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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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「契約の継承」(39)
 
第6章 神の契約にそって教育する
      神の契約に沿って生き、そして教える
 責 任 
   わたしの民よ、わたしの教えを聞きわたしの口の言葉に耳を傾けよ。
    わたしは口を開いて箴言をいにしえからの言い伝えを告げよう。
      わたしたちが聞いて悟ったこと先祖がわたしたちに語り伝えたことを。
      子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう。主への賛美、主の御力を
      主が成し遂げられた驚くべき御業を。
                                       詩篇78・1~4
 
 子どもたちを教えるのは誰の責任でしょうか。ほとんどの福音主義者は、すぐさまそれは家庭の頭としての父親の責任であると答えます。3章で見てきたように、それは部分的には当たっています。
 詩篇78編は契約の共同体に「私の民よ」と語りかけになっています。「後の世代に語れ」というこの命令は、共同体の関係にある一人ひとりの父親に与えられています。契約の子らを教育することは家族の問題であり、共同体の問題です。そして村、信仰という村に、子どもを育てさせ、主イエスの教会に、家庭で教えられていることを補強したり、拡充したり、手本にしたり、実践したりさせます。
 この原理の3つの意味を考えてみましょう。
 第1に、子どもを家庭で教えることや、契約の信仰の共同体にその家族を参加させることは両親の責任です。子どもたちは両親がキリストの体の一員であるという特権を祝ったり、キリストの体の世話をする責任を担っていたりするのを見ることができます。ママとパパは喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣き(ローマ12・15)、互いに親切にし、憐れみの心で接し、赦しあい(エペソ4・32)、互いに愛と善行に励むように心掛け(ヘブライ10・24)、互いのために祈り(ヤコブ5・16)、不平を言わずにもてなしあい(Ⅰペテロ4・9)、子どもたちにこれが神の民が契約の中で互いに生きる方法であることを教えます。
 第2に、教会学校の子どもたちを教える立場にある人たちは、その子どもの両親を知らずに子どもを契約的に教えることは出来ないことを理解していなければなりません。家庭と教会間のコミニュケーションと協力が必要です。賢い教師は両親の参加の仕方を考えた意図的な方法で明らかにしていきます。これは手紙により、子どもたちが何を学ぶかを両親に知らせることができます。また毎週、違った親を招いてクラスを手伝って貰ったり、子どもたちのための奉仕プロジェクトや遠足の計画を両親に尋ねてみたり、定期的に家庭訪問や電話をしたりして、両親が授業を補強できる提案をして貰います。
 チェリルは日曜学校の5歳児を担当しています。毎年8月には9月に進級してくる子どものリストを受け取ると、その両親に次のような手紙を書きます。
 
     親愛なる両親へ
       ○○ちゃんが今年、私のクラスにはいるので、今、私はわくわくして
   います。子どもに神のみ言葉を教えることは大変名誉あることであり、
   大きな責任です。誰一人として、あなたがたがご自分のお子さんを知
   り愛されているようにはできません。神があなたがたの子どもを教え
   るようにと与えてくださっているこの機会を最大限に用いるために、
   私はあなたがたの助けが必要です。
 まず、私のために祈ってください。
 次に子どもと一緒に○○日にクラスに来て下さい。そして、はじめ
の152分間一緒にいて下さい。そうすれば、あなた方のことを知るこ
とができますし、日曜学校ですることについて幾つかお知らせするこ
とができます。
 第3に、同封しました用紙に(必要事項を)記入して下さり、○○日
にお子さんと来られたとき、私に渡して下さい。
 クラスのための私の祈りは子どもたちが「私たちの主、救い主イエ
ス・キリストの恵みと、知識において成長するように」(Ⅱペテロ3・18)
ということと、私たちが「心を励まされ、愛によって結び合わされ、理解力を
豊かに与えられ、神に秘められた計画であるキリストを悟るようになるためで
す。知恵と知識の宝はすべて、キリストの内に隠されています」
(コロサイ2・2~3)ということです。
どうぞ、わたしとともにお祈り下さい。
                      神に栄光があるように 
                                 チェリル 
 
  手紙に添える用紙で、チェリルは子どもの誕生日のような一般的な情報を尋ねます。また、子どもに仕えるために、知っておいた方が良いような学習上の問題点、生活のやり方や、情況があるかを尋ねます。両親には子どもに霊的な目標を設定し、良く祈っていただくように頼みます。彼らの目標を知ることが、自分の祈りと教えに焦点を合わせやすくなることを説明します。両親が参加できるような、幾つかの選択肢を与え、例えばクラフトや音楽を一緒にやって貰ったり、遠足や、奉仕の計画を立案したり、クラスに来て貰って、子どもを迎える手助けや、出席簿をつけることをしていただいたり、色々なことを考えています。
 この手紙が与える効果について、色々な実話があります。ある年、一人のお母さんが、その人は教会員であっても、その子を日曜学校に連れて来なかった人ですが、進級式の日に出てこられました。彼女はチェリルに自分が日曜学校に出席するために、早起きする努力をしなかったことを話しました。けれども、チェリルが手紙の中で、示したことを書いてくれたほど、自分の子どもを愛していてくれた人がいるのを、彼女は全く知りませんでした。「わたしの子をあなたのクラスに入れて欲しいのです」と彼女は言いました。このことは家族全体が日曜学校に積極的になって、傍観的な教会生活から主流に移ったことを意味します。
 親たちの多くは自分の子どもたちに霊的目標を毎年設定することを考えていません。彼らは子どもたちの性質が良くなり、態度が変わることをチェリルと一緒に祈るにつれて、そしてまた子供の生活の中の神の恵みを讃えるにつれ、それらの祈りが答えられるにつれて、親たちの心にはチェリルと愛の協力関係が結ばれました。非常に多くの若い両親たちが、チェリルのクラスで手伝い、子どもたちに神の御言葉を教えることに新たな情熱を見いだしたのです。彼女のクラスは多くの人が定期的に手伝いたいと申し込んでくるような訓練の場です。
 第3に、大人の教育に携わっている人たちは、意図的に生徒たちが他の年齢層のグループの人たちに橋渡しをしてくれるように助けるべきです。大人のクラスは小さな子どもや、10代の子どもたちのクラスを用います。教会員一人ひとりに子どもの一人を割り当てます。教会員は若い人のために定期的に祈り、その子を励ますような短い手紙を書きます。教会員は若い人のグループと一緒に遠足や奉仕の働きの計画を立てることができます。そして、大人たちは片親となった親を助ける交わりを深めることができます。
 契約の共同体の全体は、キリスト教教育のプログラムが共同体に契約の責任を担うように助ける道を計画するとき、豊かなものにされます。
   
                  スーザン・ハント著
                  WIC委員会訳
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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