2023年7月号
№193
号
通巻877号
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ベタニヤのマルタ
(ルカによる福音書10:40)
わたしたちは、神様のことを第一としていたベタニヤのマリヤにつきまして、すでに学びました。今度は、彼女の姉のマルタについて、お話しをいたしましょう。
先にもお話しいたしましたように、マルタとマリヤの姉妹は、彼女たちの性格が全く異なっていましたように、彼女たちの特徴もまた大変違っておりました。妹のマリヤは考え深い精神的なことに関心のある婦人でしたが、姉のマルタは実際的な家庭婦人であったようです。だからといって、わたしは今ここでマルタを批判しようと言うのではありません。
ここで先ず教えられますことは、マリヤやマルタばかりでなく、誰でもこの世の全ての人たちは、神様からそれぞれ異なったタレント(才能・能力)をいただいていることです。神様の不思議な摂理によって、わたしたちは皆、それぞれ違った個人的特質を与えられているのです。それはあたかも、スーツが同じ型に裁断されないで、一人一人のからだに合わせ、裁断されますのと同じです。神様はわたしたち一人一人を知り、一人一人を愛し、一人一人を神様ご自身のみもとに、お招き下さることは、何と有難いことでございましょう。
さて、マルタにはどんな特徴があったのでしょうか。先ず、わたしたちが気付きますことは、マルタがイエス様の不思議なお力、神様としてのお力の持ち主であることを、固く信じていたことです。彼女の弟ラザロが、重い病気で危険な状態に陥った時、真っ先に、イエス様のみもとに使いを走らせ、すぐに来て頂くようにと願ったことでも分ります。また弟ラザロが死んでしまった後でも、マルタのイエス様に対する信仰は少しも変ることがありませんでした。
ヨハネによる福音書11章22節を読みますと、マルタはイエス様に向って「あなたがどんなことをお願いになっても、神はかなえて下さることを、わたしは今でも存じています」と語っています。さらに27節では、「主よ、信じます。あなたがこの世にきたキリスト、神の御子であると信じております」と、信仰を告白しています。実に立派な信仰告白ではありませんか。
ルカによる福音書10章38節以下を読んでまいりますと、「一同が旅を続けているうちに、イエスがある村へはいられた。するとマルタという名の女がイエスを家に迎え入れた。・・・。マルタは接待のことで忙しく心をとりみだし、・・・」とあります。ここで、わたしたちが気付くことは、姉マルタも、妹マリヤと同じように、イエス様を心から愛し、イエス様を心から喜び迎えた事実であります。
イエス様が自分たちの家に来て下さったのは、何よりも大喜びでしたが、イエス様が家にお入りになってから、マルタは家のこと、もてなしのことで忙しく、落ち着いてイエス様のお話しを聞くことが出来ませんでした。たぶんマルタは、簡単なお食事をイエス様に差し上げるのは失礼に当たると思ったかも知れません。彼女は一生懸命にご馳走を作り始めました。ところが、妹のマリヤがちっとも手伝ってくれないのが、マルタには気になってしかたがありません。それでマルタは、イエス様のみもとへ行って、「主よ、妹がわたしだけに接待をさせているのを、なんともお思いになりませんか。わたしの手伝いをするように妹におっしゃってください」と、お願いいたしました。
すると、イエス様は、「マルタよ、あなたは多くことに心を配って思いわずらっている。しかし、無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはそのよい方を選んだのだ。そしてそれは、彼女から取り去ってはならないものである」とマルタにお答えになりました。イエス様が折角おいでになったのに、マルタは多くのことに心を配り過ぎて、落ち着いてイエス様のお話しも聞けなかったことは、本当に彼女にとって残念なことでした。今日の大部分の人たちの日常生活の有様も、このマルタのような状態ではございませんか。
生活のための複雑な問題や、家計のやり繰りのことなどに心が奪われ、最も根本的な魂の問題については、無関心すぎるほど、何ともお考えになっていないのではありませんか。このようでは、花園に生えている雑草に心をとらわれて、肝心の美しい花を忘れてしまうというのと同じで、そのようでは、ゆかしい花の香も、きれいな花の色も無駄となります。かといって、雑草を抜かなくてもよろしいというのではありません。美しい花を咲かせるには、当然、雑草を抜かなければなりませんが、花園の主人はどこまでも雑草ではなくて美しく咲き誇る花でございます。
イエス様を中心に、マリヤもラザロも、マルタの手作りになる美味しい食事を、喜んでいただいたことでありましょう。しかし、その美しい交わりの中心・主人となるのは、園に並べられたご馳走ではなく、主イエス・キリストであり、イエス様のお口からほとばしり出る生ける言葉でありました。このことと同じように、わたしたちの人生の最大の目的も、飲み食いとか、歓楽といった一時的な喜びではなく、ウエストミンスター小教理の第一問が教えますように、「神の栄光をあらわし、かつ永遠に神をよろこぶ」ことでございます。神を喜ぶためには、真の生ける神、天地宇宙の創造主にいます神について、よく知らなければなりません。そして、常に、神が共にいまして、自分を守り、導いて下さっていることを感謝しなければなりません。
神とのこのような交わりをいただくために、イエス様の尊い血潮によって、罪の赦しをいただき、救いの恵みを受けなければなりません。イエス様がお話しになっています、「良い方」とはこのことです。あなたの生活は一体何が中心であり、主人となっておりますか。雑草ですか。それとも、美しく咲いている花でしょうか。
ウエストミンスター小教理問答
第一問 人のおもな目的は何であるか。
答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことである。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
PR
この記事にコメントする
カテゴリー
ブログ内検索
バックナンバー
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
[PR]Samurai Sounds
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円