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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 解説 ウエストミンスター信仰告白 (4)
               
                    岡田  稔著

第一章  聖書について・・・4

9 聖書解釈の無謬(むびゅう)の規準は、聖書自身である。従って、どの聖句の(多様ではなくて、ひとつである)真の完全な意味について疑問のある場合も、もっと明らかに語る他の個所によって探究し、知らなければならない(1)。

  1 Ⅱペテロ1:20,21、行伝15:15,16

九 これは、七項と関連させるべきではないかと思う。聖書の明白性と深く関係する聖書解釈の原理である。まず聖書の意味は一つしかないことを主張して、聖書の表面的意味と裏面的(隠語的)意味とがあると言う主張を排斥する。ローマ・カトリック教会は、しばしば自己の教理の根拠を置こうとして、こじつけ的な解釈を下す。聖霊解釈などというのも、これと同類に近い場合がある。
 これに対して、わたしたちは文法的、歴史的方法を主張する。すなわち、字義通りに前後の文脈から、書いた人の歴史的事情に照らして、本来のままの心を読むべきである。
 また、聖書が自己完結的啓示であると考える以上、聖書を直接霊感や伝説、経典外文書などの光の助けを得て、はじめて理解出来ると見ることは誤りである。聖書の理解が困難な箇所は、より明白な箇所の光に照らして理解すべきで、同じ語、同じ問題はよりはっきりしている他の聖句に基づいて推論すべきであると言うのである。

 9c4a4c0d.jpeg10 それによってすべての宗教論争が決裁され、すべての会議・古代の著者たちの意見・人々の教義・個人の精神が検討されなければならないところの、またその宣告にわたしたちが従わなければならないところの至高の審判者は、聖書の中に語っておられる聖霊以外の何者でもありえない(1)。

  1 マタイ22:29,31、エペソ2:20、行伝28:25(*)
      *エペソ2:20を行伝28:25と比較

十 この項は、まず九項との関連から考えなければならない。これは、聖書解釈の原理に関するものである。すなわち、ここで言う「宗教論争」は、九項の「聖句の真の完全な意味について疑問のある場合」と同じように、教理上の異論についても考えられる。そして、その判定の権威を個人の哲学や教会の決議や教皇や伝説などの人間的なものに置くことに反対して、どこまでも聖書自身に基づくと言う主張であり、九項は「もっと明らかに語る他の箇所」からの推論を、十項は「聖書全体の統一的教理との調和」を主張したものである。
 同時に、十項は第一章の結論として、聖書の権威は聖書の真の著者である聖書自身の上にのみ依拠すること。従って、聖書の意味の判定者は、この聖霊ご自身の外にないこと。聖霊は信仰を通して信者の良心に明らかにされることなどを主張する。
 従って、この良心の自由を拘束するものは、ありえないこと。偉大な教権、伝統と言えども、個人の良心に語る聖書を通しての聖霊の声を黙らせることは出来ない、と言う聖書解釈における。個人的自由が告白され、ローマ・カトリック教会の教える、教会教理の無謬性と、それへの信者の無批判的盲従とを排斥するのが、この項の中心的な意味ではないかと思われる。
       ・・・・・・・・・・・・

この文章は月刊「つのぶえ」紙に1951年(昭和26)10月号から1954年(昭和29)12月号まで書き綴ったものを単行本にしたものである。「つのぶえジャーナル」掲載には、つのぶえ社から許可を得ています。「ウエストミンスター信仰告白」は日本基督改革派教会出版委員会編を使用。
単行本購入希望者は「つのぶえ社」に、ご注文下さい。¥500
465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207「つのぶえ社」宛
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書籍紹介
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 社会意思決定

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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

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 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
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富山大学経済学部経営法学科准教授
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電力中央研究所社会経済研究所研究員
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
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