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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(47)

アタリヤとエホシバ
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=列王紀11章・歴代志下21章=

 ここでは、二人の女性について学びましょう。その一人はユダの王アハジヤの母アタリヤであり、もう一人は、アハジヤの妹エホシバです。この二人は性格が正反対でアタリヤは毒婦型、エホシバは信仰的な賢婦人でした。
 先にイゼベルについて学びましたから、読者は覚えておられると思いますが、このお話のアタリヤは、そのイゼベルの娘です。
 ユダの王ヨシャパテが王子ヨラムの嫁に、どうしてこのような女性を妻として迎えたかは、はっきりわかりませんが、多分ユダ、イスラエル両国の政略結婚ではなかったでしょうか。このアタリヤは、母イゼベルの悪い性格をそのまま受け継いだといってもよいほどです。彼女は自己中心主義者で大きな罪を犯しました。歴代志下21章6節を見ますと「彼(ヨラム)はアハブの家がしたように、イスラエルの王たちの道(偶像崇拝)に歩んだ。アナブの娘を妻としたからである」とあります。
 ヨラムと、イスラエルの王の娘アタリヤとの結婚は、大変な失敗でした。この聖書の言葉は、ヨラムの政治の失敗が、アタリヤとの結婚に基づくことを明らかにし、未信者または異教徒との結婚が信者の家庭に、どんなに悪影響を及ぼすかを示しております。
13-8-tao.jpg 当時、イスラエルはイゼベルによって持ち込まれたバアル崇拝により、国の風紀が乱れ、そのうえ外患があって民は塗炭の苦しみをなめていました。この恐ろしい罪が、アタリヤによって、ユダの国にも取り入れられたのです。ユダの国のために惜しんでもあまりあることでした。イスラエルの王アハブが、イゼベルの願いによって、国中にバアルの宮を建てたようにユダ王ヨラムも、アタリヤの要求に従って、国中にバアルの宮を建てたばかりか、「彼はまたユダの山地に高き所を造って、エルサレムの民に姦淫を行わせ、ユダを惑わした」(歴代志下21・11)と聖書にあるとおり、国民に偶像崇拝を強要したのです。しかも、それだけではなくヨラムが自分の兄弟をも殺すに至ったのは、アタリヤの悪だくみと言われます。
 預言者エリヤは、この大きな罪を黙って見過ごすのに忍びず、王に手紙を送って、彼の偶像崇拝と殺人の罪を責め、「主は大いなる災いをもってあなたの民と子供と妻たちと、すべての所有物を撃たれる」(歴代志下21:14)と、預言いたしました。
 その預言は、直ちに現れて、ユダはぺリシテ人の襲撃を受け、ヨラム王家の財産は奪われ、妻子は捕らわれてしまい、王は悪病に倒れてしまいました。
 ユダはその子アハジヤが王となりましたが、この悪い性質を父より受け、王に感化され、偶像に走っております。この大罪は決して許されるはずがなく、彼は在位僅か一年でイスラエル王エヒウに滅ぼされてしまいました。この戦乱でアタリヤの悪女振りはいよいよ露骨となり、彼女はアハジヤ王が滅ぼされたと知らされると、この子たち(自分の孫)をことごとく殺して、自分が王位につこうと決心したのです。
 世の中に自己中心主義ほど、罪に陥りやすく、恐ろしいものはありません。アタリヤは自分の栄華のためには、孫たちを殺してもはばからないのです。この危機に出てくるのが、アハジヤ王の妹である、賢婦人エホシバです。
 彼女は、アタリヤの悪だくみを見破って、王子のうち未だ幼いヨアシを、殺されようとしている王子の中から救い出して、乳母とともに一時、王宮内の寝室に隠し、その難を逃れさせました。その後、彼女は幼いヨアシを自分の夫である祭司エホヤダの家に匿いました。聖書には、「ヨアシは乳母と共に6年間、主の宮に隠れていた」(列王紀11:3)とあります。死の危険にある王子を敵の手から救い出すエホシバの行動は、機知と勇気を必要とする仕事で、まことの神を信じる者だけが出来ることです。
 ヨアシがエホヤダのもとに隠れて7年目、祭司エホヤダは、近衛の将軍たちを集めて、アタリヤの王位を奪った不法と、残忍な彼女の非行を厳しく責め、王子ヨアシを示して、彼に王位回復の誓いをさせ、いろいろの計画を授けました。この計画は間もなく実現して、安息日に各将兵は決起いたしました。アタリヤは難を逃れようとしましたが、近衛の将兵のために、路ばたで討たれてしまいました(11:13~16)。ここにおいて、エホヤダは若い王子ヨアシに油を注ぎ、王であることを宣言し、民は王の万歳を叫んだとあります(11:12)。
 
 特に注目すべきことは、この時、エホヤダが将兵に誓わせて、バアルの像を打ち砕かせたことです。このお話は多くの教訓を与えます。
1 神の変わりなき摂理について。
 エホシバに信仰と機知と勇気がなければ、奸婦アタリヤの計画は成功し、ダビデの血統は中断して、メシヤの来たりたもうことはどうなったでしょうか。神はエホシバに信仰と能力を与えて、これを用い、御自分の変わらない摂理を成就なさったことを覚えましょう。
2 神は、神を愛し、神に仕える人々を用いて、御自分の御計画を成したまいます。
 エホヤダとエホシバの宮と祭壇を打ち砕かせたのは、神の御計画でした。私たちも、このエホシバと同じく、神の御用に用いられるよう、身も心も、神に捧げたいものです。
3 神の義は、時の力よりも大である。
 アタリヤは、その時、王位にあって、大きな政治力をもっていましたが、エホヤダ夫婦の信仰に基づく正しい態度と、神の義には敵すべくもなく、はかなく滅亡してしまいました。この世の現状を見ますと、無神論の力が世をおおっているような観があり、失望せざるを得ませんが、最後の勝利は神の義にあることをこの話は物語っております。神を信じて進みましょう。

 ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本の在庫はありません。
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