2018年5 月 月号 №129 通巻815号 号
 

第83課 キリスト者生活の実践的義務

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第83課 キリスト者生活の実践的義務

=12:1~15:13=・・・36・・・

E 弱い兄弟たちに対するキリスト者の義務 ・・14:1~13・・

       ・・・2・・・

 「信仰の弱い者を受け入れなさい。ただ、意見を批判するためであってはならない」(1節)。ここでパウロは弱い迷っている信者たちを、その弱い未熟な信仰にもかかわらず、キリスト信者の交わりの中に入れるべきであると言っているのです。「信仰とは、ここでは真理の確信のことであって、人はある真理については確信を持っているが、他の真理については極めて弱い確信しか持っていないことがあります。初代キリスト信者の中には、イエスが救い主であることは疑いなく十分に確信していても、聖い食物と聖くない食物の区別が全く廃されたということについては疑念を抱いていた人々もいました。

 これは当時のキリスト信者の生活における重大な欠点でした。それは義認の恩恵的性質についての知的な理解と確信の欠如に起因するものでした。しかしながら、この弱さはキリストへの真剣な献身と矛盾しないものでしたので、そのような人々も受け入れられるべきである」(C・ホッジ)。

 

 「ただ、意見を批判するためであってはならない」(口語訳)。「その意見をさばいてはいけません」(新改訳)。

 この箇所の解釈の鍵となる二つのギリシャ語があります。一つは「識別力」・「批判」・「眼識」で、もう一つが「人間の思考における、思想・疑い・躊躇」で、文脈を考慮して、「信仰の弱い人々を、キリスト信者として受け入れ、彼らに意見・見識を批判しようとしてはいけない」(ホッジ)と解釈するのが妥当なのです。

 

 「ある人は、何を食べても差し支えないと信じているが、弱い人は野菜だけを食べる」(2節)。ある人は宗教的には何を食べても差し支えないと確信を持っている。しかし、他の人は信仰的に未熟なので、野菜類だけを食べるのです。このことは、すべての食物が同様に有益であるという意味ではなく、また、通常のキリスト者は健康のことを考えないで、何でも食べてよいという意味ではありません。

 パウロは食物の健康上の善し悪しを言っているのではなく、宗教上における食物の問題についてビクビクしていることを述べているのです。宗教的根拠に関する限り、通常のキリスト者は何を食べても良いと確信しているのであり、どんな食物も宗教的根拠からは禁じられるべきではありません。すなわち、宗教的に腐敗を招くとか、汚れているとか言って禁止されるべきものはないのです。

 

 旧約の儀式律法は野菜だけを食べることを要求してはいません。また、すべての肉を食べることも禁じてはいませんでした。ある種類のものは許され、あるものは禁じられていました。しかし、迷っていたユダヤ人キリスト者たちは特に異教世界の中で生きていたときには、すべての種類の肉を食べることや、調理された食物を食べることなどを恐れていました。それは律法に禁じられていた物を食べることによって、霊的に腐敗することを恐れていたからです。

 彼らの食べ物を、口に入れる時に自然のままであるかどうかをよく確かめて食べ、そして野菜を食べることによって自分を制限していました。すべての潔くない肉や偶像に捧げられた食物を確実に避けるために野菜だけを食べていたのです。

  J.G.ヴォス著

    玉木 鎮訳(日本キリスト改革派教会引退教師)

 

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