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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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a58ecec4.jpeg 「ローマ人への手紙」研究 (100)
 第57課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
F 神のユダヤ人拒否は最終的なものではない。何故なら、彼らの多くの者がキリストへ立ち帰るからである。
       11章11~36節 (12)

 『すると、あなたは「枝が切り去られたのは、わたしがつがれるためであった」と言うであろう。まさに、そのとおりである。彼らは不信仰のゆえに切り去られ、あなたは信仰のゆえに立っているのである。高ぶった思いをいだかないで、むしろ恐れなさい。もし神が元木の枝を惜しまなかったとすれば、あなたを惜しむようなことはないであろう』(11・19~21)。

 ここでパウロは、異邦人キリスト者の側において起こりやすいもう一つの傲慢に対して警告しています。異邦人キリスト者は良いオリブの木に接がれることによってのみ、すべての霊的幸いが自分たちの元に来るということを承認しても、さらに彼らがユダヤ人という枝を切り去られたのは、彼ら異邦人キリスト者が接がれるために他ならなかったのだとして、傲慢な態度をとる傾向があります。彼らは、神が良いオリブの木の中に彼らが入る余地を残されたのは、彼らの所有する何か良い点とか、何か価値があることの故であったと考えやすい。

 しかし、ユダヤ人という枝が切り去られたのは、彼ら自身の不信仰の故であって、異邦人たちのどの様な良い点に基づくものではないというのが真実なのです。彼らユダヤ人は救い主としてのイエス・キリストを拒みました。その故にこそ、彼らは切り去られたのです。そして、異邦人キリスト者は神の恩恵によってのみ、彼らの救い主としてイエス・キリストを信じるようにされたのです。
 ユダヤ人たちが不信仰の故に倒れた所に、彼ら異邦人キリスト者は信仰によって立てられたのです。ここで、パウロは誰であれ、神との契約関係を保ち得る唯一の方法は、信仰によるのであるということを教えています。救いに至る信仰を持つ者は、良いオリブの木の中にあるのです。救いに至る信仰を欠く者は良いオリブの中にはなく、切り捨てられてしまうのです。

 もちろん、異邦人キリスト者は、彼らの信仰は自分自身の業であり行為であるから、それについて保証を求めることが出来ると、あえて主張するかもしれない。一方において、彼らは自分自身には何らの完全な義を所有しないことを認めながら、他方で、彼らは信仰を持っていると主張し、その信仰は自らの意思に基づいて持ったものであり、ユダヤ人たちがキリストを退けるのに対し、自分たちはキリストを受け入れたのであるから、当然、その信仰を功と認められるべきであると主張するかもしれません。
 しかし、明らかにパウロの時代、異邦人キリスト者たちはそのような主張はしませんでした。何故ならば、パウロはそれに答えようとはしていないからです。実際には、ペラギュウス主義やアルミニウス主義の誤りは、後世において出現してきたものです。これらの考え方は、パウロの時代には存在していなかったのです。その信仰の保証を求めるというような考えは、パウロの時代の異邦人キリスト者には決してなかったことです。勿論、パウロが信仰に立つ立場を誇る立場と対比的に述べているとき、救いに至る信仰とは、神が値なしに与えてくださる恵みを受け取ることであると言う聖書的な考え方を心に持っているのです。

J.G.ヴォス著
 玉木  鎮訳
 (日本キリスト改革派引退教師)
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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 「著者のことば」
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おすすめ本
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鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
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おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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