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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 『旧・新約婦人物語』(33)SH3J17490001.jpg
 
妖婦バテシバ
       サムエル記下11章
 
 バテシバの話は、前に述べましたデリラの話とよく似たところがあります。その一つは、二人とも、性的に大きな罪を犯した点です。他はともに映画化されて、広く社会に紹介された点です。しかし、バテシバはデリラのような遊女のような女ではなく 、立派な武人ウリヤのれっきとした妻で、いわゆる社会の上流婦人であったことが違っています。だから、バテシバの犯した罪は、デリラのそれよりも重く、ひどく追求されねばなりません。
 サムエル記下11章にある、ダビデ王とバテシバの不倫の話は、私たちの耳を覆いたくなるほどで、神に選ばれた、権威ある王の行動とも思えぬ一大失敗談です。もし聖書が、人の考えた世の道徳書でありますなら、決してこのような不愉快な話は、さしはさまなかったと思います。事実は事実として伝えているところに聖書の特徴があり、生命があります。
 しかも、「聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。それによって、神の人が、あらゆる良いわざに対して、十分な準備ができて完全にととのえられた者になるのである」(テモテ第二3章16~17節)とあるとおり、神の御霊の導きによって書かれたもので、これによって神の罪人に対する憐れみを知ることが出来ます。また人間がどんなに弱く、サタンの誘惑に負け、罪を犯しやすいかを、このような不愉快な出来事を通じて、私たちに適切な教訓として聖書は教えているのです。
 では、この話の主人公バテシバは、どういう性格の婦人であったのでしょうか。
 サムエル記下11章2節に、「その女は非常に美しかった」とあります。彼女は非常にあでやかな婦人であったようです。しかし、その美は外見だけで内的には欠点が多く、ことに貞操観念の薄い女性でした。
 「ひとりの女がからだを洗っているのを見た」とあるのをみましても、人に見られるところで水浴をするなど、彼女のぶしつけさがわかります。ダビデ王から宮中に召されたとき、人の妻であると言う理由でこれを辞退すべきですのに、それをせず、王のそば近くに仕えているあたり、彼女の貞操観念のほどがうかがわれます。その上、彼女は王の求めるままに姦淫の罪を犯しました。そればかりか、自分の夫ウリヤが王の命令によって、戦場から帰還したとき、戦場にいる戦友の労苦を思って、「わたしの主人ヨアブとわが主君の家来たちが野外に陣を取っているのにわたしはこうして家に帰って食い飲みできるでしょうか」と言って、わが家に入るのを拒み、城外に仮寝をするときも、あえて夫を訪ねようとはしませんでした。王と犯した罪の告白など思いもよらぬことでした。姦婦とはこのような女性のことで、その罪の深さは、到底、遊女デリラと同一に語ることはできません。
 王とバテシバは、自分たちの犯したこの醜い罪が誰にも知られず、隠しとおせると思ったのでしょう。ダビデは、立派で忠実な武臣ウリヤを一番危険な戦線へ送って、彼を敵の刃に倒れさせて、殺人の罪も重ねたのです。まことに言語道断とはこのことです。
 しかし、人を欺いても、神を欺くことはできません。誰知るものぞと思っていたこの罪も、神の前には明白であり、隠し切れぬことでありました。
 ここに、神の預言者ナタンの登場となります。神はナタンを通してダビデの犯罪を、彼の顔の前に暴かせ、激しくこれを責め、罪科を示し、彼の子供の死を預言されました(12:11~15)。
 ダビデは、ここで初めて、心の目が開かれ、自分の罪科の恐ろしさを知り、真心から罪を告白し、悔い改めて、自分の子供の命が助けられるように断食し、終夜地に伏して祈りました。けれども聞かれず、ナタンの預言のとおり、子供は七日目に死んでしまいました。それのみでなく、ダビデの家族は、父子兄弟が常に争って平和な日がなく、ついには父と子が殺し合う悲惨さえ生じました。まことに恐ろしいのは罪の結果です。
 しかし、砕かれた魂は神の喜びたもうところで、ナタンの叱責によって心砕かれたダビデは、悔い改めて、新たな信仰に立ち返り、後にソロモンが与えられました。このソロモンは神より知識を与えられ、イスラエルの歴史上ソロモン時代が一番栄えたと言われています。
 不愉快なこの話も、私たちに多くの教訓を与えています。
 1 神はどんな罪も決してお見逃しになりません。罪が必ず罰せられることは、聖書の一貫した主張ですが、この話は特にそれを強く物語っています。
 2 神の大いなる憐れみは、私たちが真心より罪を悔い改めるならば、お許しになること。「もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる」(ヨハネ第一 1章9節)。
 神は、私たちの罪を赦すために、御子キリストを世に御降しになり、すでに私たちを、贖って下さいました。あなたは、この贖いを受け入れておられますか。
 
ーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
 
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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スーザン・ハント
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発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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 「著者のことば」
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おすすめ本
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鈴木英昭訳
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おすすめ本

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著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
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