2023年7月号
№193
号
通巻877号
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詩編を祈る 12編
「彼らがあえぎ望む救い」
この詩編の背景は明らかではありませんが、ダビデがサウル王に追われていた時のこと、ケイラやジフの人々から受けた仕打ちを背景にした詩編と考えられています。
ダビデはペリシテの襲撃からケイラの人々を救ったにもかかわらず、彼らはダビデを裏切ろうとし、ジフの人々もダビデの居場所をサウルに通報し、彼を窮地に追い込もうとしたのです。このような経験からダビデは、人間の言葉と神の言葉の違いを自覚させられたのでした。
「主の慈しみに生きる人」「神を敬う人」(口語訳)は、自らがその神の真実と慈しみに生きる中で、そこに他者をも引き入れます。隣人に主の慈しみを施す者でもあるのです。
「信仰ある人」ア-メンである人、真実で信用できる人です。そのような人は「絶え、消え去」ってしまったのでした。そして「偽りを言い、滑らかな唇、二心をもって話」す者が横行し、我が世を謳歌するのでした。ダビデは、宮廷に渦巻く権謀術策と人間の裏切り、不真実、偽りをいやというほど見てきて、その人間の不真実とへつらいと人を平葉、うわべやおべっか、悪口や中傷、批判や暴言、陰口、そういった言葉に、私たちはいやというほど苦しめられてきたのでした(箴言26章19~28節)。
いやそういう私たち自身、気づくところで意図的に、あるいは気づかないところでも、同じ言葉を発してきたのではないでしょうか。十戒における「殺すなかれ」は、言葉の暴力による人格否定をも含み込んでいます。神を賛美する、その同じ口をもって、神にかたどられた隣人を呪います(ヤコブ3章2~10節)。これが人間の言葉の現実です。
この人間の偽りの言葉の苦しみから、神は「立ち上がり、彼らがあえぎ望む救いを与えよう」とされます。かつてエジプトの苦役に服し、その過酷な苦しみから神に叫び訴えたとき、神は立ち上がって救ってくださったのでした(出エジプト2章23~24節)。同じ神が、今や不真実と偽りと暴力の言葉に苦しむ民のために立ち上がり、救いだしてくださるというのです。彼らがあえぎ望んだ救いとは、二重の救いでした。それは一方では悪しき者の言葉が裁かれ、絶やされることであり、同時にこの悪しき者からの誘惑に屈しないで、正しい言葉、真実な言葉を語り続ける者とされるようにとの神の守りです。かつてイスラエルが、荒れ野でマナ、つまり神の言葉によって日々養われたように、神の真実な言葉によって私たちも養われ(マタイ4章4節)、日毎にその「生命のパン」(ヨハネ6章22~28節)をいただくことです。
神の言葉は「土の炉で七たび練り清められた銀」つまり完全に精錬されて、中に不純物や汚れが一切ない聖いものです。「混じりけのない言葉」(新改訳)偽りがなく、信頼しうる確かな言葉でもあります。その言葉は、この世界を創造した力ある言葉(創世記一章)であり、言われたことは必ず実現する言葉(イザヤ55章)でもあります。しかもその神の言葉が、肉体をとって、私たちの間にまで来てくださったのでした。私たちはこの真実な言葉にこそ、私たちの言葉を基礎づけ、またこの言葉を慕い求めて養われつつ(第一ペトロ2章2節)、この言葉を語る者とされていきたく願います。その時、私たちの言葉は、塩で味つけられた真実な言葉(コロサイ4章6節)とされていくのです。
稲毛海岸教会牧師
三川栄二
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円