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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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…キリスト教…
 社会福祉活動のあゆみ(16)
 修道院の貧しい人々への救済(2)
 修道院生活(2)
 
 次の段階は、散在した修道院に内面的な力を秩序に適応させると共に、共通の組織と管理を与えることでした。その重要な役割を果たし、東方教会における修道院生活の1つの形態を確立したのは、大司教聖バシリウス(331~379)でした。「バシリウスにとって、修道院生活とは、禁欲的な奉仕と謙遜、罪の償いなどのような愛と思いやりと言う、完全なキリスト教生活の枠組みを与えるような1つの共同体であった」(D・ノウルズ著「修道院」)。
 彼が自分の指揮下にあった修道者の指導のために書いた規則は、精神的な勧告と聖書の注解でした。ビザンチン帝国のほとんど全ての修道院や、またロシアの後の修道院のほとんどは、西欧の修道士がベネディクトに負うのと同様に、彼の規則を修道精神の基礎にしていました。
 西方教会では、聖ベネディクト(480~54?)が西欧の民族性に最も適合したミサ聖餐を中心にして、「祈り、そして働け」という修道生活を教えました。聖ベネディクトは529年、ローマとナポリの中間にあるモンテ・カッシーノに大きな修道院を建設し、そこの修道士たちを統率するために修道士たちの守るべき戒律を作りました。これはある点では、聖バシリウスの戒律を模範にしたものであったと言われていました。これが10世紀に至るまで、西方の修道院戒律の唯一とされた有名な「ベネディクトの戒律」でした。s-200809231133000.jpg
 それは「経験から生まれ、体験によって案出された普遍的な理想を有し、人間の最も深奥の本性に合致し、その社会的必要性を考慮したものであった。規則の詳細ここに記す余裕はないが、ただそれは、祈りと苦行、単純性と精神性の正方形の上に立ったものであると言えば足りるといわれている」ものであったといわれています。
 ベネディクトの与えた戒律の知恵は、その結んだ果実によって証拠立てられています。ベネディクト会に属する偉大な人々の名は数え尽くすことは出来ないほどです。修道士たちは、生活共同体を作り、終身職である修道院長の指図に服しました。富める者も貧しい者も、身分の貴い者も貧しい者も、誰でも1年の修練期間を経て、修道院に入ることが出来ました。修道士は、清貧、貞潔、従順の3つの誓願を守る根本的な義務があり、その他に、定住の生活、すなわち、一生涯修道院を変えないで、一定の修道院内で生活するという誓願を守ることが要求されていました。 
 これらの規則のうち、特に重要なのは、完全な服従と自己否定の心であり、生活上においては、規則正しい祈祷と黙想及び労働の義務でした。最初は田畑を工作したり、あるいは森林を開墾したり、沼地を乾かしたり、野外の労働のみを奨励しましたが、カシオドス(490~585・ローマの政治家、歴史家。540年頃修道院に入る)が修道者になってから、ローマの文化の保存に努め、文献の収集や写本などの学術上の勤労をも奨励するようになりました。そこから多くの学者、筆記者が輩出し、古代文化の貯蔵所としての役目も果たすようになったのです。これは、後の時代修道院が果たした科学・文化・芸術・歴史の大きな役割となりました。 
 
 
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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