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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (45)
 第35課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否
       9章1~11章36節(続)
A 神がユダヤ人を退け、異邦人を召されることは神の約束と矛盾するものではない。
       9章1~24節(続)
 「ユダヤ人の兄弟たちに対するパウロの愛と関心の表明」
       9章1~5節 (続)
 
 「肉によれば、キリストもまた彼らからでられたのである。万物の上にいます神は、永遠にほむべきかな、アァメン」。
 
 
 私たちはここに、神がユダヤ人に与えられた最高の名誉と栄光を見るのです。すなわち、贖い主イエス・キリストは人間性についてはユダヤ人の内より生まれられたのです。「女のすえ」は、遂にアブラハム、ユダの氏族、ダビデの王家の子孫として生まれられました。しかし、この人間的な血統はそれが重要であるにしても(マタイ・ルカの系図)、事柄の一面に過ぎません。それでパウロは、その論述を注意深く言葉を選んで行っているのです。
 パウロは注意深く、キリストがイスラエルの子孫から出られたのは「肉によれば」であると言っています。何故ならば、もう一つの意味では、イエスは人間の系図に属する方では全くなく、永遠の神の御子であるからです。「肉によれば」という言葉は、単に「彼の人間性については」という意味です。「肉」という語は、ここでは人間であることを意味する言葉に過ぎません。
 
 これはイエス・キリストの神性という教理を立証する偉大な聖句です。この聖句は私たちの主の神性を、明白且つ決定的に宣言しているので、この教理を避けるように、ギリシャ語の原文を翻訳しようといろいろの試みがなされてきました。英語訳の場合と同じく、日本語聖書においても、文語訳では「キリストは万物の上にあり、永遠に讃むべきかな。アーメン」と訳されています。新改訳では文語訳と同様、「このキリストは万物の上にあり、とこしえにほめたたえられる神です。アーメン」となっています。dcb546d3.jpg
 文語訳と新改訳では明らかにキリストに神性が帰せられていますが、口語訳は父なる神に神性を帰しています。英語訳聖書でも、近代訳は何とかして、ここの聖句の意味から、キリストの神性という概念を取り除こうしています。恐るべきことに、近代訳はギリシャ語の文法や用語法によってではなく、偏見からそう訳そうとしていることです。
 C・ホッジは、「この重要な聖句の解釈については、構文の規則を殆ど無視しても、ただ一つの解釈しかない」と述べて、欽定訳とほぼ調和する解釈をとっています。アルフォードは彼の著「ギリシャ語聖書」において、「彼は万物の上にあり、とこしえにほむべき神なり」と訳して、この訳こそギリシャ語の用法に最も一致するばかりか、文法と構文によっても受け入れられる唯一のものであると述べています。
 この訳はまた文脈にも適合しています。何故ならば、ユダヤ民族の歴史的な特権を列挙してきたパウロは、それらの特権をはるかに越えたすぐれた特権を述べることで論述を結ぼうとしているからです。すなわち、「肉によればキリストもまた彼らからでられたのである」。
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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