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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 ビルマ

  戦犯者の獄中記  (52)  遠山良作 著

昭和22年

9月4日

 タキン党事件の判決と裁判・・2・

 この事件を担当した、外山林一弁護士の調査報告記録によると、

 「本件の被疑者の内、補助憲兵安倍曹長と酒井軍曹はかつて田島少佐の部下でありました。それで田島少佐はその二人に対し、お前たちも何か戦犯の容疑があったら俺に話してみろ、俺が力になってやると、さりげなく話した。安倍曹長と酒井軍曹は、かつての上官であった田島少佐が、まさか英軍のスパイであろうとは夢にも知らず、二人は田島少佐に対し、本件のビルマ人26人を憲兵がトラックに乗せてチャイマロ山中へ連れて行き、日本刀をもって首を斬って殺した状況を詳しく話しました。

 田島少佐は二人から聞いた事実を直ぐに英軍調査官ダスチュゲス少佐に知らせたのです。同調査官は、安倍曹長を呼び出し、印度人通訳ワタン(戦時中日本憲兵の通訳)を使って取り調べました。安倍曹長はその取調べ内容から田島大佐に話した事実を密告されたことを悟りましたが、頑として否認しました。

 同調査官は止むを得ず取調室に田島少佐を呼び入れて、二人で安倍曹長を詰問しました。同調査官や田島少佐は「お前が最後まで否認するなら絞死刑だ。お前が自白しても検事側の証人には立てない。それのみか自白すればお前だけはすぐに日本に帰してやる」と脅迫、誘引、約束により自白を強要しました。

 安倍曹長は相当頑張りましたが遂に調査官に対して自白し、自白調書に署名指印しました。酒井軍曹も同じような取り調べを受けて自白し、詳しい供述書が作成されました。その翌日、安倍曹長と酒井軍曹は、ジープに乗せられ、調査官や田島少佐たちと事件現場であるチャイマロの山中に案内しました。二人は26人の死体を埋めた3箇所を指示しました。人夫がその3箇所を掘り起こすと合計26個の頭蓋骨が現われました。

 調査官はこれらを全部写真撮影し綿密な検証調査書が作成されました。調査官はその後も安倍曹長と酒井軍曹を取調べ、事件に関係している18名の被疑者等の行動を被疑者別に箇条書きにした供述の内容と、酒井軍曹の供述書が殆んど一致しておりました。

 事件の真相を把握した調査官はこれらの証拠を基にして、その他の被疑者を厳しく取り調べました。被疑者の将校4名と下士官2人を除き、全員が自白し、供述書が作成されました」。

*この文章の転載はご子息の許可を得ております。

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
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…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
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鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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