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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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さんびか物語 ・・・38・・・

    (広く愛唱されている50曲)・・・37・・・

           ポーリン・マカルピン著

          (米国南長老教会婦人宣教師) 

讃美歌384番

 我こそ十字架のつわものなれ

<神様のみ言葉>

「信仰の戦いを勇敢に戦い、永遠のいのちを獲得しなさい。あなたはこのために召され、また、多くの証人の前で立派な告白をしました」。 

~テモテへの手紙第一、6章12節~

この讃美歌は、主にある戦士として、この世の荒波と思いと惑わしに勇敢に立ち向かう信仰者の姿と勝利の喜びをたたえた歌と言えるものでしょう。

讃美歌384番は、有名なアイザック・ウォッツが原作者です。彼につきましては讃美歌138番、286番をご参照ください。

この讃美歌384番は、説教の後に歌われるものとして書いた一つの作品であります。これは、「目を覚ましていなさい。堅く信仰に立ちなさい。男らしく、強くありなさい」(Ⅰコリント16:13)という聖書のみ言葉にもとづいた詩でありまして、ウォッツはこの詩に“聖なる勇気”というタイトルを付けました。

讃美歌384番の曲ARCADIAは、ウォッツの召された36年後に生まれたトーマス・ヘイスティングス(1784・10・15~1872・5・15)によるものです。彼は田舎の医者の息子としてアメリカのコネチカット州ワシントンで生まれ、12歳の頃両親とともに真冬の中を牛が引くソリでニューヨーク州のクリントンに移住しました。

トーマスは厳しい環境の中に育った上に強い近視に加え、生まれつきの白子であったため、独りでよく勉強すると共に強い信仰を持っていました。彼が18歳の頃、村の聖歌隊のリーダーとなり、またこの頃から讃美歌集の編集を始めました。

1823年から32年までニューヨーク州にあるユーティカ市の週刊誌の編集者となりましたが、これが彼に讃美歌による福音宣教のチャンスを与えました。彼は、「キリスト教礼拝には説教と音楽とを同じ程度に必要とする」と考え、礼拝の音楽をよくすればする程、神様に栄光を帰することが出来ると信じていました。こうして彼が書いた讃美歌は600種にのぼり、曲の方は1000曲を越え、ニューヨークに住んでいた40年間に50種類にのぼる讃美歌集を世に送りました。

アメリカ讃美歌史上ロウエル・メイスン、ウイリアム・ブラードリー、トーマス・ヘイスティングスの三人は、最も重要な讃美歌界のパイオニアとして尊敬され、また仰がれるようになりました。

1945年版の讃美歌にはヘイスティングスの歌詞のものが二つあります。それは216番の“ああうるわしきシオンの朝”と葬儀の時に歌われます473番の“とうときわが主よおもいは尽きぬ”であります。また、曲の方では7つあります。その中で一番よく歌われていますのが541番の頌栄“父み子、みたまの”でありましょう。

384番ARCADIAは明治時代からキリスト者の愛唱歌の一つとなってきました。

<384>

 1 我こそ十字架の つわものなれ

   争(いか)でか恥ずべき イエスの御名を。

1節では、十字架の兵士(主イエス・キリスト信じ、主に己れをささげた者)である私たちは、どうしてイエス様のみ名を恥じたり辱しめたりすることができるでしょうか。むしろ、十字架の兵士、信仰の勇者は主イエス・キリストのみ名を崇め、誇りとして、勇敢に信仰の戦いをたたかうべき者であると歌っています。

これに関連して、イエス様の警告を覚えなければなりません。それは、ルカの福音書9章26節の「もしだれでも、わたしとわたしのことばを恥と思うなら、人の子(イエス・キリスト)も、自分と父と聖なる御使いとの栄光を帯びて来るときは、そのような人のことを恥とします」というみ言葉であります。

否、むしろ十字架の兵士は使徒パウロのように「私は福音を恥とは思いません。福音はユダヤ人をはじめギリシャ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です」(ローマ1:16)と告白するものであります。イエス様とそのみ言葉とを恥とすることなどできません。あなたもこの十字架の勇敢な兵士となってください。

 2 わが主の軍(いくさ)の さきがけして

   血の海こえゆき 友は勝ちぬ。

2節では“わが主の戦の先がけとして、血の海を越えて信仰の勝利”を獲得した殉教者のことを歌っています。

まことの信仰の戦いは、いのちがけのものであります。私たちの主イエス・キリストは私たちの罪のために十字架につけられて血を流して、ご自分の死をもって私たちを贖ってくださいました。私たちは この主の弟子として罪の世、闇の世にあって光を放ち、地の塩として歩みますなら、光を嫌う者から迫害を受けうけるのは、当然ではないでしょうか。イエス様は「義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人のものだからです」(マタイ5:10)と力づけてくださっています。

私たちも初代の使徒たちのように「使徒たちは、御名のためにはずかしめられるに値する者とされたことを喜びながら・・・」(使徒5:41)と言うように、  主のために受ける迫害は光栄あるものとして喜ぶ者となりたいものであります。

 3 いかでか我のみ 花の床に

   うましき夢路を たどるべきか。

3節では、キリスト者は誰でも、ただのんびりと夢路をたどるような生活をしてはいけないことが強調されています。信仰生活はどこまでも悪との戦いですから、たえず目をさましているべきです。 

「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら歩き回っています」(Ⅰペテロ5:8)というみ言葉に耳を傾けていただきたいものです。

 4 み旗をかざして いざ戦わん

   なびかぬ仇なき この御旗を。

4節ですが、この日本語の翻訳は5節と共に素晴らしいものと言えます。それは、原作で作詞者は主にこの世では信仰の戦いを中心にして歌っているからです。また、この世での私たちの罪との戦いの武器として、神様より勇気と助けとを乞い願うと共に、み言葉に支えられつつ、どのような苦労、どのような苦しみにも耐え忍んで、戦い抜く信仰者の姿を歌い上げています。この姿こそ神様からの恵みのしるしと言えるものと信じます。

日本語の訳では、分かり易いたとえをもって、この世での戦いを、イエス様のみ旗のもとで戦っている者ですから、あらゆる仇にも打ち勝つことができ、勝利は決定していると歌うのです。私たちもキリストのみ旗のもとに立って信仰の戦いを戦い抜くものになりたいと思います。

 5 栄えにさかゆる わが主イエスよ

   世を統べ治むる 勝ちはちかし。

5節では、キリストの再臨について歌っています。イエス様ご自身が語っておられます。「そのとき人の子(イエス)が大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見るのです。・・・すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます」(マタイ24:30~31)。

では、その時とは、いつであろうか。その日は‘近い’のです。その日、その時のいつかは誰一人わかっていません。しかし、近いのですから、また、確実ですから「目をさましていなさい。あなたがたは、自分の主がいつ来られるか、知らないのです」(マタイ24:36,42)と言われていますように、選びの民、信仰の勝利者としてみ前に立ち得る者とあなたもなってください。

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