2023年7月号
№193
号
通巻877号
×
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『旧・新約婦人物語』(40)
テモテの母ユニケ
=使徒行伝16章1節・テモテへの第二の手紙1章5節=
皆様方がご存知のように、テモテの母ユニケという婦人は、先に学びましたロイスの娘にあたります。彼女は、若くて熱心な伝道者テモテのお母さんです。新約聖書の中に出て来ます多くの婦人たちの中で、ことに感激させられる女性は、このユニケのお話であると思います。
ユニケの家族は、小アジアのルステラという町に住んでいました。使徒行伝16章1~2節を見ますと、そこに「彼(パウロ)はデルベに行き、次にルステラに行った。そこにテモテという名の弟子がいた。信者のユダヤ婦人を母とし、ギリシャ人を父としており、ルステラとイコニオムの兄弟たちの間で、評判のよい人物であった」と記されています。
先ず、ここで分かりますことは、ユニケがユダヤ婦人であって、ギリシャ人の主人と結婚していたと言うことであります。当時は、多くのユダヤ人が商売やその他いろいろの事情のために自分たちの国を去り、異邦の国々に住んでいたのです。ユニケは小アジアで結婚したのか、それともユダヤで結婚して、主人の仕事のために小アジアに移住したのか、その辺の事情を聖書ははっきり語っていません。いずれにしましても、ユニケと彼女の母ロイス、そしてギリシャ人の主人と愛する息子のテモテの一家族が、ルステラに住んでいたことには、間違いがありません。
次にはっきりしていますことは、ユニケは実に熱心なキリスト教信者であったと言うことです。主人は未信者ではありましたが、ユニケは実に熱心な偽りのない信仰をもっていました。それは曖昧な、なまぬるい信仰ではございませんでした。
テモテへの第二の手紙1章5節をご覧になりますとよくわかります。すなわち、「また、あなた(テモテ)がいだいている偽りのない信仰を思い起こしているこの信仰は、先ずあなたの祖母ロイスとあなたの母ユニケとに宿ったものであったが、今あなたにも宿っていると、わたしは確信している」とございます。
偶像崇拝や迷信に満ち溢れています小アジアにおいて、真の神を信じ、キリストだけを信じて、キリストによる救いにあずかり、この唯一の福音を先ず自分のものとし、次ぎにこれを愛する子供に教え、その上、多くの人々にも信仰の証をしたのは、正にこのユニケでした。彼女の境遇はある意味では、今日の日本のクリスチャン婦人の境遇にもよく似ているように、私には思えます。彼女が迷信と偶像に満ちた国の中に置かれていましたように、現代の日本のクリスチャン婦人も異教と偶像と迷信の内に包まれ、囲まれているのです。また多くのクリスチャン婦人は未信者と結婚しているのです。その良し悪しは別としましても、そのためにいろいろと大きな問題が起こってまいります。
第一は、日曜日の聖日礼拝の厳守が、非常に難しい事情に陥りがちです。奥さんの方が礼拝を守りたいと望んでおられましても、サラリーマンの未信者の主人は、せっかくの日曜日だ、朝ぐらいゆっくり寝たいといって、なかなか頭をあげてくれません。もしも主人が起きた時、奥さんが教会に行って留守にでもしてしまいますと、それは大変です。
そこで、どうしても自然と礼拝に足を運ぶことが億劫になり、礼拝に欠席するのが習慣となってしまいます。ご主人の協力が得られるか、得られないかは、信仰生活にとって、極めて大切なポイントであると申せましょう。
第二に家庭礼拝を守ることも困難だと思います。クリスチャンの奥さん一人だけで、家庭礼拝を守ることは、なかなか勇気のいる仕事です。また日本の習慣で、クリスチャンの奥さんが教会の集まりなどにしげしげと足を運んだり、外出いたしますと、近所の人たちの話題の材料とされ、良くは言われないで、とかく悪い評判を立てられます。今では日本の国情も随分と変わり、大都市ではそのような傾向がなくなりつつあるようですが、一歩田舎に足を入れますと、まだまだ封建的な思想や習慣が残っていまして、昔と少しも変わらぬものが非常に根強いと言われています。
