忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

さんびか物語・・・19・・・

    (広く愛唱されている50曲)・・・18     

 ポリン・マカルピン著

    (米国南長老教会婦人宣教師) 

讃美歌192番

 ああなつかし いのちをもて

<神様のみ言葉>

「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたようにあなたがたも、自分の妻を愛しなさい。キリストがそうされたのは、みことばにより、水の洗いをもって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、ご自身で、しみや、しわや、そのようなものの何一つない、聖く傷のないものとなった栄光の教会を、ご自分の前に立たせるためです」。

~エペソ人への手紙5章25~27節~

 神の家である「教会」をテーマにして歌っています多くの讃美歌の中で、192番のこのああなつかし、いのちをもて、あがないたまいし主のみとのやは有名であります。その理由の一つは原作の素晴らしさにあります。また、この歌はアメリカの最初の公認讃美歌であると共に、世界に貢献した秀歌でもあります。

讃美歌192番の原作者ティモシ・ドワイト(1752~1817)は、イギリスの植民地であった当時のアメリカの精神的指導者でした。彼は有名な伝道者ジョナサン・エドワーズの孫として、マサチューセッツ州のノースハンプトンに生まれ、4歳で聖書を、6歳でラテン語の勉強を始め、13歳でイエル大学に入学し、17歳で卒業したという秀才でした。

彼は、しばらく母校で教えていましたが、1775年の独立戦争が起こった時に、アメリカ独立軍付牧師となりました。戦争の間、彼は礼拝と説教のほかに、兵士たちを慰め励ます詩や讃美歌を数多く書いたそうです。

1795年には母校イエル大学に招かれ総長に就任しました。そうして、20年の間、特にドワイトの深い信仰によって数多くの学生が神様に立ち返り学校の精神は無神論から神様を信じる信仰へと変えられていきました。

彼の教育家・著作家としての功績には著しいものがあります。讃美歌の方面ではコネチカット州の長老教会当局から、アイザック・ウォツの歌集(Psalmsand Hymns)の改訂を委任され、完成させました。この改訂は実質的にはドワイトの創作と変わらないものです。この歌も詩編137編にもとづいていますが、その内容はドワイトによって新約化されています。また、この讃美歌は1800年に出版・発表されましたが、現在に至るまでアメリカやイギリスの教会で愛唱されているものであります。

讃美歌192番の曲STATE STREETの作曲者はアメリカ人のショナサン・C・ウドマン(18131894)で、彼は1840年頃、ボストンで有名な音楽家ロウエル・メイスンと知り合いになり、この頃からオラトリオの独唱者として活躍したそうです。1880年以降は、ニューヨークやブルックリンで音楽を教える傍ら、教会のためにも活躍した人物であります。讃美歌192番はアメリカではSTATE STREETの他にST・THOMASという曲にも利用しています。ご参考のために讃美歌63番のいざやともよ542番の世をこぞりてなどをご覧ください。やはり、日本語訳の場合には、ST・THOMASよりもSTATE STREETの方が歌詞によく合うように思います。

この讃美歌の原作は、8節からなっていましたが、現在アメリカでは5節と6節が省略されて用いられています。日本語訳はさらに7節も省略して、結局1節~4節と8節が用いられているに過ぎません。

<192>

1 ああなつかし いのちをもて

  あがないたまいし 主のみとのや。

1節では、いのちをもて、あがないたまいし主のみとのやすなわち、教会について歌っています。原作で作者は、教会を「神の家」「神の住んでおられるところ」と言っています。またわれらの聖き救い主が、ご自分の尊い血をもって、この教会を救って下さったが故に、教会を深く愛していると歌っています。

エペソ人への手紙525節以下にありますように「キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、・・・キリストがそうされたのは・・・教会をきよめて聖なるものとするためであり、・・・」と記されていますように、私たちもこのように教会を愛さなければならないと思います。

 2 軒はたかく 床はひろく

   いしずえうごかじ 主に置かれて。

2節では、教会のあらゆる部分軒、床、その石ずえは主イエス・キリストの上に置かれているのですから、この世のどのような力が迫り来るとも、決して揺るがすことは出来ないと歌っています。

使徒パウロは若い弟子テモテに次のように教えています。「神の家とは生ける神の教会のことであり、その教会は真理の柱また土台です」(テモテ3:15)。真理の上に建てられ、真理を宣べ伝えるキリストの教会は、決して滅びることはありません。ここで思い起こさせるのが、キリストのペテロへのお言葉であります。「あなたはペテロです。わたしはこの岩(キリストを救い主として受け入れる告白)の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません」(マタイ16:18)また、マタイの福音書724節以下にある、砂の上に建てられた家と岩の上建てられた家の譬話をご自身で一度お読みになって下さい。そこでは、キリストのみ言葉を聞いてそれを行う人、それを信じる人は、岩の上に建てる賢い人のようである、とお教えになりました。

あなたの生活は、キリストとその教会という土台の上に建てられていますか。

 3  わがなみだ これにそそぎ

    いのりののぞみも これにかかる。

3節には私たちばかりではなく、全人類の涙も祈りも望みも全てキリストとその教会にかかると歌っています。すなわち、私たちの全ては、キリストのものであり、キリストのためにのみ奉仕が出来るように与えられていると言うことでしょうか。また、私たちの涙も苦しみも全て、キリストの教会に注がれる時、暗黒から希望へと変えられると歌っているかのようであります。

自分の都合のみを考える一般の人と、全てを神様に捧げる人の生活とではどんなにか大きな隔たりがあることでしょう。

「私は主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、いっさいのことを損と思っています。私はキリストのためにすべてのものを捨てて、それらをちりあくたと思っています」(ピリピ3:8)と使徒パウロは告白しています。

私たちもこの告白を主イエス・キリストに捧げたいものです。

 4 わがよろこび ほかにあらじ

   たのしきまじわり きよきちかい。

4節では、教会で行う聖餐式また洗礼を受ける時のきよい誓いと主にある聖徒の楽しい交わりを中心にして、歌っています。まことの喜びは、このような主にある者たちの信仰に立った交わりの中にのみ、味わい知ることが出来ると、強調しています。罪から解放されている私たち信者は、心から喜ぶはずではないでしょうか。「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい」とピリピ人への手紙4章4節に言われていますが、このみ言葉の中心点は言うまでもなく‘主にあって’であります。主を知らぬ者には、まことの喜びは知り得ません。

 5 かみのまこと つきぬかぎり

   いのちのいずみは ここにぞ湧かん。

5節では、神様は永遠から永遠にいたるまでの存在者であることが讃美されています。ウエストミンスター小教理問答書の問4の答えにありますように、神様は「無限、永遠、不変の霊」であられます。この神様の本質と同様に、神様の真実も決して終わりのあるものではありません。むしろ、その望み、恵み、いのちは泉のように湧き出でるのであります。

神様のみ言葉である聖書、また、神様の家である教会の中で、神様のご本質は湧き出で光り輝くのであります。

イエス様が私たちにお約束くださいましたみ言葉を信仰を持って受け入れ、持ち続けましょう。

「わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます」。(ヨハネ4:14)

  *****************  

­­­=この「さんびか物語」は「つのぶえ社」の出版(第一刷1974年、第二刷1992年)で、出版社の許可を得て掲載しています。本の購入を希望される方は、「つのぶえ社」までご注文ください=

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]