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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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『旧・新約婦人物語』(13
  モーセの母ヨケベデ
    (出エジプト記2章、ヘブル人への手紙11章)
 
 ユダヤ民族の偉大な指導者であったモーセの母、ヨケベデについて学びましょう。
 ヘブル人への手紙11章を読みますと、ユダヤの偉大な信仰の勇者たちの記録が、簡単な内にも力強い言葉で書かれております。私たち読む者には中秋の夜空に星座の列を仰ぐような感じがいたします。
 12章1節には、これらの人たちが信仰の証人だと書いてあります。これらの信仰の勇者の中でも、特にモーセの信仰と指導力とは、私たちのキリスト者の注目を引きます。
 「信仰によって、モーセは成人したとき、パロの娘の子と言われることを拒み、罪のはかない歓楽にふけるよりは、むしろ神の民と共に虐待されることを選び、キリストのゆえに受けるそしりを、エジプトの宝にまさる富と考えた。それは彼が報いを望み見ていたからである」(ヘブル11:24~26)と、激賞の言葉を放っているほどです。s-IMG_0091.jpg
 皆さんもご存知と思いますが、モーセはユダヤ人の中の第一の指導者であって、ある意味から申して、ユダヤの国における一番最初の代表者であったと言えるでしょう。たしかに、ユダヤ民族の組織化は、彼の手によって成されたのです。
 このモーセの信仰と勇気、決断力と指導力は、どこから来たのでしょうか。もちろん神様からであることに違いありません。けれども、よく調べて見ますと、これらの特徴は、モーセ一人によるのではなく、彼の親たちの信仰による指導が、大きな力を成しているのです。ことに母ヨケベデの生活の内に、モーセと同じ特徴が発見されます。
 モーセの両親について、聖書は沈黙を守っています。ただ出エジプト記6章20節を見ますと父の名は、アムラム、母はヨケベデであることが記されています。また2章を見ますと、二人ともレビ族に属し、代々祭司の家柄であったようです。モーセには兄アロンと妹ミリアムがありました。当時のエジプトの情勢は、ヨセフのいた頃と大変な相違で、王パロはユダヤ人がますます大きな民になるのを見て、恐れを抱き、ユダヤ人を憎むようになってまいりました。聖書には、「ここにヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起こった。彼はその民に言った。見よ、イスラエルびとなるこの民は、われわれにとって、あまりにも多く、また強すぎる」(1:8~9)と記されています。今までのユダヤ人とエジプト人との親善関係を知らない王が現われ、増大するユダヤ人への恐怖心からユダヤ人を圧迫し苦しめ、なるべく彼らの人口を少なくしようと計ったのです。
 
その第一の方法は、ユダヤ民族に無理な労働を強い、これを奴隷化して、2つの有名な町、ピトムとラメセスを建設させました。しかしイスラエル人たちは苦しめられれば苦しめられるほど増し殖え、その方法は失敗であることが分ると、第二の方法として、男の子が生まれたら直ぐに殺すよう助産婦に命令いたしました。しかし、このようは非道が行われるはずがありません。助産婦さんは神を信じていましたから、この残酷は命令を実行しようとなどとはしませんでした。パロ王はこれも失敗と分ると、第三の方法として、今度は直接、ユダヤ人に男の子が生まれたら、直ちにナイル川へ投げ捨てるように命令し、兵隊を遣わし、取締りを厳重にいたしました。
この危険な最中に、モーセが生まれたのです。きっと母のヨケベデは、生まれてくる子が女の子あるよう願ったことでしょう。しかし、神の不思議な摂理とでも申しましょうか、生まれたのは男の子でした。
玉のような男の子を抱いて、彼女の心の中はどうでしたでしょう。喜びと悲しみが一緒のこみ上げてきたと思います。しかし、それからのヨケベデの態度は一変して、彼女の行動には、本当に教えられ、また感動させられるところがあります。
第一に、彼女の勇気です。s-2010081309540000.jpg
ヨケベデは、王の残酷な命令には従うことを拒み、三ヶ月の間、自分の家にモーセを隠しておきました。これは非常に勇気のいることで、いのちがけの仕事でした。もしもエジプトの兵隊に気付かれでもしたらもう終わりです。家族も子供と一緒に殺されるに違いありません。これは真に勇気を必要とすることです。
第二に、彼女の賢さです。
彼女は、このような何の希望も持てず、逃げ道もない悪条件の内に置かれても自暴自棄に陥らず、彼女は静かにモーセを救う道をいろいろと工夫いたしました。兵隊の監視がいよいよ厳しくなり、もはや隠しきれないと思うと、彼女は最後の手段として、葦で船を作って、子供をそれへ入れて川岸の草の間に隠しました。モーセの姉ミリアムが遠くから見張りをしていました。
第三は、彼女の信仰です。
第一の勇気も第二の賢さも、彼女の信仰に基礎付けられております。ヘブル人への手紙11章に記されているように、ヨケベデ夫妻は信仰によって王の命令をも恐れず、命の危険もかえりみず、モーセを三ヶ月の間隠していたのです。この熱い信仰が神に報いられ、パロ王の娘が川岸に水浴びに来た時、この可愛らしい子供を見つけたのです。そして、彼女はその子供を自分の子供として養育し、当時の最高の教育を施したのです。これが後に、イスラレルの指導者としてのモーセの働きに、どんなに役立つことでしょうか。使徒行伝7章20節、22節には「モーセが生まれたのはちょうどこのころのことである。彼はまれに見る美しい子であった。三ヶ月の間は、父の家で育てられたが、・・・。モーセはエジプト人のあらゆる学問を教え込まれ、言葉にもわざにも、力があった」とあります。
このような不思議な神様の摂理によって、モーセは救われ、また教育され、本当に立派な指導者と成り得たのです。
神様は、彼女の全ての願いに答えられたのです。日本のお母さん方も、このお話で、いろいろと深く教えられるとところがあったと思います。
一つは、自分の信仰がその家族に大きな影響を及ぼすことです。母ヨケベデの信仰に見られます。そのように、あなたの信仰がお子様方にその通りに現われます。有名なイギリスのウエスレーには、実に信仰深い母があったことを忘れてはなりません。母の信仰の深さで、二人の子ションと、チャールスが育ち、世に言うメソジスト運動の開拓者になり、想像も出来ないほどの大きい影響を、世の多くの人々に与えていることをご記憶下さい。
「信仰によって、モーセは、成人したとき、パロの娘の子と言われることを拒み、罪のはかない歓楽にふけるよりは、むしろ神の民と共に虐待されることを選び、キリストのゆえに受けるそしりを、エジプトの宝にまさる富と考えた」(ヘブル11:24~26)。
 
 ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)
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