2023年7月号
№193
号
通巻877号
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その愛のゆえに
=時々の記=
(21)
現在の私
山添村に来て今年で33年目になります。まだまだ封建的な社会の名残が生きている村には馴染めません。村の行事が何らかの形で神道、仏教の宗教色に沿っているように思えてなりません。主人と私は村八分のようになっておりますが、歩み寄れない部分は、遠慮せず、私たちの考えを貫くようにしております。
私が結婚した当初に比べれば随分改善されましたが、この我が家の前の道は、神社に参るための参道であり、その真ん中に真っ赤な鳥居が建っており、そこをくぐらなければ、下の道へ出られないようになっておりまし
たが、10数年前、石段がコンクリートに舗装されましたので、今は鳥居をくぐらなくても下の道に出ることが出来るようになりました。 この村ではキリスト教徒は、主人と私だけなのです。教会の礼拝にお誘いする余地もありません。ですから、隣り近所の方たちに心を開くことが出来ません。私が最も心地よく安心していられる場所は、小さい頃からその中にいた礼拝堂です。 付き合いさえなければ我が家は周りが自然に囲まれ、澄んだ空気、井戸から湧き出る清水、小鳥のさえずりと心癒される所です。特に、夏は大変涼しく、山の中での生活を満喫しています。
私はちょうど14年前、教師生活にピリオドを打ちました。以来、近所の子供たちに英語を教えたり、村の独居老人のお宅に昼食を作って持っていってお話を聞いたり、ちょっとした身の回りのお世話をしたりしておりました。
6年前からは、主人の勤めている郵便局の外務職員の一端を担っています。波多野郵便局の配達区域である月ヶ瀬村全域と山添村の波多野地域(全戸1、100軒)に配られる速達,書留、小包みを担当しております
(月~土まで)。この仕事をするようになって郵便物に対する思いが、当り前から感謝に変わりました。
山添村と言う名の通り、山合い、谷合いに家が建ち並んでいます。春から夏、秋までの天候がよい日は好いのですが、寒さが厳しい冬はとても大変です。長靴にわらを巻いて滑り止めをします。それでも、急な山道は、昇りはまだよいのですが下りは滑り台のように滑っていくのです。寒い冬のはずですが、この仕事をしている時は必死ですので、余り寒さを感じません。
大変な仕事ですが、少しでもお役に立てている喜びを感じております。そして、外務職員の方に、「ご苦労様です。お疲れ様です」と自分が同じ仕事をしてみて、初めてその言葉が口先だけのものでなく、心から出て来ることを知りました。 私はこの仕事をしていて、何時も青年会時代にゴダート先生が教えてくださった「J・O・Y」を思い出しています(The First is to Jesus. The second is to Others. The Third is to Yourself)。 このことが「JOY」「喜び」になると仰っておられました。 郵便の配達をしていて最も喜ばれる時は独り暮らしの方のお家へのお届けの時です。忙しいので長い間はお話を聞いてあげられませんが、たとえ少しでも立ち話で最近のご様子を伺うようにしております。キリスト教の話をするわけではありませんが、私の手を持ってなかなか離そうとしない方も中にはおられます。
淋しいのでしょう。心細いのだと思います。何とかしてあげたいとは思うのですが、思うだけで、何もしてあげられないのが現状です。家に在っては主人の母が89歳という高齢で、しかも介護が必要な状態です。私は長男の嫁として、主人の母を在宅で介護しなければ……という強い思いはありますが、現実は、母の世話を家でしてあげることが出来ません。葛藤の日々です。
入院先へ見舞いに行きますと、「早く帰りたい。何時、家に帰らせてくれるの」とせがまれます。もし、私が今、信仰を持っていなかったら、苦しみだけの日々であったでしょう。苦しみは続きますし、消えませんが、神様にお頼り出来る、お委ね出来る幸いを強く覚えるのです。神様に目を向ける時、神様は必ずこの弱い私に力を与えて下さると信じて一日一日を神様を見上げて歩んでまいりたいと願ってやみません。
週ごとの礼拝では小野田雄二先生より励ましのメッセージを頂き、再び力を得て山添村に戻って来るのです。また、2週に1度、甲子園教会の金田幸男先生から説教テープを送って頂いております。信仰的に強められ、支えられております。教会の礼拝では、信仰の友と讃美し、祈り合うことによって兄弟姉妹としての温かい交わりを頂いておりますが、一人で静かに聖書のみ言葉についての説き明かしを聞く時もまた格別の喜びと力を与えられています。 そして、今までこの私の拙文を校正して下さり、その校正の度ごとにお手紙で信仰から信仰へと導いて下さった長村さんに深く感謝しております。
「本当に信仰を持っていて良かった」と心から思うこの頃です。
写真説明
:8年前に新築された主人の勤める波多野郵便局
:馬場家の庭にて・孫の奏太と愛犬
:伊賀上野城の満開の桜をバックに
