2023年7月号
№193
号
通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(27)
オルパとルツ
ルツ記
私たちはナオミと二人の嫁について学びましたが、ここではその続きです。オルパは姑ナオミと別れて自分の家に帰り、ルツは姑と共にベツレヘムへ帰りました。
なぜ、オルパだけが偶像崇拝の盛んな自分の国へ帰り、ルツが姑と行動を共にしたのでしょうか。オルパとルツとは同じように神の摂理とお導きによって、真の神を信じている家族の人となり、神を知る機会を与えられながら、どうしてオルパは偶像に帰り、ルツだけが神を信じる信仰を貫いたのでしょうか。これは、オルパの方が形式的に、機械的に主人の信仰を受け入れていたのに対して、ルツは精神を尽くして、まことの神を信じていたことによると思います。人の信仰は、平素においてはその真偽がなかなかわかりませんが、一旦、困難に合うとその真偽・深浅のほどが、はっきりしてきます。
オルパはモアブへ帰るという外的な出来事のみでなく、彼女は永遠の滅亡への道を自分で選んだのです。この態度と対照的なのはルツです。彼女も結婚前は、オルパと同じく間違った偶像崇拝の環境に育ちました。しかし、彼女の優れた点は、その間違った信仰を捨てて、ナオミの信じている、真の神を選んだことです。
その時のルツの言葉は、「・・・わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です。あなたの死なれる所でわたしも死んで、そのかたわらに葬られます」(1:16から7)と。
なんと素晴らしい告白ではありませんか。美しいといっても、これほどの言葉は他に見当たらないでしょう。この言葉は人が世にある限り忘れられることはない、地球の全地に語り伝えられる有名な言葉です。まことの信仰なくして、どうしてこのような告白ができましょうか。ルツの偉大な性格はこの言葉によく現われております。彼女はまことに世界で指折り数えられる人物の一人となったわけです。
ルツ記は、わずか4章、85節からなる短い書物です。初めから終りまでよく読んで下さい。すぐ気付くことは、信仰と恵みとの関係が、はっきり現われているのです。神様は、ルツの信仰を恵み、ベツレヘムに行ってから、立派な夫が与えられ、そのうえに男の子を授かり、恵みに恵みが加えられて、ルツ自身があの有名な、ダビデ王の曽祖母になり、キリストの先祖の一人となって、マタイ福音書1章5節にその名を残しています。彼女の光栄や思うべしです。
この二人の嫁たちによって多くの教訓を学びます。
1 真の救いへの道を拒むことが、どんなに恐ろしいことか。オルパは神を信じるよい機会を一度ならず与えられれながら、その機会を見逃しています。マタイ福音書19章には、富める青年が、せっかくキリストにお目にかかり救いの道を求めながら、世の富に心引かれて千載一遇ともいうべき救いの機会を逃したように、オルパもせっかく与えられた救いの道を逃してしまったのです。
ここで、わたしが悲しく思うことは、この日本において、救いの道に導かれた人たち(決心者、求道者)が多いにもかかわらず、信者となられる人は、日本の全人口の1%にも達しないのです。どうして救いの道に導かれながら救いを受け入れないオルパのような人が多いのでしょうか。
現在、日本に派遣されている宣教師の数は、新教渡来以来最高の数であると言われています。それに比べて、どうして教会や信者が増加しないのでしょうか。これは私たちの反省も必要ですが、またこのオルパ式の人が多いからではないでしょうか。人は命の道を選ぶか、滅亡の道を選ぶかの岐路に立たされているのです。
2 ルツのこの変らないしっかりした信仰は、私たちのキリストに対する信仰の態度でなくてはなりません。
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。・・・あなたの死なれる所でわたしも死にます」。
このルツの言葉は、私たちのキリストに対する信仰でなくてはなりません。私たちは絶えずキリストと共に歩み、キリストと共に生き、一度信仰を志したなら後を振り返るのは大禁物です。振り返る心には緩みが生じ、オルパの二の舞えを演ずるでしょう。キリストの行けと言われる所へ行き、キリストの為せと言われることを為し、生きるも死もキリストと共であること、これがキリスト者の生活です。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
