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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (90)
 第54課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否s-P1004695.jpg
       9章1~11章36節(続)
F 神のユダヤ人拒否は最終的なものではない。何故なら、彼らの多くの者がキリストへ立ち帰るからである。
       11章11~36節 (2)

 
 この問題を入念に学ぼうと願う人々は、次の書物を読むことが望ましいです。(2)

4 Albertus Pieters 「アブラハムの末」(絶版)
 本書の副題は「イスラエル・教会・ユダヤ人についての聖書的研究」です。この書の中で、著者はローマ書11:11~36の問題について、「パウロは来るべき時代におけるイスラエル民族の領土的回復について述べているのではなく、またそのようなことに関心を寄せているのでもない。ローマ書の11章において、彼はイスラエルの霊的回復のことを言っているのである。しかし、パウロが、異邦人たちが集められた後であるにしても、或いはそれと共であるにしても、どのような形における回復を期待しているかは明らかではない。パウロが「彼らが全部救われたら」と言っているのだから、四散している個々のユダヤ人だけでなく、ユダヤ人全体の回心が最終的にあるので、今後は、パウロの時代から今日に至るまで、存在したような、福音に反対する立場をとるユダヤ人に集団と言うものはもはや世界に存在しなくなると結論する人々があるが、決して不自然な解釈ではないのである。或いはこれが正しい解釈であるかもしれないが、パウロが常に主張している「残された者」という理念があるので、一抹の疑問は残る。この理念によると、神の約束は民の一部分に対してだけ成就され、しかも、それで正当且つ真実に成就されたのであるとされる。この考え方をここに適用すると、全てのイスラエルというのは、イスラエルの中の選ばれた者を意味することになり、神は予め知っておられたその民を捨てられることはないと言うパウロの確信にも合致するのである」。
 
5 David Freeman「聖書と来るべき出来事」(絶版)
 本著の「ユダヤ人:その回心と領土」という章において、著者が述べていることは、きわめて有用で啓発されるものがあります。彼は「神が再び民族としてのユダヤ人の上に、恵をもって臨まれると言う意味の確かな教えがある」。また、「民族としてのイスラエルは、回心という仕方においてのみ救われる。いつの日にか、彼らは必ず、全ての民族から来る者と共に、真の信仰をもって、その救い主を認めるのである」と言っている。フリーマン氏の所論に中には、反対の見解を持つ人たちがまだ十分には答えていないものがあると考えられます。

 ローマ書11章11~36節は、ユダヤ人が集団として将来、キリスト教に回心することを述べているとする学者たちの中には、H.Alfuord C. Hodge, Shdd,G.Vosなどがあり、反対の見解を持つ人々には、P.Mauro,I.Graebner,W.Hendriksenなどがいます。ローマ書11章11~36節は全く難解な箇所です。この箇所を単純で明白であると考える人たちは、この問題について無知であるばかりでなく、この問題について記されている文献にも無知であることを暴露していると言うべきでありましょう。

 この学びにおいては、ユダヤ人のキリストへの回心は集団的であるということが、ローマ書11:11~36の語っているところであると言う立場を採用したいです。しかし、常に明記しておかなくてはならないことは、この問題は確かに議論の多いものですが、結論はまだ記されてはいないということです。

 J.G.ヴォス著
         玉木  鎮訳
       (日本キリスト改革派引退教師)
この文章の転載は訳者の許可を得ております。
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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