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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(44)

紫布の商人
 ルデヤ
      =使徒行伝16:11~40=

 昔、ギリシャのピリピという町に、ルデヤという婦人が住んでいました。彼女は生まれながらのギリシャ人ではありませんでしたが、長い間ローマ帝国の有名な植民都市であるピリピに住んで、商売を営んでいました。使徒行伝16章14節にありますように、ルデヤの故郷は小アジアのテアテラでありました。この町の名産は紫布と染料です。
 ルデヤは自分の故郷で出来たこの特産品をピリピに輸入して、自分の店で売っていたようであります。この意味で、彼女は商売をしておられます多くの多忙な日本の婦人と同じ環境におかれていると思います。日本の商売をしておられます家庭の婦人方が、お茶やお花のお稽古をする暇がないように、ルデヤも忙しい日々を送っていたことでしょう。
 しかし、この聖書の箇所を注意深く読んでみますと、ある面において、彼女が多くの日本の店を持たれる家庭の婦人と違った所があることにお気づきと思います。それは何でしょうか。このルデヤは安息日には、必ず、店の戸を閉めて教会の礼拝に出かけたことであります。13~14節に「ある安息日に、わたしたちは町の門を出て、祈りの場があると思って、川のほとりに行った。そして、そこにすわり、集まってきた婦人たちに話した。ところが、・・・ルデヤという婦人が、聞いていた」とあります。
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 皆さんも知っておられるとおり、ここに記されている、「わたしたち」とは、使徒パウロとシラスであります。この二人の伝道者は数日前、ピリピへ伝道に来ていて、安息日になったので、彼らは町の門を出て、青々とした草原の川のほとりに座って、集まって来た婦人たちに向かって、主イエス・キリストによる罪からの救いと許しのお話をしていました。ルデヤもその中に座ってその話を聞いていたのです。もしも彼女に安息日を守る習慣がなかったなら、彼女の生活には大きなマイナスが生じたと同時に、またとないこの機会を逃したことでありましょう。幸いにもルデヤは真の神を知って、主の戒めを守っていました。その戒めの一つは、十戒にあるように「安息日を覚えて、これを聖くせよ」であります。

 日曜日をただ自分だけのために用いている人々は、神の戒めの一つを破っているばかりでなく、せっかく神が与えようとしておられるお恵みを拒否しているのであります。僅かな利益を得るために、永遠のいのちの恵みをなくすことは、人間の愚かな所であります。

 創世記25章にあります、エソウとヤコブのお話を、もう一度よく読んで下さい。この世の多くの人々は、エソウのようにパンとレンズ豆の煮物を長子の特権よりも重んじ、神の子としての唯一の特権(神の世継ぎの権)を捨てて、この世的な欲望が、生活の中心となっているのです。あなたがたは、神中心の生活を送り、主の日といわれます日曜日を、清く正しくお守りになっているでしょうか。

ルデヤの話から、さらに教えられますことは、彼女の素直な心であります。主は彼女の心を開いて、パウロの語る言葉に耳を傾けさせ給いました時、彼女もその家族もすぐに洗礼を受けた、と聖書にあります。これは実に素晴らしい信仰告白の行為ではないでしょうか。その当時、ピリピの町には教会もなく、唯一人のクリスチャンもいなかったのであります。しかし神様が、パウロの言葉を通し、聖霊によってルデヤの心に働き給うた時に、彼女は直ぐに決心して、罪を悔い改め、主イエス・キリストを自分の救い主として受け入れたのです。何年も何年もキリストのお招きに与りながら、それに応じない人々の態度は、ルデヤと全く対照的であると言えます。

ルデヤは洗礼を受けると、直ぐに使徒たちを自分の家へ招き、彼らの世話をした点、実に教えられるところがあります。ピリピの町はずれの川辺の集まりで、パウロを通していのちのみ言葉を聞いた婦人の内で救われたのは、ただ一人ルデヤだけだったのでしょうか。
しかも、このルデヤがキリスト者となった結果、キリスト教会が、ヨーロッパに初めて出来たのです。ただ一人の婦人の信仰から、ヨーロッパ全体がキリスト教へ移って行く大運動が起こされたといってもよいでしょう。

愛する読者の皆様、あなたは何度もキリストからのお招きをお受けになっているのに、それを受け入れなかったことはないでしょうか。今日、もう一度、神様があなたに迫っておられます。どうか、ルデヤのように心の戸を開いてみ霊を受け入れ、キリストによる救いを自分のものとされますようにお勧めいたします。
 
 ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本の在庫はありません。
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
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「つのぶえ社出版の本の紹介」
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