オルパとルツ
ルツ記
私たちはナオミと二人の嫁について学びましたが、ここではその続きです。オルパは姑ナオミと別れて自分の家に帰り、ルツは姑と共にベツレヘムへ帰りました。
なぜ、オルパだけが偶像崇拝の盛んな自分の国へ帰り、ルツが姑と行動を共にしたのでしょうか。オルパとルツとは同じように神の摂理とお導きによって、真の神を信じている家族の人となり、神を知る機会を与えられながら、どうしてオルパは偶像に帰り、ルツだけが神を信じる信仰を貫いたのでしょうか。これは、オルパの方が形式的に、機械的に主人の信仰を受け入れていたのに対して、ルツは精神を尽くして、まことの神を信じていたことによると思います。人の信仰は、平素においてはその真偽がなかなかわかりませんが、一旦、困難に合うとその真偽・深浅のほどが、はっきりしてきます。
オルパはモアブへ帰るという外的な出来事のみでなく、彼女は永遠の滅亡への道を自分で選んだのです。この態度と対照的なのはルツです。彼女も結婚前は、オルパと同じく間違った偶像崇拝の環境に育ちました。しかし、彼女の優れた点は、その間違った信仰を捨てて、ナオミの信じている、真の神を選んだことです。
その時のルツの言葉は、「・・・わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です。あなたの死なれる所でわたしも死んで、そのかたわらに葬られます」(1:16から7)と。
なんと素晴らしい告白ではありませんか。美しいといっても、これほどの言葉は他に見当たらないでしょう。この言葉は人が世にある限り忘れられることはない、地球の全地に語り伝えられる有名な言葉です。まことの信仰なくして、どうしてこのような告白ができましょうか。ルツの偉大な性格はこの言葉によく現われております。彼女はまことに世界で指折り数えられる人物の一人となったわけです。
ルツ記は、わずか4章、85節からなる短い書物です。初めから終りまでよく読んで下さい。すぐ気付くことは、信仰と恵みとの関係が、はっきり現われているのです。神様は、ルツの信仰を恵み、ベツレヘムに行ってから、立派な夫が与えられ、そのうえに男の子を授かり、恵みに恵みが加えられて、ルツ自身があの有名な、ダビデ王の曽祖母になり、キリストの先祖の一人となって、マタイ福音書1章5節にその名を残しています。彼女の光栄や思うべしです。
この二人の嫁たちによって多くの教訓を学びます。
1 真の救いへの道を拒むことが、どんなに恐ろしいことか。オルパは神を信じるよい機会を一度ならず与えられれながら、その機会を見逃しています。マタイ福音書19章には、富める青年が、せっかくキリストにお目にかかり救いの道を求めながら、世の富に心引かれて千載一遇ともいうべき救いの機会を逃したように、オルパもせっかく与えられた救いの道を逃してしまったのです。
ここで、わたしが悲しく思うことは、この日本において、救いの道に導かれた人たち(決心者、求道者)が多いにもかかわらず、信者となられる人は、日本の全人口の1%にも達しないのです。どうして救いの道に導かれながら救いを受け入れないオルパのような人が多いのでしょうか。
現在、日本に派遣されている宣教師の数は、新教渡来以来最高の数であると言われています。それに比べて、どうして教会や信者が増加しないのでしょうか。これは私たちの反省も必要ですが、またこのオルパ式の人が多いからではないでしょうか。人は命の道を選ぶか、滅亡の道を選ぶかの岐路に立たされているのです。
2 ルツのこの変らないしっかりした信仰は、私たちのキリストに対する信仰の態度でなくてはなりません。
「わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。・・・あなたの死なれる所でわたしも死にます」。
このルツの言葉は、私たちのキリストに対する信仰でなくてはなりません。私たちは絶えずキリストと共に歩み、キリストと共に生き、一度信仰を志したなら後を振り返るのは大禁物です。振り返る心には緩みが生じ、オルパの二の舞えを演ずるでしょう。キリストの行けと言われる所へ行き、キリストの為せと言われることを為し、生きるも死もキリストと共であること、これがキリスト者の生活です。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円