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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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  解説 ウエストミンスター信仰告白 (41)

   岡田  稔著

  (元神戸改革派神学校校長)

第19章 神の律法について・・3・・

6 まことの信者は、わざの契約としての律法の下におらず、それによって義と認められたり罪に定められたりはしないが(1)、それでも律法は、彼らにも他の人々にも同様に、きわめて有用である。すなわち生活の規準として、神のみ旨と自分の義務を知らせて、ふさわしく歩くように彼らを導き、束縛し(2)、また彼らの性質・心・生活の罪深い汚れをあらわに示し(3)、彼らはそれによって自分を検討して罪をさらに認め、罪のために謙そんになり、それを憎むようになる(4)。それと共に、キリストとその完全な服従についての自分の必要を一層明白に悟るようになる(5)。律法はまた同様に、再生した者にとって、罪を禁じている点で彼らの腐敗を制御するのに有用である(6)。またその威嚇は、彼らが律法に成髄されているのろいから解放されているとはいえ、彼らの罪でさえも何に価するか、また罪のためにこの世でどんな災いを期待すべきか、を示すのに役立つ(7)。同様に律法の諸約束は、服従に対する神の是認と、それを果たした場合、わざの契約としての律法によって彼らに当然のこととしてではないが(8)、どのような祝福を期待できるか、を示す(9)。それで、人が善を行ない、悪をやめることは、律法が一方を奨励し他方をとめているゆえ、彼らが律法の下にあって恵みの下にいないということの証拠にはならない(10)

  1 ロマ6:14、ガラテヤ2:16、ガラテヤ3:13、ガラテヤ4:4,5、行伝13:39、ロマ8:1
  2 ロマ7:12,22,25、詩119:4-6
コリント7:19、ガラテヤ5:14,16,18-23
  3 ロマ7:7、ロマ3:20
  4 ヤコブ1:23-25、ロマ7:9,14,24
  5 ガラテヤ3:24ロマ7:24(*)、ロマ8:3,4
     *ロマ7:24,25が正しい
  6 ヤコブ2:11、詩119:101,104,128
  7 エズラ9:13,14、詩89:30-34(31-35)
  8 ガラテヤ2:16、ルカ17:10
  9 レビ26:1-14
コリント6:16(*)、エペソ6:2,337:11、マタイ5:5(**)、詩19:11(12)
     *レビ26:1-14
コリント6:16と比較
     **詩編37:11をマタイ5:5と比較
  10 ロマ6:12,14
ペテロ3:8-12、詩34:12-16(13-17)(*)、ヘブル12:28,29
     *
ペテロ3:8-12を詩34:12-16(13-17)と比較

六 ここでは、信者に対する律法の効用が具体的に列挙され、また、福音との調和関係が主張されている。福音と律法を性質的と使命的というように対立関係と見ることは、まったく聖書に反する見解である。対立するのは罪と恵みであり、律法の「業の契約上の救いの手段としての効用」は「律法が肉により無力になっているためになし得なかった」(ローマ8:3)とある通り、今や役立たなくなったために、福音がこれを補う役割を果たすのである。また、律法の呪いから、わたしたちは解放されただけでなく、業の契約はキリストにおいて成就されたという意味で、今は、わたしたちは、その要求を救いの条件として義務づけられてはいない。しかし、福音は罪の赦しをわたしたちにもたらしても、罪の現実的支配力から、ただちに解放したわけではない(この意味はローマ人への手紙7章14節の「わたしたちは罪の下に売られているのである」と言われている)。

さらに、根本的なことは、律法がわたしたちに「強制力」として働くことになったのは、罪によって、わたしたちが神の意志にさからったためである。本来ならば、律法は「喜ぶべきもの」であって、「嫌悪の対象」ではなかった。ところが、堕落によって、人間は、「罪=反律法的なこと」を好み、「律法=すなわち神の意志」を嫌うようになったのである。しかし、義とされた信者の新しい心は、再び「律法を喜びであるために愛し」「罪を悪として憎む」に至った。

信仰に入らないうちは、アハブ王のように「主の目の前に悪を行うことに身をゆだねた」(列王上21:25)が、信者は「義とされている者自身が、今なお『罪の下に売られている』(ローマ7:14)ことを知っている」。アハブは(罪人・生まれながらの人間)、罪のために、律法を嫌い、罪の支配下にあって生活することを浴している。信者は「わたしは、なんというみじめな人間なのだろうか」(ローマ7:24)と罪の支配下にあることを嫌い、ここより救い出されることを祈り求める者である。律法を神の意志であるとして、それを愛し、尊重するのである。福音は律法と対立せず、律法を愛させ、自発的にこれに従うように力を与え服従させるのである。

だが普通の場合は、直ちに、この転換が目に見えて現われはしない。長い忍耐のある祈りが必要である。この意味で、信者の生涯は戦いの人生なのである。くれぐれも律法主義と反律法主義の誤りに陥らないように、この章を学び味わっていただきたいものである。

スコットランド長老教会は、ウエストミンスター信条を早く採用し、特に南長老教会に最も大きな影響を与えた教会であるが、18世紀初頭、ネオノミアン(新律法主義)の流行でマロー論争と呼ばれる大騒ぎを経験した。何時の世にも福音と律法の関係を正しくとらえることはむずかしいことを示す好例である(マロー論争と言うのは「近代神学の要約」という本の再販を巡って、新律法主義と福音主義との間で戦われた大論争のこと)。

7 上に述べた律法の用途は、福音の恵みに反対せず、かえって、見事にそれにかなっている(1)。すなわちキリストのみたまは、律法に啓示された神のみ旨が行なうように求めていることを、自由に喜んでなすように、人間の意志を従わせ、またそれをなす力を与えられる(2)

  1 ガラテヤ3:21
  2 エゼキエル36:27ヘブル8:10、エレミヤ31:33(*)
     *ヘブル8:10をエレミヤ31:33と比較

七 律法と福音を二元的な対立と見る誤りは、ルター派に広く残っているが、両者の役割の相違を認めない一元的な見方は、律法主義・協力説となるので、改革派教会では、これら二つの誤りを共に否定して、福音は律法を完成するものであって廃棄するものではないことを、聖書に基づいて告白するのである。

 
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