201810月 号 №135 通巻820号 号
 

十戒と主の祈り・・3・・

             鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

=わたしのほかに=

  第一戒①・偶像の支配

           出エジプト記20:3、ローマ1:23~25

 天地には、天地を造られ、それを治めておられる神だけがまことの神です。人々はいろいろなものに名を付けて、神々と呼んでいますが、それらは神ではありません。聖書はそのことを直接的に、また間接的にはっきり述べています。

 例えば、申命記4章28節のモーセの言葉は、将来イスラエルの民が約束の地に入った時のための注意を与えていますが、その中で次のように述べています。

 「あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、たべることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるであろう」。

 このように、偶像とされるものは、実際には神ではないのです。預言者のエリヤもイザヤも、同じことをこう述べています。バアルの預言者たちとカルメル山で対決した時、エリヤは彼らをあざけって言った。「大声で叫ぶがいい。バアルは神なのだから。神は不満なのか。それとも人目を避けているのか、旅にでも出ているのか。恐らく眠っていて起こしてもらわなければならないのだろう」(列王記上18:27)。

 イザヤも4019節は、こう言います。

 「職人は偶像を作り、金箔を作ってかぶせ、銀の鎖を付ける」。

 このように人間が作った神ですから、偶像は神ではありません。それでも、偶像を問題にし、攻撃する必要があることを、神は第一戒で、禁じるという命令によって教えます。

 旧約聖書にも新約聖書にも、偶像というものが作り出され、神の民はその偶像に従う危険に囲まれていることに注意を与えられています。イスラエルの民の歴史が示すように、それが内部から崩壊していったのは、まさに、この問題でした。間もなくソロモンの晩年の箇所になりますが、彼の不信仰はアンモン人の神ミルコム、モアブ人の神ケモシュ(列王記上11:4~8)の影響でした。

 

 そのように、偶像は単なる異教の神々の問題ではありません。われわれの周囲に、われわれの心の中に、力をもって支配するものが偶像だからです。人を奴隷にする力をもっているものが全て偶像になります。例えば、典型的なバアルにしても、それは肥沃な収穫という富を人格化して神にしたものです。雨や雷の神、多産の神という具合です。

 その他、いろいろな願望が神になります(ローマ1:23~25)。黄金や財産が崇められ(ヨブ31:24~25)ます。聖書はまた貪欲を偶像崇拝といいます(コロサイ3:5)。偶像のリストはさらに広いわけで、美貌、権力、知能、伝統、良心、趣味というように、良いものであっても私たちを支配するとき、偶像になります。ヨハネは「肉の欲、目の欲、持ち物の誇り」(Ⅰヨハネ2:16)が偶像になることを警告します。

 

 第一戒② 神を愛する

        出エジプト記20:3、ヨハネ21:15~16

 「あなたは、わたしのほかに何者をも神としてはならない」という第一の戒めは、わたしのみを神としなさい、という命令でもあります、前に申しましたように、神々は多く存在していているのでありません。聖書によって神の方から御自身を明らかにしてくださった神のほかには、神は存在しません。それなのに、人間は自分の思いや都合のために神々を作りますから、多くの神々がいて、その中から選ぶかのように見えるため、それに合わせて、神はモーセにこのように第一戒をお与えになりました。

 この十戒と共にイスラエルでよく読まれていたのが申命記6章です。主イエスも律法について、どれが最も大事な戒めかを問われた時、申命記6章の4節の言葉を引用されました。

 「聞け、イスラエルよ、我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」。

 ここで、「愛しなさい」と言われていることが大事です。これは、レビ記19章18節の隣人愛の戒めと共に、十戒の内容を要約したものとして、主イエスによって用いられたこと(マタイ22:37~40)を、私たちはよく知っています。

 この「神を愛しなさい」「隣人を愛しなさい」ということが律法の要約であるということは、十戒を守る力が神に対するものであれ、隣人に対するものであれ、愛にあることを教えます。事実、私たちが聖書の神を神として選び、その命令を守ることができるのは、単なる理屈から出てくるものではなく、神を愛するときに可能です。私たちが親の言葉に本当に従うのも、親を愛するからであるのと同じです。

 

 主イエスの到来は、父なる神の臨在を私たちに非常に身近なものにし、神を愛することも現実なものにしてくださいました。私たち人間の代表ともいえる主の弟子たちは、主との歩みを共にすることができなかったので、主の復活を信じるのに鈍かったこと(ルカ24:25)、主がゲッセマネの祈りの時、大きな苦しみの中にあった時でも、居眠りをしているような始末であったこと(マタイ26:40)、ペトロに至っては、イエスを知らないと誓ったこと(マタイ26:69~75)、そして、主の約束どおりに復活なさったことを仲間から知らされても、弟子たちの中には信じられない者もいたことを、知らされます。

 こうした彼らがやがて主を愛し、隣人を愛してその伝道の道を歩んだのは、彼らが主イエスに愛されていることを知って、主を愛するようになったからでした。ヨハネが福音書の17章に記されているように、主イエスは愛して執り成しの祈りをなさいました。やがて彼らは、主イエスに十字架と復活が保証している救いの恵みを知るようになりました。特にペトロは、「わたしを愛するか」と三度も問われ、主を愛することが掟を守るための秘訣であることを教えられました。

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