2019年7月  №144号 通巻829号
松田重雄が観た「切支丹燈籠の世界」(15)
 
 「切支丹灯籠への思い」(14)
 
 「あなた方に言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう」(ルカ19:40)
 
 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(創世記1:3)ad682be2.jpg
 
 道路整備が行き届い今の時代には想像できないことの一つに、秘境とか、獣道が地域の大切な生活道路になっていることや、ひと山越えると別の世界と言う表現です。
熊本県の人吉市は日本3急流の球磨川の上流の人吉盆地の中心をなしている地です。
神父たちはこの球磨川の難所を渡り、この奥地にまで分け入って布教していました。それは天正8年(1580)4月3日、相良義陽に、アレキサンドル・ワリニヤーニが、備慈多道留(ビヨタドル)の名で送った書状が、相良家文書の中に残っていましたが、そこから当時の布教の事実を物語っています。
人吉地方には疫病除けの守り神として、ゴットン(牛頭天王)の守り札を折りたたみ、糸で首に掛ける風習がありました。これは天主教徒のスカプラリオの姿です。守り札の中身は牛頭天王ではなく異形のものであり、時には迷彩された十字架が描かれていました。信徒たちは牛頭天王の「天王」にキリスト教の「天の神」を習合させ、牛頭天王すなわち天王社の氏子のようになりすまし、ひそかに天の父を礼拝していたのでした。このような例は京都、兵庫県、愛知県、鳥取市などの天王社を聖なる礼拝地としていたことと好一対であると松田は見ています。
 
また、聖母子像を子安観音と称して金立院にあり、人吉藩の寺社奉行を勤めていた林田家の八幡宮内には、聖母子像が合祀されていたことがわかっています。
 
s-IMG_0001.jpg不思議なことは、九州各地で盛んに行われていた拷問的な踏絵を、人吉藩では一度も行われていないとされています。相良藩の史料には切支丹を取り締まった記録がありません。毎年春秋の2回行っていた宗門改帳を調べると、同一印鑑を数人の人に使用されているのも不可解なことです。その理由はともあれ、人吉の地は相良藩主庇護のもとに潜伏信徒たちの聖なる地となっていたのでしょう。
この時代の切支丹燈籠の形態は、形の上では初期のものを受け継いでいますが、文様も詩句もない偽装時代型であることから、弾圧そのものは厳しいものであったことは推察できます。辺境の地であった人吉の地には多くの都落ちした流れ者が信仰の自由を求めて入り込んでいました。平家の落武者がこの渓谷の奥に逃れ地としたことは落武者伝説で知られているところです。角川選書(139)の「落人伝説の里」(松永伍一著)をお薦めいたします。
 
 
=記= 
主な文章は、松田重雄著の「切支丹燈籠の謎・研究」(同信社)からの引用です。また、ご子息の松田章義氏の賛同をいただいております。またインターネットで人吉市の市史を調べるのも面白いでしょう。
 
 
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
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おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
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キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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