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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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ビルマ

  戦犯者の獄中記  (67)  遠山良作 著

―「メイミヨー」の公判廷―・・・2・・・

11月4日・・1・・    

―東 登大尉、中山伊作少尉の最後の日・・1・・

(これからの記事は東大尉たちの隣房にいた井出准尉が書いた記録の原文である)

 西独房10号に東大尉たちの隣房にいた井出准尉が入房していたが、印度人の所長カーン大尉の好意により中山少尉は11号に移され、東大尉の房と相応してお互いに会話が出来るようにしてくれた。

中山 「ああこれで安心した。若い者がみんな助かった。願っていた通りになり、こんな嬉しいことはない。私たちが逝った後は若い者がやってくれるから何も心配ない。だが確定の言い渡しがあってあのまま別れてしまうのはちょっと寂しかったが、所長の情によってこのように心ゆくまでお別れができることは有難かったね」

東  「うんそうだ。まったく所長の好意には感謝している」

中山 「現在のような真実に満たされた心境で明朝絞首台に上りましょう」

東  「うん、仏印以来ずっといっしょだし、またいっしょに散って逝くあの世までしっかり手を握って満ちた心で逝く、若い者が助かり責任者の俺たちが逝くのだが俺一人で済むと思っていたが、今の君の気持の立派さを聞いてこんな嬉しいことはない。俺もやっと安心した」・・・中略

中山 「分隊長どうでしょうか、われわれの如くに死んでゆくのと、天寿を全うして死んでゆくのと気持の上でどうですか・・・」

東  「それは天寿を全うしたとしても心配はあるよ。妻子のこと、事業上の心配、その他いろいろな悩みがある。われわれのような7年も8年も故郷の親兄弟妻子と離れていると、忘れはしないが歌の文句にあるなあ、『思い出しても忘れずに』の通りの肉親の別れがないだけ楽さ。天寿を全うしたからとて人間の欲には限りがない。同じだよ」

中山 「そうですね。やっぱりそうですね。その点われわれには国のためという自負心か何と言いましょうか、何かがある。そうして国家再建の礎石として死んで逝くのだという大きなものがありますから安らかに逝かれます。戦友その他の人に見守られずに死ぬ人も沢山あります。その点われわれは情けある分隊員、その他の戦友に見守られて逝くのですから勿体ない位です」

東  「内地に帰って妻や子供のことを心配して死ぬより、現在のわれわれは、妻や子供は元気でいる(はっきり聞き取れないが)。また戦友のこの限りない愛と情けに抱かれて死んでゆくのではないか」

中山 「現在の私たちは実に美しく結ばれた戦友の愛に包まれて死んで逝く、実に有難いです。やっぱり天寿を全うして逝く人といっしょですかな」

東  「確定の言い渡しがある前に死んでゆくとき果たして死を恐れず逝けるかなと、心配であったが、今になって見ると何も心配なく逝けるよ。むしろ平然としてゆけるよ」

中山 「分隊長もそうですか、私もそうでした。人間はやはり同じですね。こうして二人とも手をたずさえて逝けるのですから、こんな幸せなことはない。冥土までもいっしょですね」

*文章の転載はご子息の許可を得ております。

 

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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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