こうして実際問題を、目の先に見せつけられています日本のクリスチャン婦人は、どうしたらよいのでしょうか? ここで、ユニケのあの確固不動の強い確信に満ちた信仰態度に学ぶべきだと存じます。
先ずクリスチャン婦人は、自分の置かれている周囲の環境に妥協しないことです。静かに子供たちを集め、毎日聖書を読み、讃美歌を歌い、神に祈りましょう。子供と共に聖書を読むことと、祈ることは、クリスチャンであります母として、一番大切な役目なのです。多くのお母さんたちは、子供の学校における成績が気にかかり、健康状態には実に神経質過ぎるほど敏感で骨をおられます。けれども、子供の根本的なこと、精神の成長と進歩につきましては冷淡なほどまでに実に無関心でおられるようです。
第三には、家族のために祈ることであります。あなたの熱心な祈りによりまして、聖霊が頑固一徹な家族の人たちの心を砕いて下さいます。お母さんの祈りによって、神様に導かれました青年の例などは、数えますなら限りがありません。
さらに、クリスチャン婦人たちは、洗礼を受けました時、神様の前でいたしました約束を絶えず思い出して、その約束を守るべきであります。その内の一つが教会の集まりに熱心に出ることであります。
よく祈って、謙遜な態度で、このことをあなたのご主人に説明し続けられますなら、必ずご主人は理解して下さることでしょう。このような努力こそ、偽りのないキリスト者の取るべき態度であると存じます。妥協のない、偽りなき信仰生活を守り続けるクリスチャン婦人こそ、日本のキリスト教会の土台となる方々であろうと存じます。
「・・・神がわたしたちに下さったのは、臆する霊ではなく、ちからと愛と慎みとの霊なのである。だから、あなたは、わたしたちの主の話しをすることや、わたしが主の囚人であることを決して恥ずかしく思ってはならない。むしろ、神の力に支えられて、福音のために、わたしと苦しみを共にしてほしい」(Ⅱテモテ1:8~9)。
わたしたちは臆病な態度を捨てて、偽りのない信仰生活を守り抜こうではありませんか。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本の在庫はありません。
テモテの母ユニケ
=使徒行伝16章1節・テモテへの第二の手紙1章5節=
皆様方がご存知のように、テモテの母ユニケという婦人は、先に学びましたロイスの娘にあたります。彼女は、若くて熱心な伝道者テモテのお母さんです。新約聖書の中に出て来ます多くの婦人たちの中で、ことに感激させられる女性は、このユニケのお話であると思います。
ユニケの家族は、小アジアのルステラという町に住んでいました。使徒行伝16章1~2節を見ますと、そこに「彼(パウロ)はデルベに行き、次にルステラに行った。そこにテモテという名の弟子がいた。信者のユダヤ婦人を母とし、ギリシャ人を父としており、ルステラとイコニオムの兄弟たちの間で、評判のよい人物であった」と記されています。
先ず、ここで分かりますことは、ユニケがユダヤ婦人であって、ギリシャ人の主人と結婚していたと言うことであります。当時は、多くのユダヤ人が商売やその他いろいろの事情のために自分たちの国を去り、異邦の国々に住んでいたのです。ユニケは小アジアで結婚したのか、それともユダヤで結婚して、主人の仕事のために小アジアに移住したのか、その辺の事情を聖書ははっきり語っていません。いずれにしましても、ユニケと彼女の母ロイス、そしてギリシャ人の主人と愛する息子のテモテの一家族が、ルステラに住んでいたことには、間違いがありません。
次にはっきりしていますことは、ユニケは実に熱心なキリスト教信者であったと言うことです。主人は未信者ではありましたが、ユニケは実に熱心な偽りのない信仰をもっていました。それは曖昧な、なまぬるい信仰ではございませんでした。
テモテへの第二の手紙1章5節をご覧になりますとよくわかります。すなわち、「また、あなた(テモテ)がいだいている偽りのない信仰を思い起こしているこの信仰は、先ずあなたの祖母ロイスとあなたの母ユニケとに宿ったものであったが、今あなたにも宿っていると、わたしは確信している」とございます。
