされていたことでしょう。
次に、ミリアムが聖書に出てくるのは、イスラエルの民が紅海を徒渉した劇的シィーンです。弟のモーセが神の召しを受けミデアンからエジプトに帰り、イスラエル人を奴隷生活から解放し紅海の海岸に到着した時、彼らは、パロの軍勢の追撃を受け、前は海、後ろは敵と進退きわまった際、神はモーセに不思議な力を与えて、紅海の水を退かせ、イスラエルの人たちは無事に海の中を徒渉しました。しかし、後から追いかけて海に入ったパロの軍勢は、水に覆われて全滅しました。
この時、神の全能の力に感激したミリアムは、婦人たちを集めて神を讃美させ、祈祷会を指導しています。ここにミリアムの第2の特質が現われています。このあたりが彼女の長い人生のクライマックスなのでしょう。彼女が、このような指導者としての態度を、その後も持ち続けていたならば、幸いであったでしょうに、残念なことにその頃から、彼女の心に驕りと妬みが宿るようになり、ついにそれがシナイの荒野にかかった時、モーセに対する妬みとなって出てきました。
民数記12章を見ますと、モーセがクシの女を妻としたことについて、ミリアムとアロンはモーセを非難したことがありますが、これはミリアムが、モーセの結婚にことよせてモーセの預言者としての特別な地位に嫉妬心をもって非難しているのです。神の召命によって働くモーセを非難することは、神を非難することです。このことによりミリアムは神の怒りに触れて、ライ病にかかりましたが、モーセの執り成しにより一週間ほどで彼女の病は癒されカナンへの旅を続けることができました。
これらの話によって、私たちは多くの教訓を与えられます。
1、姉は弟や妹を神へ導く責任があること。
日曜日毎に自分だけでなく、弟や妹も教会へ連れて出席すべきです。日本においても教会学校や日曜学校の生徒は、初めに姉や兄に連れられてきたものが多いと思います。
2、驕り妬みは身を滅ぼすこと。
如何に偉大な指導者であっても、心に驕りと妬みの思いがあっては、自分に与えられた力もむなしくなり、かえって甲斐なきものとなるでしょう。ミリアムの場合、モーセに対する妬みによる不満があってから、彼女は預言者としての力もなくなり、せっかくの彼女の尊い特徴もみな消滅してしまいました。実に心すべきは驕りと妬みです。
3、私たちは、神様のご計画に従って進まないと、必ず罰せられるということ。
人生の本当の幸福は、自分に与えられた特質を知り、これを有効に神様の栄光のために働かすことで
です。自分を忘れて、それぞれ十字架を負うて、キリストに従うことです。
です。自分を忘れて、それぞれ十字架を負うて、キリストに従うことです。
4、婦人といえども、神様に選ばれる時大きな仕事ができること。
とかく、日本の婦人方は、せっかく自分に与えられている特徴や能力を軽視して、これを使わないことが謙譲の美徳であると考え違いをしておられるのではいでしょうか。これは、神が与えられた能力を無視することで大きな罪です。ここに日本伝道のふるわない根本原因があるようです。私たちは与えられた賜物をよくわきまえ、これを力の限り発揮してこそ善かつ忠なる僕なのです。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円