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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (79)s-P4280285.jpg
 第48課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
D 福音はすべての人の必要に適応したものであり、万人に伝えられるべきものである。
       10章11~21節 (2)
 
「したがって、信仰は聞くことによるのであり、聞くことはキリストの言葉から来るのである」(10:17)。この節での「聞くこと」という言葉は、16節の「聞いたこと」という表現に関連して言われています。「聞いたこと」というギリシャ語は元来「聞くという動作」を表し、それから由来して「聞くことの内容」を意味するに至っています。イザヤの問い掛けの言葉「主よ、だれがわたしたちから聞いたことを信じましたか」は、信じることは聞くことによるのです。すなわち、信じること、信仰は聞いたことによるのであるという意味です。
人が福音を信じるようになる前には、先ずそれを聞かなければなりません。すなわち、それに接しなくてはならないのです。信仰は聞いたメッセージを真理として受け入れること、そのメッセージがそれについて語っているその方を信頼することから成り立つのです。その故に「信仰は聞くことによるのである」と言えるのです。
パウロはさらに付け加えて「聞くことはキリストの言葉から来るのである」と言っています。「キリストの言葉」、あるいは「神の言葉」という表現は、単に聖書、あるいは神の言葉だけを意味するのではありません。それは宣教の業をなす神の言葉、または命令を指すのです。宣教の業はキリスト信者たちの自発的な努力ではなくて、神によって命じられた使命なのです。神の権威ある御言葉の伝達であり、神の命令より出るものなのです。
 
パウロは今までに述べてきた2つの真理をここで確認します。すなわち、
1 知識は信仰に必要であること。
2 そしてその知識を異邦人にまで伝達することが神のみ旨であること。
 
「しかしわたしは言う。彼らには聞こえなかったのであろうか。否、むしろ『その声は全地にひびきわたり、その言葉は世界のはてにまで及んだ』」(18)。
この所でのパウロの論理はかなり短縮されており、いくらか唐突で、かなり理解が困難になっています。しかし、とにかくパウロがここで言おうとしていることはなんでしょうか。ある学者はパウロはここでユダヤ人のことを念頭において語っているのだと言います。しかしここの解釈は、パウロが今ここで論じているのは主題と一致していません。
なぜなら、彼がここで述べているのは、ユダヤ人の拒否ではなくて、異邦人の召命についてであるからです。18節も異邦人について宣べているからです。なぜならば、イスラエルのことを語ろうとしていることは明白です。19節において、彼は名前を挙げているからです。
 
18節が異邦人について語っているのであるとすれば、パウロはここで何を言おうとしているのでしょうか。パウロの言葉は詩篇19編4節から引用されています。しかし、詩篇19編の主題は自然における神の啓示ですが、ここではキリストの福音を語っているのです。パウロは異なる事柄を表わすために、詩篇より言葉を借りてきているに過ぎないのでしょうか。勿論、自然における神の一般啓示は、ある意味で福音の普遍的宣教の準備的な予微であることは確かです。これら両者ともに普遍的になされることが、神のみ旨でありました。
しかしパウロの意味するところは、福音は既に契約の民イスラエルというチャンネルを破って外に出て、世界の全ての人々に宣べ伝えられる普遍的なメッセージとなってしまっていたということです。勿論、このことはパウロの時代に福音が既に全ての国々の民たちにまで届いていたということを、決して意味してはいません。なぜなら、そのようなことがなかったことは明らかであるからです。しかし、福音が当時の世界にあまねく、広く伝えられていたことは確かです。
 
 J.G.ヴォス著
 玉木  鎮訳
 (日本キリスト改革派引退教師)
この文章の転載は訳者の許可を得ております。
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
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「あとがき」より
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「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
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おすすめ本
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鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
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おすすめ本

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ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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