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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 『旧・新約婦人物語』(26)
  ヘロデ王の妻となったヘロデヤs-2011091113110001.jpg
      マルコ6:14~29 
 
 ヘロデヤという婦人は、旧約聖書に登場します女王イゼベルに、実によく似ているところがあります。この二人の女性ほど残忍な性格を持った婦人は、聖書全体を通して他に見当たりません。二人とも、地位も同じく、非常に勝気でありました。自分の地位を利用して国の政治を思うままに左右し、彼女等の気に入らない者は、邪魔者として圧迫を加えられていました。
 それはもはや死の宣告を受けたのも同然で、国内では生きて行けないほどでありました。ヘロデヤの気に入らない邪魔者は、誰だったでしょうか。皆さんもよくご存知のバプテスマのヨハネです。
 
 ヘロデヤの出身地はイスラエルではなく、その南のエドムの国から来た婦人でありました。歴史を調べてみますと、ヘロデヤは、ヘロデ王の兄弟ピリポと結婚して、ローマに住んでいたのです。ヘロデがローマに行った時、初めてピリポの妻ヘロデヤに出会って、彼女の美貌に心引かれ、彼女に誘惑されてついに人妻と姦淫を犯す大罪をしでかしてしまいました。
 ここで二つのことが、はっきりわかります。その一つは、ヘロデ王とヘロデヤの道徳観念がいかに低いかと言うことです。姦淫が身を滅ぼす恐ろしい罪であり、ことに自分の兄弟の妻とそのような罪を犯すことが、どんなに大きな罪であるかと言うことが、彼らに分からないほど道徳意識が低すぎたのです。
 今一つの点は、ヘロデ王の意志の弱さです。自分の身が一国の王でありながら、自分の情欲を抑えきれず、ヘロデヤの誘惑に負けて姦淫の罪を犯し、彼女と彼女の娘サロメを連れてユダヤに帰ってしまいました。彼女もまた、平気で主人ピリポを捨てて、ヘロデ王とユダヤに帰ったのです。そしてそれのみでなく、彼女はヘロデ王の正妻であるアラビヤの王女を、王妃の地位より退け、国に追い返し、自分が王妃として栄華な生活を始めようとしたのです。
 この時、彼らの前に現われたのがバプテスマのヨハネです。彼は厳しく勇敢に、彼らの不道徳と不倫を責め、兄弟の妻を妻に迎えることが誤りであることを戒めたのです。忠言耳に逆らうとは、古今東西同じことで、これを聞いたヘロデヤは非常に怒り、ヨハネを恨み、ヘロデ王に訴えて人をヨハネのものに送り、捕らえて獄似につなぎ、彼を殺そうと思いました。事実、ヨハネは捕らえられ獄に入れられました。しかし、ヘロデヤはヨハネを殺すことだけは出来ませんでした。
 何故かと申しますと、ヘロデ王がヨハネは正しく聖なる人だと知って、彼を恐れ、彼に保護を加え、彼の教えを聞き、大変悩みながらも、喜んで彼の言葉に耳を傾けていたからです(マルコ6:20)。
 
さてヘロデヤはヨハネに対する恨みを捨てず、彼を殺す機会の訪れるのを、密かに待っていたのです。その機会は意外にも早くやって来ました。ヘロデ王の誕生日のお祝いに、娘のサロメが王と彼の客人の前で、巧みな舞で、非常に王を喜ばせました。そこで王はこの少女に、「ほしいものは何でも言いなさい。ほしければこの国の半分でもあげよう」と、軽々しくも誓ったのです。
サロメは、急いで母のヘロデヤに何を求めればよいかと相談しました。ヘロデヤは、「バプテスマのヨハネの首を」と教えたのです。サロメは王に、母の教えたままを願い出ました。ヘロデ王は、彼女等の意外な願いを聞き、ひどく驚くと共に、非常に困りました。しかし一旦誓った限り、簡単にこれを退けることも出来ず、彼は心ならずも衛兵を送って、ヨハネの首を切らせました(マルコ6:26)。
 
この嫌なお話は、私たちに何を物語っているでしょうか。クリスチャンは、罪に対して、はっきりした態度をとるべきであると言うことです。ただ罪に対して目をふさぎ、知らん顔をしているような消極的な態度は、クリスチャンらしくありません。ことに、このような道徳的罪悪に対しては、私たちは積極的にこれと戦って、国の道徳的水準を引き上げなければならないと思います。
全てのクリスチャンは、地の塩となって、社会を清め、世の光として罪の暗黒を照らし、すっかりこれを吹き払う尊い義務を、神より託されているのです。もっとはっきり、この義務と責任とを、クリスチャンは自覚し、実行すべきでありましょう。
 
  ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
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森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
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      d6b7b262.jpg
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スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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著者の言葉
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定価 3000円

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