忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

43369a0a.jpeg 「ローマ人への手紙」研究 (96)
 第56課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
F 神のユダヤ人拒否は最終的なものではない。何故なら、彼らの多くの者がキリストへ立ち帰るからである。       11章11~36節 (8)

 ここで、「聖い」という言葉の意味を誤解してはなりません。これは聖化による個人の性質の聖さを言っているのではありません。これは立場の聖さを意味しているのです。聖書において、「聖い」、「聖さ」という語は、一つ以上の意味で用いられています。一つは聖化による個人の聖さという意味です。(へブル12:14、「自らきよくなるように努めなさい。きよくならなければ、だれも主を見ることはできない」)。
 もう一つは、「立場」とか「関係」における外的な聖さという意味です。例えば、エルサレムは聖なる町(マタイ4:5)と呼ばれています。「エルサレムおよびユダのすべてのなべは、万軍の主に対して聖なるものとなり」(ゼカリヤ14:21)、その他、マタイ7:6,24:15、27:53、Ⅰコリント7:14、ルカ2:23参照。これらの聖句の中にあるものは、「聖い」という語を、「神の御用のために聖別された」、「特に神に属するものとして選び分かたれた」という意味で用いられています。
 また、パウロはⅠコリント7:14で、「不信者の夫は妻によってきよめられており、」と言っています。明らかに、これは聖化によって起こる心や生活の聖さではなく、立場や関係の聖さという外的なものを意味しています。 
 同じように11:16でパウロが「かたまり」や「枝」がきよいと言っている時、それはユダヤ人が集団的に、聖霊による聖化の働きによって生み出される心と生活のきよさを獲得したという意味で言っているのではありません。集団的に見れば、ユダヤ人は明らかに不信者であって、その意味では聖化されていないしきよくもないです。しかし、彼らがなおも真の意味できよいと呼ばれることができる唯一つの意味があります。すなわち、彼らはその根であり初穂である聖なるアブラハムと関係を持っているという理由で、外的な意味で「きよい」と呼ばれることができるのであります。
 アブラハムはその故国から呼び出されて、神と特別な関係の中に入りました。これは一つの「きよさ」です。パウロの時代のユダヤ人も現代のユダヤ人も共に、アブラハムが根である枝なのです。その意味において、ユダヤ人はきよいと言えるのです。

 神はアブラハムを召して、神との特別な関係に入れるために聖別されたとき、それはアブラハムにだけ関係することではなかったのです。神はアブラハムの子孫をもみ心のうちに考えておられたのです。「神はヘブル人の族長たちを選んで聖別し、ご自身への奉仕に用いられる時、彼ら自身だけでなく、彼らの子孫のことも考慮しておられたのである。神は集団としてのユダヤ人たちが、後の世まで特別に神のために自らを捧げるように意図しておられた。だから彼らは今まで他の民族が与ることがなかった神との特別な関係の中に立ってきたのである。そしてこの関係をもってきたからこそ、彼らは再び神の恵みの中に回復されることが有り得るのである。そして、パウロが後の箇所で(25節)述べているように、神はそれを完成することを決定しておられるのである。(C・ホッジ)」。

J.G.ヴォス著
 玉木  鎮訳
 (日本キリスト改革派引退教師)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]