2023年7月号
№193
号
通巻877号
×
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「ローマ人への手紙」研究 (73)
第45課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
9章1~11章36節(続)
C 福音による救いと言う方法の単純さと適切さ
10章1~10節(続き)
キリストに対する信仰が本物であるためには、キリストについての真の教理を受け入れることだけでなく、それが「心におけるもの」でなくてはならないのです。感情とか知性におけるものであるだけでなく、「心における信仰」でなければなりません。「心」という言葉は、ここでは、感情・情緒のみでなく、内なる人間全体を指すものです。キリストに対する真の信仰は、いろいろな教理を知的に承認するだけでのことでは決してありません。それ以上のものです。そのような知識だけなら、悪魔でさえも所有しているものです(ヤコブ2:19)。
救いに至る信仰には二つの要素があります。この二つの要素が共になければ、真の信仰であるとは決して言えないのです。第一の要素は、知識、すなわち、真理を知ることであって、これは絶対に必要なものであります。しかし、それだけでは不十分です。第二の要素は信頼、すなわち、救いと永遠の生命とを求めて、自らキリストを信頼し、自らをキリストに委ねることです。信頼は知識がなければ存在し得ないのです。私たちはキリストが信頼するにたる方であると知ることがなければ、キリストを信頼することは出来ません。この心において真にキリストを信じる者は、キリストについての真の知識を持っているのみでなく、救い主としてキリストを本当に信頼している人なのです。
信仰についてのこのような理解は、現代の安っぽく薄弱な信仰主義と比べて、なんと違っていることでしょう。多くの人々は伝道集会において手を挙げ、キリストを救い主として受け入れると書いてある決心カードに署名するのです。しかし、その人々は真の心からのキリストに対する信仰の証拠を全く示さず、世の前にキリストを主と告白することをしないのです。幾千人もの人々が、伝道集会において、キリストを受け入れたから、自分たちの永遠の救いは確かであると考えています。しかし、彼らはキリストを彼らの人生・生活における主として受入れ、承認することを、少しもしていないし、また、そうしようと願ってもいないのです。
彼らはまた、彼らの罪の業や欲望の行動から離れることも、自分に十字架を負うことをも、少しも望んでいないのです。彼らは決心カードでキリストを受け入れたから救われていると主張します。ただ、それだけのことです。
使徒パウロが私たちの前にローマ書10章で述べていることとは、全く違うのです。しかし、それは最も単純なことなのです。それは少しも巨大なことも含んでいませんし、何も不可能な業をも必要としません。それは、宇宙と私たち人生全般におけるキリストの全面的主権性を告白し、私たちが全てを挙げて、親しくキリストに信頼すること、すなわち心からの信頼を求めているに過ぎないのです。これを欠く者は純粋のキリスト者ではないのです。
10節はもう一度、心からの信頼と公の告白の重要性を強調しています。公的告白は信仰の正しい証拠です。恐れや困惑や恥じ、その他の如何なる理由にせよ、キリストを公に告白することを躊躇する者は、密かに信者であるにしても、キリスト信者とは言えないのです。もしその信仰が本物であるならば、彼は必ずその弱気と恐怖を克服して、聖書が命じるように、人の前でキリストを告白するはずなのです。
J.G.ヴォス著
玉木 鎮訳
(日本キリスト改革派引退教師)
第45課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
9章1~11章36節(続)
C 福音による救いと言う方法の単純さと適切さ
10章1~10節(続き)
キリストに対する信仰が本物であるためには、キリストについての真の教理を受け入れることだけでなく、それが「心におけるもの」でなくてはならないのです。感情とか知性におけるものであるだけでなく、「心における信仰」でなければなりません。「心」という言葉は、ここでは、感情・情緒のみでなく、内なる人間全体を指すものです。キリストに対する真の信仰は、いろいろな教理を知的に承認するだけでのことでは決してありません。それ以上のものです。そのような知識だけなら、悪魔でさえも所有しているものです(ヤコブ2:19)。
救いに至る信仰には二つの要素があります。この二つの要素が共になければ、真の信仰であるとは決して言えないのです。第一の要素は、知識、すなわち、真理を知ることであって、これは絶対に必要なものであります。しかし、それだけでは不十分です。第二の要素は信頼、すなわち、救いと永遠の生命とを求めて、自らキリストを信頼し、自らをキリストに委ねることです。信頼は知識がなければ存在し得ないのです。私たちはキリストが信頼するにたる方であると知ることがなければ、キリストを信頼することは出来ません。この心において真にキリストを信じる者は、キリストについての真の知識を持っているのみでなく、救い主としてキリストを本当に信頼している人なのです。
信仰についてのこのような理解は、現代の安っぽく薄弱な信仰主義と比べて、なんと違っていることでしょう。多くの人々は伝道集会において手を挙げ、キリストを救い主として受け入れると書いてある決心カードに署名するのです。しかし、その人々は真の心からのキリストに対する信仰の証拠を全く示さず、世の前にキリストを主と告白することをしないのです。幾千人もの人々が、伝道集会において、キリストを受け入れたから、自分たちの永遠の救いは確かであると考えています。しかし、彼らはキリストを彼らの人生・生活における主として受入れ、承認することを、少しもしていないし、また、そうしようと願ってもいないのです。
彼らはまた、彼らの罪の業や欲望の行動から離れることも、自分に十字架を負うことをも、少しも望んでいないのです。彼らは決心カードでキリストを受け入れたから救われていると主張します。ただ、それだけのことです。
使徒パウロが私たちの前にローマ書10章で述べていることとは、全く違うのです。しかし、それは最も単純なことなのです。それは少しも巨大なことも含んでいませんし、何も不可能な業をも必要としません。それは、宇宙と私たち人生全般におけるキリストの全面的主権性を告白し、私たちが全てを挙げて、親しくキリストに信頼すること、すなわち心からの信頼を求めているに過ぎないのです。これを欠く者は純粋のキリスト者ではないのです。
10節はもう一度、心からの信頼と公の告白の重要性を強調しています。公的告白は信仰の正しい証拠です。恐れや困惑や恥じ、その他の如何なる理由にせよ、キリストを公に告白することを躊躇する者は、密かに信者であるにしても、キリスト信者とは言えないのです。もしその信仰が本物であるならば、彼は必ずその弱気と恐怖を克服して、聖書が命じるように、人の前でキリストを告白するはずなのです。
J.G.ヴォス著
玉木 鎮訳
(日本キリスト改革派引退教師)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円