馬場暁美
(上野緑ケ丘教会員)
=時々の記=
(21)
現在の私
山添村に来て今年で33年目になります。まだまだ封建的な社会の名残が生きている村には馴染めません。村の行事が何らかの形で神道、仏教の宗教色に沿っているように思えてなりません。主人と私は村八分のようになっておりますが、歩み寄れない部分は、遠慮せず、私たちの考えを貫くようにしております。
私が結婚した当初に比べれば随分改善されましたが、この我が家の前の道は、神社に参るための参道であり、その真ん中に真っ赤な鳥居が建っており、そこをくぐらなければ、下の道へ出られないようになっておりまし
たが、10数年前、石段がコンクリートに舗装されましたので、今は鳥居をくぐらなくても下の道に出ることが出来るようになりました。 この村ではキリスト教徒は、主人と私だけなのです。教会の礼拝にお誘いする余地もありません。ですから、隣り近所の方たちに心を開くことが出来ません。私が最も心地よく安心していられる場所は、小さい頃からその中にいた礼拝堂です。 付き合いさえなければ我が家は周りが自然に囲まれ、澄んだ空気、井戸から湧き出る清水、小鳥のさえずりと心癒される所です。特に、夏は大変涼しく、山の中での生活を満喫しています。
私はちょうど14年前、教師生活にピリオドを打ちました。以来、近所の子供たちに英語を教えたり、村の独居老人のお宅に昼食を作って持っていってお話を聞いたり、ちょっとした身の回りのお世話をしたりしておりました。
6年前からは、主人の勤めている郵便局の外務職員の一端を担っています。波多野郵便局の配達区域である月ヶ瀬村全域と山添村の波多野地域(全戸1、100軒)に配られる速達,書留、小包みを担当しております
(月~土まで)。この仕事をするようになって郵便物に対する思いが、当り前から感謝に変わりました。
山添村と言う名の通り、山合い、谷合いに家が建ち並んでいます。春から夏、秋までの天候がよい日は好いのですが、寒さが厳しい冬はとても大変です。長靴にわらを巻いて滑り止めをします。それでも、急な山道は、昇りはまだよいのですが下りは滑り台のように滑っていくのです。寒い冬のはずですが、この仕事をしている時は必死ですので、余り寒さを感じません。
大変な仕事ですが、少しでもお役に立てている喜びを感じております。そして、外務職員の方に、「ご苦労様です。お疲れ様です」と自分が同じ仕事をしてみて、初めてその言葉が口先だけのものでなく、心から出て来ることを知りました。 私はこの仕事をしていて、何時も青年会時代にゴダート先生が教えてくださった「J・O・Y」を思い出しています(The First is to Jesus. The second is to Others. The Third is to Yourself)。 このことが「JOY」「喜び」になると仰っておられました。 郵便の配達をしていて最も喜ばれる時は独り暮らしの方のお家へのお届けの時です。忙しいので長い間はお話を聞いてあげられませんが、たとえ少しでも立ち話で最近のご様子を伺うようにしております。キリスト教の話をするわけではありませんが、私の手を持ってなかなか離そうとしない方も中にはおられます。
淋しいのでしょう。心細いのだと思います。何とかしてあげたいとは思うのですが、思うだけで、何もしてあげられないのが現状です。家に在っては主人の母が89歳という高齢で、しかも介護が必要な状態です。私は長男の嫁として、主人の母を在宅で介護しなければ……という強い思いはありますが、現実は、母の世話を家でしてあげることが出来ません。葛藤の日々です。
入院先へ見舞いに行きますと、「早く帰りたい。何時、家に帰らせてくれるの」とせがまれます。もし、私が今、信仰を持っていなかったら、苦しみだけの日々であったでしょう。苦しみは続きますし、消えませんが、神様にお頼り出来る、お委ね出来る幸いを強く覚えるのです。神様に目を向ける時、神様は必ずこの弱い私に力を与えて下さると信じて一日一日を神様を見上げて歩んでまいりたいと願ってやみません。
週ごとの礼拝では小野田雄二先生より励ましのメッセージを頂き、再び力を得て山添村に戻って来るのです。また、2週に1度、甲子園教会の金田幸男先生から説教テープを送って頂いております。信仰的に強められ、支えられております。教会の礼拝では、信仰の友と讃美し、祈り合うことによって兄弟姉妹としての温かい交わりを頂いておりますが、一人で静かに聖書のみ言葉についての説き明かしを聞く時もまた格別の喜びと力を与えられています。 そして、今までこの私の拙文を校正して下さり、その校正の度ごとにお手紙で信仰から信仰へと導いて下さった長村さんに深く感謝しております。
「本当に信仰を持っていて良かった」と心から思うこの頃です。
写真説明
:8年前に新築された主人の勤める波多野郵便局
:馬場家の庭にて・孫の奏太と愛犬
:伊賀上野城の満開の桜をバックに
馬場暁美
(上野緑ケ丘教会員)
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円