忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


バラ・マカルピン 日本伝道百年史

       水垣 清著

 (元中津川教会牧師・元「キリストへの時間」ラジオ説教者)

20 最後の奉仕・・2・・

 いよいよマカルピン師にも、その宣教師の奉仕を終えて、日本を去られる隠退の時がやって来た。

1932年(昭和7)3月5日、マカルピン師の満70歳の時である。しかしマカルピン師の後継者であるラ-ドナー・モーア夫妻が休暇から日本に帰るまで隠退の日を待つようにとのことで、半年ほど帰米を延ばすことになった。

春から初夏にかけてマカルピン師の隠退と帰米を惜しむ各地の教会での送別会が盛んに開かれた。日本伝道47年、それは決して短い歳月ではなかった。ようやく自転車が日本にも用いられるようになったのが明治の中期、鉄輪の自転車では道の悪い山坂を走ることも出来ず、手押しで坂道を運ぶことは大変な苦労であった。

ベビーオルガンを乳母車に乗せて運び、田舎町の街角で日本の補助伝道者と一緒に路傍伝道を盛んに試みたことも、マカルピン師にとって忘れ難い思い出であろう。高知県、神戸、愛知県、岐阜県、そして朝鮮とその足跡の至る所で、温容なマカルピン師の眼差しに触れ、誠実な交際と親切、そして小さな集会場のための運営と奉仕を続けた47年である。

謙遜は神の下僕として、人の足を洗うことも辞さなかったマカルピン師の影響感化は、今もなおこれを知る人の心に忘れることなく印象付けられている。先頃、筆者は中津川で「自由民権運動とキリスト教」の系譜を調べるため、この町の一自由民権運動家がキリスト教に接していたというので、その人物を知る古老に、そのことをただした時、「黒い服を着た背の高い外国人でカトリックの坊さんのようでした」との答えで、腑に落ちないまま歳月が経過した。たまたま市の名誉市民であったH氏が旧家であり、旧事を語り合っている時、「その民権家は私の縁者です。そこに出入りしていたのはマカルピンさんですよ」との言葉に町の有力者の中にもマカルピン師との繋がりと影響があったことを知ったのである。地に蒔かれた福音の種は私どもの知らない所で、水注ぐ者の手を待っていることを教えられて、自らの怠慢を恥じた。

先輩宣教師方が、どこに福音の種を蒔いたのかも確かめようともせず、実らないのはその宣教の失敗と決め込んで省みようともしない、後継者の牧師、伝道者でなければ幸いである。一生を捧げ、親・子・孫に至るまで、キリストを愛し、日本を愛して主のために力を尽くした先輩宣教師の足跡を辿ることも、また無駄ではなかろう。

この年8月、長崎にあったJA・マカルピン氏も、米国のウエスタン神学校に入学のため帰米された。10月1日、マカルピン師は横浜出帆のノルウエー号で明け方出航した。嵐のために出帆が一日遅れたのである。船は太平洋を渡り、サンフランシスコからパナマ沿岸を下ってパナマ運河を通り、キューバの東端からコロンブスが上陸したサン・サルバドルの記念碑を望み、やがて35日間の長い船旅をニューヨークで終わった。そうしてウエストンセーラムに11月14日、無事に着いたのである。

マカルピン師はそこで3か月ほど滞在し、その後ノースカロライナ州エキソンの伝道所で奉仕し、その教会の会堂を建築し、会員も50人ほどに成長し、定住牧師も与えられるまでになった。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]