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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 ビルマ
  戦犯者の獄中日記  (1)
 
中日新聞昭和61年(1986年)1月30日(水曜日)
(記事掲載・変更横組みのみ)
 
 元日本兵が「獄中記」でつづる・・恵那市の遠山さん
  ビルマ軍事裁判秘話
「恵那」 第二次大戦のBC級戦犯として8年間の獄中生活を送った旧日本軍憲兵、遠山良作さん(68)=岐阜県恵那市大井町54、牛乳販売業=が、体験に基づきビルマでの英軍事裁判の実態をつづった反戦の書「ビルマ戦犯者の獄中記」を出版し、大きな反響を呼んでいる。外地における軍事裁判の実態は、これまでほとんど明らかにされていなかったが、遠山さんは、極秘に書きとめた日記を基に、裁判のズサンさ、無実の罪に泣いた戦友の姿を克明に描き出し、「戦勝国がいかに敗者を裁いたか、戦争がいかに人をくるわせるか、知ってほしい」と訴えている。
 
 遠山さんは、昭和13年応召、17年にビルマへ赴任し、そして終戦を迎えた。憲兵軍曹だった。敗戦と同時に、遠山さんらは、イギリス軍によって武装解除され、戦争犯罪容疑者として、ビルマ・モールメン刑務所に監禁された。筆記用具は一切取り上げられたが、遠山さんは、水虫の薬を溶かしてインクを作り、僚友がこっそり差し入れてくれたペン先で、トイレットペーパーに、監視の目を盗んで日記を書き続けた。
 遠山さんは、二つの事件で現地の英軍事法廷に起訴された。一つは、エデゴン村民20人に対する拷問容疑。まったく身に覚えがなく、拷問に立ち会った憲兵仲間も「遠山は無関係」と証言してくれたが、判決は、禁固6年。取り調べ時間20分。被害者が「この男も」と指さしたのが決め手で、無実の罪をきせられた。
二つ目は、拷問致死事件。英軍スパイをかくまった疑いでビルマ人セヤオンバーを取り調べた際、拷問で死なせたとして、死刑を求刑された。「拷問したか」「しない」。「縛ったか」「縛った」。それだけのやりとりで、拷問とされた。判決は禁固15年。遠山さんを慕っていたビルマ人5人が「遠山は拷問する男ではない。セヤオンバーは病死だ」と証言してくれたので極刑だけは免れた。
この間、遠山さんの上官や戦友たちの多くが、拷問や殺人容疑で裁かれた。証拠はなく何人もが、銃殺や絞死刑を宣せられ異国の土となった。
遠山さんは厳しい獄中生活を詳しく描き、処刑を待つ人たちの生きざまを書きとめた。辞世の歌も、可能な限り集めた。「みすずかる信濃の春の咲く桜花(はな)は散りてぞ清く思わるるかな」。銃殺された長野県出身の柳沢泉大尉の辞世である。
遠山さんは有期刑となり、昭和28年釈放された後、戦友らのために、本にしようと心に誓った。完成した「ビルマ戦犯者の獄中記」はB5版、かつての戦友、戦犯者やその家族等に無料で配った。
この本を読んだ元名古屋地裁所長の山口正夫弁護士(76)=名古屋市名東区=は「大変感動しました。今の司法制度では考えられないような、一方的な裁判で、処刑される。それを従容として受入れ、悠々と死に就く。立派な人たちがたくさんいたんですね」と激賞している。
=平和の大切さを知ってほしい=遠山良作さんの話 勝者によって敗者を裁くところに軍事裁判の愚かしさがある。英軍の裁判のズサンさも、戦争ゆえのことだと思う。平和がいかに大切かを知ってほしい。
=註記=
 この本は、月刊「つのぶえ」に3年半連載したものです。出版当時の遠山良作さんは、恵那教会の長老として活躍されておられました。
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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