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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り      

鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

主の祈り(文語)

天にまします我らの父よ

願わくはみ名をあがめさせたまえ

み国を来たらせたまえ

み心の天に成る如く地にもなさせたまえ

我らの日用の糧を今日も与えたまえ

我らに罪を犯す者を我らが赦す如く我らの罪をも赦したまえ

我らを試みに遭わせず悪より救い出したまえ

国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり

アーメン

 

=御国=

第二の祈り①・神の支配

       ルカ17:20~37

「御国をきたらせたまえ」という第二の祈りは、主の祈りの中で最も短い祈りです。しかし、それでいて最も多くの意味を含んでいる祈りであると言われています。そのことを何回かに分けて理解することにします。

最近読んだ主の祈り本の一つに、この「御国を来たらせたまえ」について、国という言葉があるためでしょうか、「政治的な」性質のある祈りであると解説しているもの(ウイリモン、ハワーズ「主の祈り」、日本基督教団出版局、100頁)がありました。

この祈りが全宇宙的な神の支配を求めると言う意味がないわけではありませんから、政治的な祈りと考えるのでしょうが、この祈りはそういうことを中心に求める祈りではありません。イングランドの内戦の状況下で、しかも議会の求めに応じて生み出された、政治的な環境の中から生まれたウエストミンスター大教理問答にも小教理問答にも、そうした意味のことが記されているわけではありません。

事実、ファリサイ派の人々は、そうした政治的な国の到来を願って、「いつ来るのですか」と主イエスに尋ねたわけですが、主は、「神の国は、見える形では来ない」と言われました。

 

主イエスが「御名を崇めさせたまえ」という第一の祈りに続いて、「御国を来たらせたまえ」という第二の祈りを教えられたのは、第一の祈りが実現するための手段として、「御国を来たらせたまえ」という第二の祈りをお教えになりました。御国が来ることによって、御名が崇められることになり、崇められる程度も、御国が来る程度に連動するからです。

この「御国」は、主イエスが弟子たちにまず求めるべきものとして、マタイによる福音書6章33節で、人々に言われました。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」。

この「神の国」を求めることは、神の支配に服することを求めることです。そして、「神の義」を求めるようにと言われたのは、その神の国の支配に服することは、神の義に従う程度によって現わされることになるからです。

神の義とは、神の契約にみられる神の真実、恵み、それゆえ、契約に入れられた者の間の平和、正義、助けなどです。それを求める程度に応じて、神の国が見えます。そうすれば、生活の上での必要は添えて与えられるという約束です。

このように、まず神の支配が私たちの心に生まれ、それが次第に強化されることを願うことがいかに重要であるかということが頷けます。しかし、私たちは自分でこの神の支配に完全に服して行くことはできませんから、主はこの第二の祈りをするようにお教えになったわけです。更に進んで支配に服していこうとするにつれて、神の民は御名をそれだけ崇めることができるようになるからです。

憐れみ深い神は願う前から与えようとされておられますが、大事なことは神の支配の中で与えられていることを知っていることです。

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書籍紹介
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 社会意思決定

日本評論社
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 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
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松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
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