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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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さんびか物語・・・30・・・

    (広く愛唱されている50曲)・・・29     

 ポ―リン・マカルピン著

       (米国南長老教会婦人宣教師) 

讃美歌310番

 静けき祈りの 時はいと楽し

<神様のみ言葉>

「ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか」。

~へブル人への手紙4章16節~

この讃美歌310番は、祈祷会でよく歌われている讃美歌の一つであります。

讃美歌310番の作詞者はウイリアム・W・ウォルフォードについては、残念ですがあまり知ることができません。生まれも、経歴も明らかではなく、学歴もない人であったようです。

それにもかかわらず、彼は、強い精神と記憶力との持ち主でした。彼は盲人説教者で、19世紀前半にイギリスのウォーリックシャーのコールズヒルで伝道に励んでいました。彼の説教は、聖書の言葉をほとんど全部暗記していて、それらを適切に活用してなされたと言われています。

また、ある著者は、彼はホミルトンにあるキリスト教の専門学校の助教授であったろうと言っています。それは、その学校に同名の教授が、同じ頃、17年間牧会志願者を教えてしていたこと、また、この人物は、祈りについての具体的な本を一冊出版していたからであります。1838年、コールズヒルの組合教会に招かれて、4年間、牧師の職にあったトマス・サーモンは、ウォルフォードを友人として知り、この讃美歌を、1842年に自らこの歌を書き取り、彼が帰米して後、1845年にNewYork Obeserverに発表して以来、一躍有名になりました。その後、アメリカの教会で広く歌われるようになりました。しかし、今日、次第に用いられなくなっています。

今でも熱心に祈祷会が続けられている教会で、愛唱されていますことは、喜ばしいことです。この讃美歌が歌われている限り信仰の灯は燃え続けることでしょう。

讃美歌310番の曲SWEET HOURの作者ウイリアム・B・ブラドべリは、1816年10月6日メイン州のヨークで、音楽を愛好する家庭に生まれ育ちました。その恵まれた環境に育った彼は、14歳の時ボストンに出て、音楽を専門的に学び、ボストン音楽専門学校を卒業後、彼は各地で音楽の講習会を開きました。彼は、特に子供の聖歌隊を指導するとともに、教会学校用の曲を多く作曲しています。

彼はイギリス、ドイツに留学して後59の聖歌集、讃美歌集を出版しています。彼の活躍は、多くの人々に音楽に対する興味を起こさせることにありました。また有名なブラットベリ・ピアノ会社を作り、活躍しましたが、そのために52歳でこの世を去ったのであります。1954年版の讃美歌には、彼の曲が14ほど収められています。子供のための讃美歌“主われを愛す”や199番“ わが君イエスよ、罪の身は”271番の“いさをなきわれを”280番の“わが身の望みは”などは、皆様の愛唱される讃美歌の一つと思います。

これらの讃美歌は、ともに信仰の喜びと、力とを兼ね備えたもので、この310番も、本当に歌いやすい、祈祷にふさわしいメロデーであります。

<310>

 1 しずけきいのりの ときはいとたのし

   なやみある世より われを呼びいだし

   父のおおまえに すべてのもとめを

   たずさえいたりて つぶさにつげしむ。

1節ですが、この讃美歌で気がつきますのは“静けき祈りの時はいと楽し”という言葉が、2節と3節にも用いられていることであります。

それは“祈りの時”とは、“静かに心を神様に向ける時”であり“神様との楽しい交わりの時”であるということです。心疲れ、魂に渇きをおぼえて、神様のみ前に出る時のおごそかな雰囲気と、神様との交わりの時は、本当に心楽しく喜ばしいものであります。

「祈り」は、騒がしく鐘や太鼓をうち叩いたり、大声でくどくどと祈ることではなく、心静かに、神様と語り合う静かな時でなければなりません。「祈り」は、私たちを“悩みある世より呼びい出し”て下さる、非常に大切な時であります。また、「祈り」は、私たちの“全ての求めをたずさえて”神様に“つぶさに”告げる時でもあります。

「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神様に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます」と聖書(ピリピ4:6~7)は教えています。

私たちは、どのような時にあっても、感謝をもって、神様に願い、つぶさに告げるなら、神様はあなたに、愛をもってお答えくださいます。

2 しずけきいのりの ときはいとたのし。

  さまよいいでたる わがたまをすくい

  あやうき道より ともないかえりて

  こころむるものの 罠をにおがれしむ。

2節では、人の魂のさまよえる時、危うい道を、歩んでいる時を歌っています。私たちの人生に起きる悲しみ、魂の迷い、危うき道は、悪へと導く者の罪の罠に陥っている時であり、落とし入れようと待ち構えている罠が待っている時でもありましょう。

私たちが、一歩でも正しい道からそれて歩むなら、かならず、この罠に陥り、誘惑と堕落の坂道へ落ち込んでしまうのであります。この世は、悪へといざなう罠の世であります。この世にあって生きる私たちは、自分の力だけではどのようにしても、この誘惑に抗しきれるものでもなく、その力さえもない者であります。

このように弱い私たちは、その時にこそ、祈るべきであります。主イエス・キリストは弟子たちに次のように祈ることをお教えになりました。「私たちを試みに合わせないで、悪からお救いください」(マタイ6:13)。この主イエス・キリストの奨めを心に留めて、日々、熱心に祈る者となりたいと、思わずにはおれません。

 3 しずけきいのりの ときはいとたのし、

   そびゆるピスガの 山のたかねより

   ふるさとながめて のぼりゆく日まで

   なぐさめをあたえ よろこびをみたす。

3節では、神の人モーセが長い生涯の最後を覚えて、ピスガの高嶺より、神様がモーセに約束なさったカナンの地を見せられた場面を歌っています。

モーセは荒野の旅路で、イスラエルの人々に水を求められた時、己れの力かのように岩を打って水を出させたために、神様からの裁きを受け、約束の地、カナンに入ることを許されませんでした。モーセにとって、ピスガの山から見るカナンの地は、心のふるさと、旅路の終着でした。しかし、モーセは入れません。

愛と恵みと慈悲の神は、裁きを受なければならないモーセにそびえ立つピスガの高嶺よりふるさとを見せてくださったのであります。この時のモーセの喜びは何にたとえることができるでしょうか。私たちも、「祈り」によって、私たちの前にある約束されている「永遠のいのちのみ国」を望み見ることができるのであります。私たちも、天国へ上り行く日まで、祈りによって、日々、なくならない慰めと喜びと望みを豊かにいただくことができるのであります。

私たちは、だいたんに勇気を持って、神様の恵みをいただき、時に適った助けを受けることができるのであります。

どうぞ、あなたも、この恵み、この慈悲、この助けを拒否することなく、あなたのものにいてください。

 *****************  

­­­=この「さんびか物語」は「つのぶえ社」の出版(第一刷1974年、第二刷1992年)で、出版社の許可を得て掲載しています。本の購入を希望される方は、「つのぶえ社」までご注文ください=

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