忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

s-CCF20110217_00002.jpg
『旧・新約婦人物語』(19)
   イスラエルの母と呼ばれるデボラ
        (士師記4章~5章)
 
 士師デボラはイスラエルの母と呼ばれ、女傑といってもよい婦人です。ある人々はこの人を、フランスのジャンヌ・ダルクになぞらえているほどです。
 デボラは私たちが、先に学びましたモーセの姉ミリアムと同様、有名な女預言者であったとともに、音楽家でもありました。彼女がミリアム以上の地位を得ていたというのは、彼女がイスラエルの裁き人・士師の中のただ一人の女性であるところを見ても分ります。
 デボラの伝記を知るために、当時のイスラエルの国情をかいつまんでながめてみましょう。ヨシュアがカナンの地を治めて暫くの間、イスラエル人は神の律法を守り、唯一の神を崇めて正しい道を歩み、清らかな生活をしていました(士師記2:7)。しかし、その時代の長老たちが、だんだん亡くなりますと、彼らは神を捨てて、その地の偶像を拝むようになりました。これは神に対する反逆であり、大きな罪であり、当然の罰としてイスラエルはいろいろな苦難にさらされました。すなわち、内には民の風紀が乱れ、異教徒の女を妻とし、外には外敵の侵入があり、民の生命財産は危険におちいって、外国の奴隷となることがたびたびでした。
 そのような時、神はイスラエル人の叫びに耳を傾けられ、力ある指導者、よき裁き人を送って、迷えるイスラエル人を自らのもとに導き返らせました(2:16)。しかし、その指導者が亡くなると弱いイスラエル人は、またもとの偶像に走るのでした。これらは私たち人間のもろく弱い性質をよく現わしています。このような状態が300年も続いたのです。
 士師デボラの時代には、イスラエル人は、カナンの王、ヤビンの奴隷となり、苦しい叫びをあげていた時でした。その王には勇将シセラがおり、その下に鉄の戦車900輌もあって、イスラエルを圧し、彼らを奴隷として酷使していたのです。このように何の希望も持てないイスラエルの暗黒時代に、神から遣わされた預言者デボラは、緑も深いエフライムの彼方、ラマというところで、しゅろの木の下に座って、イスラエルの人々の訴えを聞いていたのです。
 彼女は、神の言葉によって、バラクという人を呼び、「イスラエルの神、主はあなたに、こう命じられるではありませんか。『ナフタリの部族とゼブルンの部族から一万人を率い、行って、タボル山に陣をしけ。わたしはヤビンの軍勢の長シセラとその戦車と軍隊とをキション川に引き寄せて、あなたに出あわせ、彼をあなたの手に渡すであろう』」(4:6~7)と告げました。
 バラクはその責任のあまりにも大きいことを恐れてか、敵将シセラに怯えてか、しきりにデボラの同行と、彼女の指揮とを求めました。そこでデボラは、バラクの軍に加わり出発いたしました。神はイスラエルを救い、大勝利を得させ、奴隷の苦境から解放されました。
 士師記5章の初めを御覧下さい。これはその時、彼らが神に捧げた讃美であり、凱旋歌です。
 「もろもろの王よ聞け、
もろもろの君よ、耳を傾けよ。
わたしは主に向って歌おう、
わたしはイスラエルの神、主をほめたたえよう。
主よ、あなたがセイルを出、
エドムの地から進まれたとき、
地は震い天はしたたり
雲は水をしたたらせた。
もろもろの山は主の前に揺り動き、
シナイの主、すなわちイスラエルの神、主の前に動いた。
デボラよ、ついにあなたは立ちあがり、立ってイスラエルの母となった」(士師記5:3~7)と歓びの歌をうたっております。彼らの感激のさまが目に見えるようではありませんか。
 
私たちは、ここで教えられることがたくさんありますが、主なことは次のことです。
1 偶像崇拝がいかに大きい罪であるか。またこれは必ず神の裁きを受けるということ。イスラエル人が、偶像崇拝に陥るごとに、彼らは外敵の侵入を受け、非常な苦しみをなめているのを見ても分かります。ここで日本の現状を振り返ってみて下さい。30余年前の日本は偶像に頼って、あの大きな戦禍を受けました。戦後、偶像崇拝は衰えたかのように見えたのも束の間、またこの頃、復古調とかいって、国民は元の偶像に心を傾けるようになりました。私たちクリスチャンはこの際、はっきりした態度をとらねばなりません。
2 神は弱い女でも御用のためにお用い下さることです。もちろん、私たちが、このデボラのような目立った特徴を持ってはいませんが、信仰のために勇気を現わすことは、クリスチャン婦人の務めです。
デボラの勇気と、彼女の知識、機を見るに敏であったことに教えられ、私たちはもっと勇気を出して、積極的に家族の人々、周囲の人々を神に導こうではありませんか。
 
 ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]