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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 バラ・マカルピン 日本伝道百年史・・23・・   

     水垣 清著

 (元中津川教会牧師・元「キリストへの時間」ラジオ説教者)

 

11 名古屋地方とマカルピン・・4・・

 

新神学の流行、人間中心の自由主義的神学のために動揺させられた正統主義の教会は、さらに1891年(明治2419日、第一高等中学校嘱託講師として歴史を担任していた内村鑑三氏が、学校に下賜された天皇署名入りの教育勅語に対して、他の教師のように最敬礼をしないで勅語礼拝を拒否したということから、非難攻撃を受け、キリスト教は日本の国体と相容れない国賊として世論の批難を受けるようになった。こうした問題もあって、当時の教会は内外からの圧迫、困難と戦わなければならない有様であった。

従って、この年1891年(明治24)から1900年(明治33)に至る10ケ年間の日本基督教会の信徒数は増加せず、教会数はむしろ減少した。ただし、伝道所数が増加しているのはミッションの伝道活動の進展を示したものと言えようが、大勢は沈滞ムードの10ケ年であったと言えよう。

それはキリスト教信仰を受容することの、どんなに困難な時代であったかを示すものあるとともに、それだけに外国宣教師たちの地方伝道は、ますます困難を加えていった。それは日本基督教会の統計表によって推測させます。

 

1891年(明治24)、南長老教会ミッションは、当時、新興国際都市として発展途上にあった神戸にステーションを設置した。港湾都市として海外貿易の中心であり、比較的日本の伝統に侵されていない都市として、格好の伝道地であった。従って、将来宣教師の日本伝道への基地として重要視された。

R・E・マカルピン師は名古屋にあって、県下と隣県岐阜地方に忙しく伝道し、瀬戸永泉教会では、同年1124日、加藤梅三郎氏が長老に選ばれ、マカルピン師がその任職を執行した。

同年1124日に中津川講義所が開設され、マカルピン師は教師の南小柿州吾氏、伝道師佐々木国之助、同加藤虎彦氏、同加藤万吉氏などの協力を得て、坂下、苗木、中津川から大井、岩村など各地をくまなく巡回して伝道された。今日、東濃地区に日本基督改革派中津川教会、同恵那教会、同多治見教会の三独立教会が存在するが、その起源には忍耐強いR・E・マカルピン師の伝道があったことを忘れてはならない。坂下、中津川地方には、初代の信徒として、安部倍次郎(洋服屋)、同人妻安部ケン、長男安部賛平、土屋勝蔵、小栗 長などR・E・マカルピン師から受洗している。

名古屋地方、尾張地方、岐阜県山間部の伝道は、マカルピン夫人にも相当の労苦と疲労を加えたのか、夫人は明治25年初夏頃、健康を害されたので、夫妻は1ケ年の休暇を得てアメリカに帰省された。

   日本基督教会の統計表

明 治  24  25  26  27  28  29  30  31  32  33  計

教会数  73  72  72  72  71  70  71  69  71  71  -

伝道所  38  58  76  79  85  103 103  110 109  109  -

教 師  58  65  75  75  75  80  78  112 135  103  -

伝道者  88 103  113  113 115  125 113  111 108  91  -

受洗者 748  885 1296  701 494  845 683  780 758  675 7770

除名者 301  474 734  503  -  321 -  693  481  388 3795

会員数11253 10862 11118 10787 11064 11324 11131 10609 10849 11117

 

=写真=

中津川、王子製紙社宅伝道(前列中央マカルピン師、左は水垣清牧師(1949

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
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電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
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東京大学大学院法学政治学研究科教授
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東京大学大学院人文社会系研究科教授
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富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
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