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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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b1ba610f.jpg   小閑記
        
 「神の義は、その福音の中に啓示されている」。
 
 パウロは、ここで何を言おうとしているのでしょうか。それは、福音の中に啓示されている、ということの意味が、大切なのであります。福音の中に啓示されている、ということはただ福音の中に書いてある、ということでしょうか。福音というのは、福音書という書物のことではありません。福音の中にというのは、福音が語られる時に、ということであります。
 福音が宣べられた時、すなわち、説教がなされた時に、そこに神の義が、事実として啓示される、ということであります。キリストが十字架にかけられたのは、二千年も昔のことでありました。がしかし、繰り返すように、その時に、完全な神の義は啓示されているのであります。しかし、それが福音が語られる時に、聞く人に、事実となって、啓示されているのである、と言うのであります。
 
 説教などと言うものは、聞く人にとっては、まことに無力なものとしか思えないかも知れません。それよりも、説教する方の人が、もうとっくに、説教の力については絶望している、というのが本当かも知れません。強力に語れない、強く迫って来ない、と言って、両方で失望しているのでありましょう。しかし、強力と言い、強くというのは、何を言うのでありましょう。話の仕方のことなのか、人格の威力のことなのでありましょうか。
 聖書は、そうは言わないのであります。福音が語られると、その中に、神の義が啓示される、というのです。それは、話の方法の問題でも、語り手の力量のことでもないのであります。語る方が、「福音」を語っていることを知っているか、聞く方も、それを待っているかどうか、であります。福音以外のものを聞きたいと思っている人には、神の義は啓示されようがない、従って、救いを得させる神の力が与えられるはずはないのであります。説教が、日常茶飯事のように扱われて、その真の力を生かしえないとしたら、これ以上に恐るべきことはありません。
 
 しかし、福音が真に啓示されるためには、ただ語りさえすればよい、と言う訳には行きません。福音は、救いを得させる力とならなければならないのであります。主が十字架にかかられた時に、既に、神の義が啓示されていたことは、間違いのないことであります。しかし、これが力となるためには、これを受けねばならないのであります。
 礼拝の度に、キリストの救いが、新しい事実となって、われわれの中に力を発揮するのである、と言われますが、そのことが大切なのであります。福音において啓示された神の義を、これを聞く者が受け入れて、その救いの力となることなのであります。
 
 さて、そこで、この神の義を、どのようにして受けるのでしょうか。神の正しさであるから、われわれの方も、われわれの正しさをもって受けるべきでありましょうか。しかし、われわれは、はじめから正しさがないので、神の正しさを、自分の正しさを用意して受けることは、問題にはならなかったのであります。
 神の正しさ、義とは、神の厳格さ、聖さでありましょうが、実は、神の憐れみであったことは先に申した通りであります。神の恩寵であり、憐れみであることを受け入れる方法は、何でありましょうか。憐れみを受ける道は、威儀を正して、こちらも格式を整えて受ける、ということではなくて、自分が憐れみを受け入れねばならないほど罪深い者、愚かな者であることを心から認めて、その憐れみに信頼することであります。それ以外には、憐れみを受ける方法はありません。
 
 
(竹森満佐一著・ローマ書講解説教1:17・新教出版社)
 
        
これらの文章の転載は許可を得ております。    上河原立雄記
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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