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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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…キリスト教…
 社会福祉活動のあゆみ(20)
 修道院の貧しい人々への救済(6)
 修道院生活(6)
 
 この托鉢修道会の創設者は、イタリアの聖フランシスコ(1182~1226)とスペインの聖ドミニコ(1170~1221)の二人の仕事であったと言われています。聖フランシスコは、アッシジの富豪な商人の息子でした。フランシスコは正規の教育を受けず、華やかな青春の生活を送り、放蕩にふけっていました。ある時、心の声が彼にマタイによる福音書の次の語句に注目させたと言われています。
 行って、「天の国は近づいた」と宣べ伝えなさい。病人をいやし、死者を生き返らせ、らい病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である(マタイ10:7~10)。c500fd11.jpg
 
 彼はこの言葉に従って、富も名誉も捨てて華やかな遊び仲間とも別れて、清貧を自分の伴侶とし、ハンセン病や社会から見捨てられた人々に奉仕することを始めました。彼の熱心なそして誠実な態度は、たちまちにして彼に従う弟子たちを見出しました。彼には修道会を設立する意図はなく、ただ使徒的貧困に生き、キリストの命令に従い、筋肉労働によって、もしこれが不可能な場合には物乞いによって生計を得るような僅かな伝道者を持ちたいと望んでいました。
 
 その熱心、献身、そして自ら身をもって示す実例によって、世界を改革する原始キリスト教的伝道機関を創立しようと願っていたのですが、教皇の勧告によって、初志を諦めて、修道会の設立に同意したのでした。彼は、最初は哲学や科学を全然尊重しない人物でした。全ては弱者、病人、貧者の実際的救済、人間の道徳的・宗教的革新が、彼にとってはキリスト教の初めであり、終わりであったのでした。布教活動のために教育を重んじるようになったのはドミニコ会に負う所があったと言われています。
 
881fd1f7.jpg 聖ドミニコは、聖フランシスコと違って、司祭であり、大神学者でした。彼はオスマ市の大学で神学を研鑽して司祭になり、後に南フランスに行って、アルビ派(12、13世紀に南フランスのアルビ付近で栄えたキリスト教異端、霊肉二元論をとる。肉を悪と考えるためにキリストの復活を信じず、また婚姻を否定した。1165年以降教会により排斥された)と称する異端の間で10年間働いていました。その間、その地方でアルビ派に改宗のために活動していたシトー会の修道士たちが、巨大な資材を所有していることから、異端者たちの嘲笑を受けている事実を目撃しました。
 彼は異端者を説得するには、清貧、謙遜等の徳行をもってしなければならないと考え、信者の寄進によってのみその生活の糧を得る托鉢修道会を組織しました。この修道会は1217年1月に教皇ホノリウス三世によって「説教者修道会」として認可を受けました。これがドミニコ修道会です。フランシスコ会は、主として都市のスラム街で働き、ドミニコ会は、これと同時に、教育のある人々や上流階級に福音を伝えて今日もなお続いております。
 フランシスコ会、ドミニコ会の組織にならって、新しい修道会がその後現われるようになりました。使徒的目的と使命を果たすために、おそらくもっとも完成されて組織を持ったものとして、1534年に創立されたイエズス会を挙げる人もおります。なお、16世紀以後、いわゆるオルド、すなわち、教会法による本質的な古い修道会の他に、多少、戒律の緩和された組織を持った新修道会が現われました。これをコングレガチオと言います。
 
 これらの新しい種類の修道会は、ますます活動的になって、それぞれの創立の目的に応じて、直接の布教事業、慈善事業、教育事業、あるいは医療事業、更生事業などに献身するようになって行きました。
 ことに女子修道会は、16世紀までは、ほとんど純粋な信仰的な組織の修道会のみであったのに、時代とともに次第にコングレガチオの形で、数え切れないほど新しい修道会が、至るところに出現するようになったのです。その数と多様性は、今なお続いていると言われています。
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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