偶像崇拝や迷信に満ち溢れています小アジアにおいて、真の神を信じ、キリストだけを信じて、キリストによる救いにあずかり、この唯一の福音を先ず自分のものとし、次ぎにこれを愛する子供に教え、その上、多くの人々にも信仰の証をしたのは、正にこのユニケでした。彼女の境遇はある意味では、今日の日本のクリスチャン婦人の境遇にもよく似ているように、私には思えます。彼女が迷信と偶像に満ちた国の中に置かれていましたように、現代の日本のクリスチャン婦人も異教と偶像と迷信の内に包まれ、囲まれているのです。また多くのクリスチャン婦人は未信者と結婚しているのです。その良し悪しは別としましても、そのためにいろいろと大きな問題が起こってまいります。
第一は、日曜日の聖日礼拝の厳守が、非常に難しい事情に陥りがちです。奥さんの方が礼拝を守りたいと望んでおられましても、サラリーマンの未信者の主人は、せっかくの日曜日だ、朝ぐらいゆっくり寝たいといって、なかなか頭をあげてくれません。もしも主人が起きた時、奥さんが教会に行って留守にでもしてしまいますと、それは大変です。
そこで、どうしても自然と礼拝に足を運ぶことが億劫になり、礼拝に欠席するのが習慣となってしまいます。ご主人の協力が得られるか、得られないかは、信仰生活にとって、極めて大切なポイントであると申せましょう。
第二に家庭礼拝を守ることも困難だと思います。クリスチャンの奥さん一人だけで、家庭礼拝を守ることは、なかなか勇気のいる仕事です。また日本の習慣で、クリスチャンの奥さんが教会の集まりなどにしげしげと足を運んだり、外出いたしますと、近所の人たちの話題の材料とされ、良くは言われないで、とかく悪い評判を立てられます。今では日本の国情も随分と変わり、大都市ではそのような傾向がなくなりつつあるようですが、一歩田舎に足を入れますと、まだまだ封建的な思想や習慣が残っていまして、昔と少しも変わらぬものが非常に根強いと言われています。
こうして実際問題を、目の先に見せつけられています日本のクリスチャン婦人は、どうしたらよいのでしょうか? ここで、ユニケのあの確固不動の強い確信に満ちた信仰態度に学ぶべきだと存じます。
先ずクリスチャン婦人は、自分の置かれている周囲の環境に妥協しないことです。静かに子供たちを集め、毎日聖書を読み、讃美歌を歌い、神に祈りましょう。子供と共に聖書を読むことと、祈ることは、クリスチャンであります母として、一番大切な役目なのです。多くのお母さんたちは、子供の学校における成績が気にかかり、健康状態には実に神経質過ぎるほど敏感で骨をおられます。けれども、子供の根本的なこと、精神の成長と進歩につきましては冷淡なほどまでに実に無関心でおられるようです。
第三には、家族のために祈ることであります。あなたの熱心な祈りによりまして、聖霊が頑固一徹な家族の人たちの心を砕いて下さいます。お母さんの祈りによって、神様に導かれました青年の例などは、数えますなら限りがありません。
さらに、クリスチャン婦人たちは、洗礼を受けました時、神様の前でいたしました約束を絶えず思い出して、その約束を守るべきであります。その内の一つが教会の集まりに熱心に出ることであります。
よく祈って、謙遜な態度で、このことをあなたのご主人に説明し続けられますなら、必ずご主人は理解して下さることでしょう。このような努力こそ、偽りのないキリスト者の取るべき態度であると存じます。妥協のない、偽りなき信仰生活を守り続けるクリスチャン婦人こそ、日本のキリスト教会の土台となる方々であろうと存じます。
「・・・神がわたしたちに下さったのは、臆する霊ではなく、ちからと愛と慎みとの霊なのである。だから、あなたは、わたしたちの主の話しをすることや、わたしが主の囚人であることを決して恥ずかしく思ってはならない。むしろ、神の力に支えられて、福音のために、わたしと苦しみを共にしてほしい」(Ⅱテモテ1:8~9)。
わたしたちは臆病な態度を捨てて、偽りのない信仰生活を守り抜こうではありませんか。
ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本の在庫はありません。
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書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円