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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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  その愛のゆえに

   =時々の記=

    (91)

 

9月12日

母の献体は、長兄が医学部に入るときに、とても金銭面で苦労したといっていました。母が働いて兄の学費を工面したこと。父親は養蚕業を営んでいたが、破たんして塩尻から上田まで、家族7人で出てきたのです。母親は父に代わって仕事に出て働き続け、弟が小児まひでなくなるその日にも勤めに出かけて行き、子供の死に目に会えなかったと私たちに漏らしていました。そのような幼青年期を質素倹約で貫き通した母は、我慢することを知ったといいます。そして、母の姉が神経の病になってからはキリスト教に救いを求め続けたといっていました。父親もお前の信じているキリスト教が病を治してくれるなら耶蘇教に反対はしないといって、教会へ行くのを許してくれて、とてもうれしかったと言っていました。その姉は母のあとを追ってキリスト教へ入信いたしました。でも兄は信者になりませんでした。

母が学費を兄に仕送りするたびに、兄からお礼のはがきが届き、その中に、献体をしてくれる人のおかげで、勉強がはかどるといっていたとのこと。その兄の遺志を継ごうとしているようです。

そして自分が死ぬときに、もし医学のお役にたてるなら、献体をしたいと言い続けてきました。ですから母の意思を尊重して私たちは献体をしようと考えています。貧しさに耐え続けた母ですが、天に召されようとしている今、とても明るいのです。イエス様が共にいて下さるんだから、何もこわくないのよ、とお世話してくれるヘルパーさんに話しかけていました。

母は、10年ほど教会の礼拝には出られませんが、いつも心の中で祈り、賛美し続けていたことがよく理解できます。そのような母の姿をジャーナルに載せてやってください。一人の信仰者の証になると思います。

 

9月13日

母と讃美歌515番を賛美していると、私たちの後ろで一緒に賛美されている声が聞こえるではありませんか。ふと見上げると、施設のケアマネージャーさんです。この讃美歌ご存じなのですか?とお尋ねすると、私は東京のミッションスクールの短大を出ています。讃美歌は折にふれ、思い出しては口ずさむのです、と答えられました。誰も知らない施設の中に小さな賛美の輪ができたことは神様のお恵みと感謝いたしました。

このことを兄に知らせると兄もとても喜んでいました。

 

9月14日

こちらは台風の影響で、雨風が激しいので、今日は名阪を通るのを休みました。教会の三人の長老さんたちの門安を受けたとのことでした。

教会では70歳以上の方たちに敬老の日のお祝いを下さるということです。主人もあと一年で70歳ですからその群れになります。

 葛の花、零るる雨のあとの道。

 秋雨にノアの方舟ふと思ふ。

 朝顔のあまた咲きたる、日数かな。

 風の萩小形の蝶を通ひをり。

 一病で得し息災や百日紅。       馬場路哉

 

9月19日

施設から兄が呼び出されて私も一緒に行きました。母はどこも内蔵が悪くないのだけれど、高齢で、まさに老衰そのものです。いつお亡くなりになられてもこちらで最後までみとらせていただきますとのこと。ほっといたしました。具合が悪くなったり何も食べられなくなったりすると違う病院へ転院させられることがあるそうですから。

私たちは、神様がともにいてくださって召されるその日まで、平安でありますようにと祈っています。

昨日姉とも電話で話しましたが、信仰を与えられたことに感謝するねと。兄も口にはしませんが心の中で信仰を持って生きることができたことに感謝していることと思います。

今朝散歩で昨日までは気が付かなかったのですが、彼岸花が土手に真っ赤に咲いていました。

自然は季節の移り変わりを私たちに教えてくれています。コスモスも咲いて、もうすっかり秋の気配の山添です。

 

9月20日

上野緑ヶ丘教会から、H牧師のお母様と母に(同じ施設に入所)敬老の日のお祝いとして、お花が届けられました。母はやはりとても喜んで、牧師先生が来てくださったと伝えますと、まあうれしい・・・と喜び、実はまったく食欲がなく、主治医が案じていたのですが、今日は少し食べられるようになっていました。

教会って聞いただけで頬がポッと赤くなり喜びを表現いたします。教会からのお見舞いがよほどうれしかったのでしょうね。私はそのお礼を言うために、礼拝に駆けつけ、みなさんに感謝の気持ちを述べました。

母は、この10年余り礼拝に出ることはできませんでしたが、神様にいつも祈りを捧げ賛美をしていました。そして牧師夫人として子供の私が言うにはおこがましいのですが神様と教会に仕えた人生でした。教会での葬儀は本人と私たち子供たちの意思でいたしませんが、神様がいつも私たちをおそばにいてくださるから、形式にこだわらなくてよいといっていますと、これだけのことを言うだけですのに、なぜか、母の労苦が私の頭をよぎって言葉になりませんでした。

 

9月27日

施設の入り口にコスモスが花瓶いっぱいに飾られていました。そのコスモスに目をやるだけでも、優しい気持ちになることができました。お花にこのような力があるのだとはっとさせられたひと時でした。

 草の葉の露から露へ蝶移る。

 萩ススキ眺めし後の月見かな。

 椿の実照りて天気の定まりぬ。

 伊賀よりの道八方に草紅葉。

 アべリヤの花取り囲む施設かな。       馬場路哉。

 

10月9日

台風の影響は大丈夫でしたでしょうか。こちらは非常に激しい雨が午前中降り続けました。

母のところへ行くのをやめようかと躊躇いたしましたが待っているだろうと安全運転で行ってきました。やはり、いつも他人の中でいるので、身内が行くととてもリラックスできるのか嬉しそうです。今朝は、大雨が降りだし、あわてて洗濯物を取り入れようとして転んで顔面を打撲してしまいました。年のせいでしょうか、この頃足がまったく思うように上がらずに転ぶことが多いです。施設へそのままの顔で行きますと、親切な看護師さんが痛々しいからといって、消毒をして、リバテープを張って処置をしてくださいました。このような親切を受けて感激いたしました。

帰りの高速の名阪で前の車が急に横転し左側にひっくりかえってしまいました。運転されていた方は少しのけがでしたが、やはり雨はスリップするのでよほど気を付けないといけないと思わされた一日でした。

 

  馬場暁美

(上野緑ヶ丘教会員)

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書籍紹介
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ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
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東京大学大学院法学政治学研究科教授
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富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
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      d6b7b262.jpg
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発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
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「つのぶえ社出版の本の紹介」
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